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九条の大罪 第21審 あらすじ ネタバレ注意
「下手に出たら調子に乗りおって。徹底的に潰す」と叫ぶ山城
「はい。徹底的にやりましょうか」と九条
はずされたバッジと大量の酒。酒はワインに焼酎、缶ビールなどだ。
酒を飲み比べている山城と九条。
「弁護士は正義」なんておかしい、金があるのが正義という山城。
強い弁護士は金のあるやつしか相手にせず貧乏人は弱い国選しか選べないと。
私は貴賤では考えない。返す九条。
九条は金持ちだろうと貧乏にんだろうと一律33万円の着手金にしているらしい。保釈の謝礼も一切受け取らないと。
激安だ、という山城
怪物と戦う者は自分自身も怪物になる。深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいている。
九条はいずれ怪物になる。と山城は続ける。
ニーチェの善悪の彼岸ですか、と九条。
いいたいことを言った後、酔いつぶれて、いびきをかいて寝る山城に毛布をかけ、「尊敬の念は変わっていない」という九条。
菅原が壬生に「下の者がだした傷害の被害届を取り下げろ」と電話で告げる。
菅原の動画がバズったため、警察に言われて仕方なく提出しただけなので取り下げるという壬生。
全部お前が絵を書いたんだろ、という菅原を
なんのことだかさっぱりと軽くいなす壬生。
壬生は久我と一緒だ。菅原が改装して介護施設を作る予定だったボウリング場にいる。
壬生の名前が出ない会社で菅原の所有するボウリング場を安く買い叩いたらしい。
「壬生は怖い」という久我に、「菅原の介護施設にもぐりこんでバレなかったのはさすが」という壬生。
壬生の命令ならどんなことでも命を張るという久我に、もう一回人間ボウリングするかと冗談をいう壬生。
勘弁してください~という久我
つづく
九条の大罪 第21審 感想
大まかな決着はついている。続きはありそうだが今回で終わりでもストーリー的には一応成り立つ話であった。
九条VS山城 飲み比べに勝利した九条の思い
揉めに揉めている二人が対決したのはまさかの飲酒対決であった。すでに前回敗北を覚悟した山城がさらに戦いを挑むのかと思ったが、二人の立ち技での戦いは既に終わったということかもしれない。
山城が完全に弁護士をやめてしまうのかについてはよくわからないが、個人的にはやめてしまうということなのかなと思っている。
酒は二人の関係において本音を語る機会のようだ。
前回同様眠ってしまった。
酒を通じて二人は本音を話すようで、これは家族の距離③においても見られたシーンだ。
金を第一に考える山城としては、前回のラーメン屋へのハシゴや、今回のホテルでの雑多な飲み食いといい、普段の暮らしとは異なるように思える。
学生や気の知れた仲間が食事や飲み会をするように、場所を選ばず、おそらくコンビニなどで買ってきたであろう安い酒、安いおつまみであってもとりあえず酒と適当な場所さえあれば心を開く二人。
山城は九条を、九条は山城に愛情と敬意をもってそれぞれが接していることは変わらない。だけれどもいざ争いの場となれば二人ともプロフェッショナルとして闘う、そして恐らく敗れたであろう山城は弁護士のバッジを物理的にも外し、実質的にも外したのではないかと思っている。
ちょっと自分が思っていたよりはるかに二人の絆は強そうだが、それでも九条はやはり容赦ないのであろうと思えている。
壬生・久我はウシジマ・戌亥・柄崎/滑皮・梶尾・鳶田と似た関係性
壬生はやっぱりウシジマくんっぽくもあり、滑皮っぽくもある。
ウシジマには柄崎と加納、滑皮には梶尾と鳶田といったボスのために命を懸けられる部下がいた。久我と壬生の関係はまさにそれであり、人間ボウリングをしようか、とちょっとリアルなジョークでからかう壬生と久我の関係は、ちょっとやそっとで揺らがない強固さを示している。
もう一人、ウシジマくんで思いつくのは戌亥であり、彼は最後まで何者かはわからなかったが真っ黒な人たちやグレーな人たちの非常にややこしいパワーバランスの中でうまーく立ち回り、ウシジマをサポートしていた人材である。
とにかく久我は有能そうだし、残りの「おもち」メンバーも強力な存在であるに違いない。
久我は壬生に命を懸けて尽くすのではないかと思うし、既に凶暴な菅原に潜入していたことや病院送りになり、鼻にギプスをするほどのダメージを受けている久我は既に十分に命がけである。
ついでにウシジマくんつながりでいうと、たしか戌亥による「3人命を張れる部下がいれば、その組織は天下を取れる」というような伏線ともとれるセリフがあった。
この伏線についてはウシジマくんの中では回収されたとも、回収されていないともとれるが、もしかしたら総勢5人からなる「おもち」メンバーの忠誠度合いによっては壬生は天下を取るのかもしれない。
ウシジマ、柄崎、加納、高田、マサルと、カウカウファイナンスのメンバーは女性の非戦闘員である小百合を除くと5人であった。その辺も何となく「おもち」とかぶる。
完全に悪サイドという意味では滑皮に近い存在で、滑皮も冗談を言いながら部下に愛情を注ぐ場面があったが、ニヒルで温かいというちょっと矛盾する感じと、加えて脳筋ではなく、知的な感じはウシジマくんの世界の強キャラを思わせる。
とにかく今後のおもちメンバー他3名の登場が楽しみである。
壬生&久我VS菅原は壬生サイドが制する
菅原の施設が格安で売りに出されたということは菅原がお金に困っているのか、事業をする見通しが立たなくなったのか、そのあたりはよくわからない。
菅原の態度がそこまで取り乱していないのは彼が強者であるからであり、すでに普通の胆力のものであれば慌てふためくほどの精神的、金銭的、社会的ダメージを負っているように思える。
ここで話が終わりなのか、次章以降の続きがあるのかは分からないが、このまま明確に白黒をつけないまま話がすすめば菅原の再登場もあり得そうである。
九条の大罪 第22審以降の展開は?
何も書かれていない家守華恵の結末や、菅原、山城の顛末についてサラッと書かれて次の章に突入していくこともあり得るのかと思っているが、それ以上にこの章のテーマが「家族の距離」であり、最大の課題であり心をえぐるポイントである介護と愛情についての最終的な話がまだ含まれていないのかなと思っている。
話としてはここで終わりで次の話に移ったとしても不思議ではないが、もう少し家守関連の深堀もあるのかなと思っている。
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