Amazonという会社は皆ご存じだと思います。世界最大規模の売上を誇り、日本でもAmazonのオンラインストアで生活用品を買ったり、AmazonPrimeなどでなじみが深いと思います。
ほかにもAWS(Amazon web service)というクラウドサービスの提供であったり、実店舗へのチャレンジなど様々なチャレンジを行っているAmazonという会社が、いかにスピーディに意思決定を行うか、そのカギはすごい会議にあるという内容です。
本記事ではAmazonのすごい会議 ジェフ・ベゾスが生んだマネジメントの技法 佐藤将之 東洋経済新報社 の内容を踏まえ、すぐに実践できるポイントと自身の経験から得た情報を合わせて述べています。
会議の考え方、ルール、テクニックが詰まった一冊なので「会社の会議ってつまらないし無駄だよなー」と思っている方は自分で読むと同時にさりげなく上司にプレゼントして会議のスタイル・ルールを変え、快適な業務環境を手にしましょう。
正確な内容は本を購読してください。
やめる・減らすものと増やすもの
何かをやめるということで大きなリソースが生まれます。
まずいい会議をしようという前に無駄なものをなくすことが大事です。
情報伝達の会議はやめる・減らす
会社の会議で情報伝達や報告の時間があるかもしれません。
これらは関係者に直接伝えて済む場合も多く、特に「週次会議」「月次会議」などのように継続して集まるなどが習慣化されている場合は見直しが必要です。
最も効果的なのは「やめる」ことです。極力やめることを目指しましょう。
1対1(ワン・オン・ワンのコミュニケーションを増やす
やめる代わりに増やすことで効率化を図れるのは1対1のコミュニケーションです。
一人ひとり話すよりまとまった会議の方が効率的な気がするけど・・・
顔を合わせる目的ならそうかもしれないけど、効果/時間で考えると1対1は得られる成果が高いようだよ。
資料作成のルール
会議に資料はつきもので、Amazonの会議にも資料は登場します。
ですが、どういう資料を作るか?というところに効率化のポイントが詰まっています。
Amazon流会議 PowerPointは禁止。Wordで、文章にして誰にでもわかる資料を。
Amazonの会議資料ではほとんどPowerPointを使わないようです。
PowerPointはデータなどを見やすくできるメリットがあります。
一方で加工段階で作成者のニュアンスが入ってしまったり、見やすくするために必要かもしれない情報を切り落としてしまったりすることにより受け手側の解釈が変わってしまうリスクもあります。
PowerPointの代わりに会議ではWordを中心に文章で理解できるように表現することがルールです。
また、ワード内でも箇条書きが禁止されていて、これも要約による解釈のズレを生むためです。文章にすることで主張や根拠などを書く必要があり、これらをもとに経営判断ができる
この記事みたいな、「まとめ系」も解釈のズレを生むかもだね。
正しく知るためにはまとめではなく、本をちゃんと読むべきだね。
1ページャー 用紙1枚の資料を基本の資料とする
- 背景
- 課題
- 対策
- ゴール
を1枚の紙に書いたものです。
1枚ですが、これらを織り込むので内容としては充実し、基本の資料となっているようです。
例えば課題については「定食チェーン」などに置き換えると
2020年新型コロナウイルスの影響により、日中の在宅率が○○%増えている。これによりオフィスエリアでの外食店のランチ時間帯の客数は平均で▲▲%の減少、自社においても同エリアの客数が■■%の減少している・・・
のような文章で対策を講じる前段として、背景や課題を整理するようです。
6ページャー 大がかりな報告の場合
大がかりな報告でも6ページまで。
年次予算や大きなプロジェクトなども6ページでまとめられています。
添付資料は多くてもOK
データなどを使用する場合は添付資料として添えます。
「話の骨格」については1ページ、もしくは6ページできちんと文章・ストーリー化するということがポイントです。
会議のルール
会議が始まる前の共通認識や呼びかけという意味でも特徴的な運用がいくつかあります。
招集者=オーナー=ファシリテーター 役割をオーナーに集約する。
オーナーというのは主催者のことです。
進行役と会議の主催者が異なったり、招集を行うのが会議の主催者でない場合があると思いますが、これらは一致していた方が効率的という考え方です。
プロジェクトリーダーなどはオーナーであるという場合があると思いますが、オーナーがまず会議に必要な人を考え選ぶため、オーナーによる招集が効率的です。
また「進行役」を別途立てることによりオーナーと進行役の確認作業などによる無駄も省けます。よってファシリテーションもオーナーがやったほうが良いということです。
ではオーナーがすべてやることが正しいのかというと、任せられる仕事もあり議事録などはオーナーが取らなくてもいいようです。
15分の沈黙。会議の始まりは資料の黙読から
Amazonの会議は沈黙から始まります。
沈黙とは、黙読の時間で、6ページの資料であれば15分、1ページであれば5分程度かけて参加者が資料を読みます。
事前に読んで置いたらこの時間も省けるんじゃない?
