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九条の大罪 第77審 あらすじ ネタバレ注意
拳銃の所持だと銃刀法でかなり重い罪になる、十年以上の刑となるのは銃刀法か殺人くらいという九条。
ヤクザの殺人などは下のものが罪を被るため京極は拷問や殺人をしても罪を免れるようだ。
九条の申し出に対し壬生は伏見組に狙われる上に懲役をかぶるのはキツイというが、九条は自首による減免により罪を免れることは不可能ではないという。
九条は続けて、自主をしたら警察が保護するという。
最後に、壬生に梯子は外さないでくださいなという九条。
壬生は無言だ。
九条と別れた壬生は犬飼に逃亡用に外資系のホテルを取り、偽造パスポートの用意を考えている。
なぜ犬飼はここまでしてくれるか聞くが、死に別れた弟に似ているという。
いつもくっついて懐いてた弟にと。
それを聞き、「泣いていいっすか」と涙する犬飼。
菅原の車のガラスをノックする男。雁金の部下っぽい若い衆の一人だ。
伏見組のもので、カシラが呼んでるという。
一方もう一人の若い衆を連れた鍛冶屋は浅草とか池袋にありそうな屋台っぽい居酒屋の路上にせり出した席で焼き鳥と酒を飲んでいる。
鍛冶屋は「覚悟が足らない」と若い衆に凄み、きりっとした表情である。どうも銃を打つ心の準備ができているようだ。
そのままの勢いで拳銃のタマを餌に路上の女性に声かけをするが、無言でシカトされる。
武器庫の鍵を外し、大量の銃を久我と運び出そうとする壬生だが、菅原のスマホから電話が来る。
電話をしてきたのは京極だ。
九条の大罪 第77審 感想
前回嵐山が周回遅れ感があると思ったが、さらに鍛冶屋がポンコツ感を出して描かれている。
壬生も京極も互いに盤面が煮詰まっており、壬生が武器庫を開いたかと思えばすかさず京極は菅原を抑えている。
将棋でいうならば、まさに、互いに王手をかけており、ここからの挙動一つですべてが決まりそうな局面で、序盤から微動だにしていない「歩」が一歩踏み出そうと決心しているような図であり、非常に香ばしい。
さて、壬生と菅原の関係性は複雑そうだが、大雑把に言って協力関係や仲間と言っていいだろう。
そして、今捕まってしまっている犬飼の部下などとは少し違うグレードの仲間であるはずの菅原は、一声で屈強な仲間を集めたり、自身の才覚でビジネスを行う知力を持った男であり、モブキャラではない。
壬生が疑いなく連絡に出てしまうところも、まさか菅原が京極にとらえられているとは夢にも思わない、ということを現わしているようだ。
さらに、先ほど鍛冶屋を「歩」と言ったが、菅原を捕まえたのも若い衆であり「歩」のような存在と思われる。どのくらいの間が居るのかわからないが、彼らの上に雁金が居て、さらに京極がいるという構図であり、伏見組の組織力はやはり強力そうである。
今回犬飼を「死に別れた弟」に似ていると言ったが、たぶん感想は「おもち」に対する感想である。
犬飼を感動させなければいけないシーンにおいて、とりあえず思いついたであろう愛する家族である「おもち」に対する感想を言っている感じがして、個人的にはすごく壬生っぽい。
さらに、犬飼も60審でイッヌと千歌に呼ばれていたが、名前に「犬」が付いて、欲望に純粋な、犬のような存在、と言う意味で使われていたあだ名ととらえていたが、ここでも壬生に「犬」つながりでおもちと重ねられている。
壬生が犬飼を守る必要は確かに無いようにも思えるが、個人的には弟みたいだから守るわけでも、かわいいから守るわけでも、おもちに似ているわけでもなく、壬生はどこかで犬飼が必要だから厳しい状態でも犬飼を守っているのでは、と個人的には感じている。
九条の大罪 第78審以降の展開は?
何度も言っているが全然私にはわからないのは鞍馬検事の登場である。
このシリーズで登場しないはずがないことは誰もがわかっているが、一部の読解力と考察に優れた人でないとたぶん想像がつかないのではと思う、少なくとも全然私にはわからない。
わかる部分でいえば、壬生が自首した場合でも、刑務所行きにならない算段はある程度九条に立っているのだろう。
九条が壬生に念押しをしているシーンは、珍しく、意外にも感じた。
しかし、九条が念押ししている理由は、壬生であればいっそのこと京極を殺してしおうか、と言うような思い切った決断をしかねないとよく理解しているためではないだろうか。
梯子を外すな、と言う言葉を聞くと、裏切りをするなと言うようなニュアンスが感じられるが、そうではなく、ここでは道を誤らないでほしい、というような意味なのかもしれないと思った。
九条の指示通りに事が進むならば壬生は出頭するはずだが、例えば久我が出頭するとかであっても一応京極は困ったことにはなりそうである。
しかし、そうなると壬生が警察から守られるということがなくなる。
また、仮に壬生自身が守られても、今回人質に取られている菅原や、挙動/判断が未熟な犬飼、あるいは久我と言うものまで守り切れるのか、壬生は難しい判断に迫られている。
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