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九条の大罪 第105審 あらすじ ネタバレ注意
白いスーツを着たハットの男についていく形で壬生と宇治が寺に来ている。90審に登場した、明治以前の教えを説く塾にいた変な奴、と壬生が言っていた男だ。今後顔が出ないまま登場することもあるのかもしれず、白い男、としておく。
白い男の背丈は壬生や宇治の肩くらいまでで、壬生や宇治は壬生や宇治はデカいため比較すると小さく見えるのかもしれないが、白い男は小柄というか標準体型というか、とにかく身長は大きくなく、肉体も普通な感じである。
寺で鹿をいじめる学生を窘めた壬生であるが、その後、宇治とともに鹿のフンを踏んでしまい、二人ともうおっ、という。その様子を見て笑う白いスーツの男。
唐突に道徳心理学について話し始める。第一段階は「罰」を避けるために道徳的にふるまい、第二段階は法律やルールに従う、という。これだけでは不十分とする白い男は内的な良心に基づいて自分で判断し道徳的に判断をすることが人の目指すべき第三段階であると結論付ける。
これに対し人々は声の大きい、権力のあるものやルールを作ったものに流され、自分で考えることをやめてしまいルールや法律を守るだけで生きているという趣旨のことを言う。
世の中が厳しくなったら心の自由は誰にも奪われないことを思い出せ、そして自分で判断できないと一廉(ひとかど)の人間にはなれない、という。
白い男は九条に興味があるので会わせてくれ、と壬生に言う。
九条の事務所。20日でパイになった射場が困っている。有馬からの嫌がらせ写真と呼び出しを食らって憂鬱であると。
考えを巡らせる九条。
相楽は再び池尾と接見している。池尾は弁護士は九条に頼んでいるというが、相楽は九条は反社に飼われている悪徳弁護士であるという。
しかし、池尾は九条は相楽より信頼できる、という。
相楽はひるまず、信頼とは何ですか、と聞き返したうえで、1億円を出すという。
16分40秒のタイマーをスマートフォンで示し、1秒おきに10万円が減っていくと言いタイマーをスタートさせる。
30秒で300万がなくなったと言い、池尾に決断を迫る相楽。
九条の大罪 第105審 感想
カラー絵なので白い男が、白っぽい薄いブルーとかの服ではなく真っ白の服を着ているということが良くわかった。
今回は白い男の価値観というか考え方が少し示された。前回は日本が衰えた理由は信念がなくなった、と言っていたが今回もそれに近い話をしている。
道徳、というものは決められたものを守るだけではなく、そこが間違い/錯覚の始まりであり、あくまでも価値観・自由・正義はそれぞれの心の中にある、とする道徳心理学に基づき、白い男の価値観は形成されている。
そして九条に興味を持っているという白い男であるが、この考え方は九条とは真反対である。
九条本人に道徳や善悪の判断をする気持ちがゼロなのかというと分からないが、少なくとも弁護士をしている九条は顧客の要望に応えることと、ルール(法律)を守ることの中で仕事を遂行することが継続されている。
この点において既に白い男と九条がかみ合わないように感じる。
いっぽう壬生はこの二人をよく知り、かみ合わない考えを理解したうえで九条を白い男に紹介しているわけだから、何らか意味合いや解決があるのかもしれない。
道徳心理学と聞いて眠たくなりそうだという壬生には少し若さも感じるのと、そもそも反社に狙われている状況下、宇治がついているものの、果たして呑気に寺などをうろつけるのかと考えると、これは時系列的には結構前、少なくとも京極猛を犬飼が拉致してしまい、揉める出来事があった前の様子なのかもしれない。
あと、宇治が異常にごつい。ここまでの登場キャラでは最強レベルのバルクを誇っており、尻、腿、カーフあたりもパンパンに張っているのがジャージの上からもわかる。
ここまでの登場キャラでバルクを感じるのは壬生・京極などであったが、ちょっとレベルの違うバルクである。
九条の大罪 第106審以降の展開は?
相楽が力強い。九条への信頼と減る1億円を天秤にかけて池尾を揺さぶっている。
池尾に1億円など冷静になれば払われるはずもないように感じるし、反社の飼犬呼ばわりした九条と、今の相楽でどちらが悪徳なことをやっているのか、これも冷静になれば明らかに様子がおかしいことは分かりそうだが、目の前で減っていく1億円の圧力に池尾は苦しんでいるようである。
九条が依頼人をカンモクさせるように、先回りしてこの魔力にやられないような策を池尾に授けている可能性もありそうだが、池尾は屈してしまうのだろうか。
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