事前に送るとボリュームが多くなったり、読んでない人が居ることもあるよね
例えば事前に資料を送付するのは効率が良いようで罠もあります。
- 資料を読んでいない人が居る
- 資料の読み込みレベルに差がある
- 資料のボリュームが増える
- 読んでいない人のための説明を再度会議で行う
読むことも業務として時間がかかるのであれば、適切なボリュームで要点を抑えた資料を会議で全員で読んだ方が、同じレベルの理解から議論・意思決定が出来るので効率的です。
会議のテクニック
会議を開くまでの段取り・準備については説明しました。
ここからは会議が始まってからのテクニックを紹介します。
進行のテクニック 「リフレーズ」「パーキングロット」「バルコニー」
リフレーズは言い換えです。
考えていることは有るけれどもうまく表現できない人や、まとまっていない言葉をチームに共有するために必要です。発言の少ない人も会議に引き込むことで生産性を高めます。
Amazonの会議のテクニックはわかったけれども上司にうまく伝えられるかな。。
この前ミスして怒られちゃったし、うまく行かなさそう・・・
でもいつもの会議だと報告ばっかりで時間取られちゃうから早く変えたいな。
上司に伝える人とタイミングが大事そうだね。
その2点について考えてみる?
パーキングロットは駐車場という意味の英語ですが、本筋に関係ない意見を一時避難させる場所です。
ホワイトボードで議論を進めるとき、論点ずれなどを起こした場合も本論に戻ってこれることと、論点を外してしまった意見も尊重する役割があります。
本論とは別にパーキングロットのスペースを作ってそこに無関係な意見を「置いておく」ということです。
「バルコニー」は2階以上の手すりのあるスペースを指しますが、ここでは、目線を変えるという意味です。
参加者と目線を合わせ議論を白熱させることも大事ですが、会議ではゴールにたどり着く必要があり、そのためには冷静さも必要です。議論をバルコニーから見下ろすように。
これをするのは簡単で「席を立つ」ということでOK。物理的に実際の目線を変えることで視点を変えることが出来るようです。
ホワイトボード・模造紙・ポストイット。会議の必携役立ちアイテム
まずホワイトボードですがアイデアを書きだしたりするのに必要です。
ホワイトボードシートであれば、持ち運びも可能です。
消せないというデメリットは有りますが、模造紙も持ち運びもしやすいです。
アイデアはポストイットで貼り付けるのもおススメです。
デスクやホワイトボードにアイデアを出して、似たアイデアをまとめたり、連想して別のアイデアが生まれたりと
オフサイト=会社から離れた会場での会議を設ける
オフサイト=会社から離れた場所での会議もおススメです。
気分を変えてカフェで仕事をするとはかどるという人が居ると思いますが、いつも同じメンバーで同じ場所で会議をしていると気分も変わらず、中身も一定になりがちです。
できれば物理的距離も普段のオフィスなどから離れると良いです。
会社に戻って仕事が出来たり呼び出せれたりしない環境を作ってしまうということです。
「オフィスから離れる」ことがミソなので場所は「市街地の貸会議室」なんかでも成り立ちます。
メリットの多い社外での会議ですが、「お遊び」「旅行」にならないよう、会議の締め方は社内であっても社外であっても大事になります。
3W化(When・Who・What)いつ・だれが・なにを。KPI化して締める
会議の決定事項は皆が守り、実行する必要があります。
そのためには
- 3W化(いつ・誰が・何を)やるのかの決定
- KPIへの落とし込み
が必要になります。
会議に関するその他おススメ書籍2点
SUPER MTGは色々な企業のミーティングルールなどをまとめた本です。
Amazonの会議についても紹介していますが、他の企業のユニークで効果的な手法が書いてあり、勉強になります。
ファシリテーショングラフィックは「ファシリテーション」に特化した本です。
議論をどのようにリードし、ホワイトボードで見える化していくかという超具体的な技術が詰まっています。
これもすぐに使えるスキルを磨くためにはすごくいい本です。
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