ティンダー、ペアーズなどのサービスを提供しているマッチングアプリ関連企業マッチグループの2021年第1四半期の決算発表をもとに数字を中心にまとめます。デートアプリにとどまらず、ソーシャルディスカバリーを含めた成長を見据えているようです。
- 米国株 マッチグループ MTCH 2021年1Q決算
- マッチグループはどんな会社?アプリ「ティンダー」などを運営する会社
- 2021年1Q決算 EPS、売上、ガイダンス○
- マッチグループ決算概要:数字について
- COVID-19影響 新型コロナウイルスの蔓延はティンダーにはネガ。通常の生活に戻るにつれ初回登録者数が増える
- 北米を中心にアラカルト売上(非サブスク売上)過去最高水準に達している。1日のスワイプ®アクティビティは15%増。2021年1Qは日次スワイプ®アクティビティ数1位の日も。
- Hinge®(ヒンジ)は2020年米国内でダウンロード数3位のマッチングアプリ
- デートアプリ(恋人・結婚)からソーシャルディスカバリー(友人・趣味の分野)まで。マッチグループとマッチングアプリの将来性について。
- MTCH マッチグループ 2021年2Q 決算発表日はいつ?
米国株 マッチグループ MTCH 2021年1Q決算
ティンダーなどのサービスを提供しているマッチグループの2021年第1四半期の決算を数字を中心にまとめます。
マッチグループはどんな会社?アプリ「ティンダー」などを運営する会社
Tinder:マッチングアプリの王様的なもの。日本でも使える。世界展開。
OurTime:50歳~対象
Hawaya:独身のムスリム向け
Chi8PA:ラテン系の人に会える
BLK:独身の黒人向けなど
いろいろなニーズに合わせたマッチングを行っているようです。
こちらのプルーヴ様の記事で世界のマッチングアプリについて紹介されています。このなかでTinderとPairsはマッチグループが現在提供しています。
Tinder、Hinge、Pairs、Meetic、PlentyOfFish、Pairs、BLK,およびChispaがサブスク会員の増加につながっているようです。
2021年1Q決算 EPS、売上、ガイダンス○
$MTCH
— 𝐓@投資勉強中 (@dangerousteee) May 5, 2021
マッチグループ
2021年1Q
EPS 予想0.4ドル 結果0.57ドル
売上 予想650.66M 結果668Mドル前年+23%
サブスク会員+12%
ARPU+9%
2Qガイダンス
予想678.76M→680-690Mドル+22-24% pic.twitter.com/yE5VqD7lBT
EPS、売上、ガイダンスを上回る良い決算でした。
マッチグループ決算概要:数字について
- 売上高:668百万ドル(前年+23%)
- 営業利益:189百万ドル(前年+38%)
- 営業利益率:28%
- 調整後EBITDA:2億3,000万ドル(前年+32%増)
- 調整後EBITDAマージン:34%
- 平均加入者数:1,110万人(前年+12%)
- ARPU:0.64ドル(前年+9%)
- Tinder収益:前年同期比+18%(平均加入者数+15%、ARPU+4%による)
- Tinder以外収益:前年+30%(平均加入者数+8%、ARPUが+18%、非加入者のライブストリーミング収入増)
- 年初来累計の営業キャッシュフロー:1億200万ドル
- フリーキャッシュフロー:9,200万ドルとなりました。
ティンダーとその他の売上伸長率から計算するとティンダーの売上が全体の58%くらいということになります。ティンダーの収益も伸びていますが、ティンダー以外の収益はさらに伸び率が高いです。
COVID-19影響 新型コロナウイルスの蔓延はティンダーにはネガ。通常の生活に戻るにつれ初回登録者数が増える
2020年Q1,Q4は新型コロナ第1波、第2派(アメリカ)の影響を受けましたが、比較的症例数の落ち着いた夏場(Q2-Q3)やワクチン承認後の2021年1Qなどでは登録者数が増えています。
北米を中心にアラカルト売上(非サブスク売上)過去最高水準に達している。1日のスワイプ®アクティビティは15%増。2021年1Qは日次スワイプ®アクティビティ数1位の日も。
COVID影響はティンダーを始めマッチングアプリにとってはネガであることと、その局面を回復しつつあることが強調されています。
- Tinderが最も広範な地域で展開しています。Tinderの収益の中で非経常的なアラカルト収益(=サブスクリプションでない売上)の占める割合が高くなっています。
- TinderはCOVIDの影響を大きく受けています。
- しかし、いくつかの地域ではアラカルト収益が大きく回復しています。北米および西欧の一部の国では、アラカルト製品の売上がパンデミック発生以来の最高水準に達しています。
- 他の国では、ワクチン接種率やCOVID患者の減少率がまだ低いですが、ワクチンの普及が進み、COVID患者が減少すれば、これらの国もいずれは北米の傾向に追随すると考えています
- Tinderのエンゲージメントは、年齢、性別を問わず、COVID発生前の水準を大きく上回っており、将来に向けて良好な状態を維持しています。
- COVID前の基準期間と比較して、1日の平均スワイプ®アクティビティは15%増、1日の平均メッセージは19%増、会話は32%長くなっています。
- 2021年第1四半期Tinderは、パンデミックの期間中、1日の平均スワイプアクティビティの記録を更新し、その中でも最大のスワイプアクティビティの日が2日ありました。
Hinge®(ヒンジ)は2020年米国内でダウンロード数3位のマッチングアプリ
Hinge®は、若い世代に好まれる恋愛アプリとして急速に成長し続けています。
- 2018年第2四半期にHingeの買収時、Hingeは 米国でダウンロード数13位のデートアプリ→2020年、第3位
- 全体的なユーザー数の増加、英語圏の市場でシェア拡大、この1年間で、収益化が大きく進展。
- Hingeは、3つの新しいアラカルト製品を導入し2020年のARPUは倍増。
- 2020年に収益を3倍にしたHingeは、2021年には収益を2倍にするペース。
- 2021年の目標は、既存市場でのHingeのユーザー数を増やし続け、収益性(マネタイズ)をさらに向上させること。
- 2022年には、国際市場へのさらなる拡大に目を向ける。
デートアプリ(恋人・結婚)からソーシャルディスカバリー(友人・趣味の分野)まで。マッチグループとマッチングアプリの将来性について。
現在強みのある領域はデート領域で、これは最終的に実際に会う人同士をマッチングするなどの制約(距離・関係性・会う頻度など)がありますが、ソーシャルディスカバリー(友人関係や共通の関心事)などであれば制約が緩和され、結果的により大きな市場機会を得る。
というビジョンがあるようです。
調査によると、10代の半数以上が 調査によると、10代の半数以上がオンラインで新しい友人を作ったことがあり、15%がオンラインで親しい友人を作ったことがあるとのことです。
デートのシーンはHinge 、ソーシャルディスカバリーはHyperconnect®(2021年2月に買収を発表)などを主に利用しますが、相互の知見を活かしながらマッチングサービスとしての成長を遂げることが出来ると言っています。
米国ではもともとTinderの共同設立者だったホイットニーウルフバードさんの作ったBumbleを試してみた際、初期登録(その後変更可能)で3択で恋人・友達・仕事友達を選べました。
他社もそのような分野には関心があるのだとは思いますが、個人的にはソーシャルディスカバリー目的のアプリを別に傘下に持っているのは強そうだと思いました。
MTCH マッチグループ 2021年2Q 決算発表日はいつ?
米国株の決算は直前まで決まっていないので企業のIRページもしくはYahooFinanceやinvesting.comなどのサイトで見てください。
注意点も含めて記事にしています。
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