市場のトレンドや傾向を抑えるツールです。いつがマーケットのタイミングとして適しているのかを月別、日別に分析した本です。
月別、日別の投資に関する過去データを蓄積、一覧化したものとコメントが書いてある本、というと興味がわく人、わかない人が居ると思いますが、書店には並んでいないこの本がどんな感じで書かれているかを説明します。
2023年度版が発売になっています。
Stock Trader’s Almanacとは? 2021年版を読んで。
Stock Trader’sAimanac はこんな感じの本です。私は価格が安いKindle版を買いました。
ページ数は少ないので紙ベースが好きな方は本を買ってもいいかもと思います。
普通の本屋では発見できない英語の本です。
Stock Trader’s Almhanacは米国の株式市場のトレンドや傾向を抑えるツールです。
月が潮の満ち引きに影響を与えるように、大統領選挙が経済や株式市場にどのような影響を与えるのか。
Stock Trader’s Almanac 2021より
多くの投資家が、政治サイクルを追いかけて財を築いてきました。
何十億ドルもの資金を管理しているマネーマネージャーもまた、政治サイクルのウォッチャーであることは間違いありません。
鋭い視点を持つ人たちは、私たちの「経済の歴史」のほとんどを通して効果的に機能してきたパターンを無視することはありません。
投資を判断する際に、いつ、なにを、どのくらい買って、いつ、なにを、どのくらい売るのか?ということは大事だと思います。
とりわけ「いつ」という部分は投資をはじめる人にとって特に気になるところで、たとえば
- いま投資をはじめたのに、いきなり暴落が来たらどうしよう。
というような抵抗感は誰だってあるものかと思います。あるいは投資をはじめてきてもう少し戦略が具体的になってきた場合も、
- はたしていまトレードをすることは正しいのか
- どのくらいのリスクはあるのか?
ということに興味がある人や、深堀をしたい人は居ると思います。
結論から申し上げるとこの本を読んだだけで、こういった事に対する明確な答えは有りません。
しかし、
ジョン・J・マーフィーのマーケットのテクニカル分析に記載されているように、未来の予測、分析というのは過去データの蓄積を手掛かりに行い、現代の様々な予測は過去データの蓄積からなっています。
投資に対して考える材料として、シーズナルに物事を考える場面で役に立つ本です。
米国の株式市場の過去データ(過去70年の蓄積)から、例えば1月の第1週にはどういった傾向があるか?を知ることが出来る本になります。
どういう事がStock Trader’s Almanacに記載されている?日別、月別の投資データと戦略。過去データは過去70年分
過去70年分のデータについて、平均値や最大値を表にして書いてあります。ほかにも記載は有りますが、まずこれが最大の特徴です。
もう少し具体的にいうと、過去70年分というのはS&P500指数についての記載です。
NASDAQ100指数は70年前は存在しないので50年分の蓄積データになります。
多数の表が分かりやすい
たとえば月ごとにこういう表が作られています。
非常に細かいデータが買いてあり、例えばプロ野球なんかの選手別の細かいデータとか、そういうものが好きな人にとってはたまらないと思います。
過去のS&P500の年間パフォーマンス平均くらいのざっくりしたものであればネットで検索すればすぐにわかりますが、こういった細かいメッシュのデータは存在しないため、非常に重宝します。
年度ごとの改訂をしていて、「今」活きる
たとえば2021年は2020年の大統領選の後の年です。
大統領選に向けて様々なアピールが終わった後の年、という意味で米国の経済にとっても選挙サイクルというものは意味を持ってきます。
こういったものに関してもオリジナルのグラフを作成されているので、
どのあたりの月のパフォーマンスが厳しそうなのか
既存政党が負けた場合は注意を高めなければならないのか、楽観ムードなのか
という判断をするのに役立ちます。
Stock Trader’s Almanac でできない事
ここまでを読んでいただいてお分かりかと思いますが、マーケットの歴史を分析しています。
よって、
- 個別の銘柄
- 確実な未来
に対する予測ということを可能にするものではない点をご理解の上ご購入いただくと良いかと思います。
特にテスラが○○とか、GAFAが☆☆みたいなことは全然書いていないのでそこは期待しないでください。
ただし、表に分けたようにダウ・S&P500・NASDAQ・ラッセル1000/2000に分けているので、個別株の売買をする人にとってもマーケットタイミング以外にも重要なヒントは存在します。
他のおススメ本について
いくつか投資に関わる本を読みましたが、こちらも良書です。
先ほど紹介したように「過去データの分析を投資にとって無意味」と断じることに関してこの本の中に反論がありました。
ざっくりと述べると、
天気予報などのあらゆる未来予測については過去のデータの蓄積から判断している
という内容です。
ぐうの音も出ない正論です。
最近ではコロナウイルスのワクチンの安全性についてなどがそうではないでしょうか。「臨床試験によるデータ」から「まだ摂取していない人への結果を予測する」ということはこれだけ人類の方向性を決めるような重要な場でも行われていることです。
決して過去のデータを侮ってはいけないと思います。
マーケットタイミング、ポートフォリオ、リスク管理や、情報収集、銘柄選定などなど、、、ほかにもいろいろ考えるべきポイントはあるかと思いますが、まず本屋にはない正確なデータなので活用の価値ありです。
また、今年の投資のツールとして購入する際は必ず「最新版」が良いです(過去のデータを積み上げたうえで今年のものにバージョンアップしてるためです)
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