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九条の大罪 第42審 あらすじ ネタバレ注意
ホテルのベッドにうつぶせに寝る京極。なぜか全裸だ。
話している相手はトゥールビヨンの小林だ。浅黒い色に眼鏡をかけた小太りの見た目は以前小山と名乗っていた男と一緒なので偽名なのだろうか、それとも単純に名前を間違えているのかよくわからないが、同一人物だろう。
小林は自分名義で京極にホテルの部屋を貸しているようだ。
快適なホテル暮らしで助かる、と言う京極。
空のグラスを机にコツ、と置く。
小林は、お世話になっているから、お安い御用という。
再び京極は空のグラスを机にコツ、と置く。
京極は頼まれた件をやっておいた、という。
頼まれた件、というのは「雫花ぴえん」について、お金欲しさに訴えた外畠&笠置衣子のことのようで、「股間を焼き切って宦官にした」とのことである。
なんだ、生きてるのか?と話し、口を割らないか心配する小林。
殺せってこと?と返す京極。怖い、攻撃的な目つきだ。
すぐさま察知した小林はいえ、と否定するが、京極はグラスを机に再びコツ、と音を立て置き、のど渇いた意志教示に気付いた?という。
飲み物を入れる小林に、チクリの件は大丈夫、社長まで絶対にたどり着かないという京極。
人気の女優を1日貸してくれ、という京極は、調子に乗っている金持ち社長と人気女優のハメ撮りを盗撮し、さらに会社を乗っ取るつもりのようだ。そして九条も鳩のように働いてもらう、という。
外畠は今も笠置衣子と同棲しているが、仕事をしていないようだ。生活保護申請するわ。と言っているが全く何もする様子のない外畠にイラつく笠置衣子は罵声を浴びせる。
それに対し殴り返す外畠だが、使い勝手のない不能者、出ていけと言い争いになる。
家を出た外畠は原因は惨めになった股間にある、と考え、どうやって知ったのかわからないがデリヘルオーナーのベンツっぽい高級車に放火をする。
しかし、その様子が防犯カメラに写っており、逮捕される。
デリヘルのオーナーは久我のようだ。
嵐山が外畠になぜ放火したのかを聞き、正直に話せば放火の件はお咎めなしにしてやる、と言う。
今度は久我が逮捕されている。面会に来る九条に対し、性風俗につかせる目的で女の子を職業紹介した、という嫌疑で捕まっているが、元従業員の外畠への暴行容疑で取り調べを受け「これ別件逮捕です」という久我。
つづく
九条の大罪 第42審 感想
嵐山の娘、信子の話はいったん過ぎ去り、今回は京極に加え、股間を痛めた外畠・トゥールビヨンの小林など、消費の産物編キャラの再登場もあった。
トゥールビヨン小林とのやり取りで垣間見えた京極清志の怖さ
外畑がなぜ襲われたのかについて、当初はデリヘルの女に手を出したから、という理由だった。
しかし実際は今回明らかになったように、「雫花ぴえんを失う原因となった外畠に制裁を加えるよう、トゥールビヨンの小林が京極に依頼をしたため」であった。
なぜ外畑にデリヘルの女に手を出した、という恐らく事実ではあるものの、本来の依頼とは別の理由で制裁を加えたのかというと、正に今回、京極が小林に説明しているように足がつかないように、だと思う。
あくまでデリヘル内のトラブルである、と結論付けるように自然な形で外畑に制裁を加えたのだ。
京極をもってすればもっと素早く、直接的に外畑を痛め付けることも可能だと思う。
しかし、自分は決して表に出ずに仕事を終える、根回しの周到さを持つのが京極という人間のようだ。
周到であると同時に今回は全裸だったのでよくわかるが肉体はかなり鍛えこんである。
賢さと力を備えているであろう京極はまさに強者であるが、それでも今回見せたような細かい仕込みをしないと呆気なく捕まってしまうのだろう。
僕はよく知らなかったが、自分の名前ではホテルも予約できないようだ。これはヤクザの人は皆そうなのだろうか。
京極は小林にも丁寧に接していたように見えたが、コップの件から見るに上下関係を明確にしている。
勘違いするなよ、と言いたげな様子でさっきを放つが、直接的な言葉ではなく、あくまで空のコップを「コツ」とやることで「察しがない、気が利かない」というようなことを小林自身に感じさせている。
普通であれば「喉が渇いてる、グラスが空いたんだから水を注いでこい」と言えば終わる話だが、直接的に指示、命令をせずに相手に動かせるということを京極は平時からやっているように感じるシーンである。
ここまで京極自身が直接的な暴力をふるっているシーンは全く見られず、ガリガリ君を分け合ったり、ホワイトニングをしたりしているくらいで、壬生を脅したときも車を乾燥させる熱で攻撃していただけで、直接殴ったり蹴ったりはしていない感じだ。
いっぽう再登場したトゥールビヨンの小林は以前の九条との会話を見る限り比較的丁寧な人間に見えた。
しかし、今回のやり取りを見る限り確かに話し方は丁寧だがどこかボーッとしているというか世間が良く分かっていなさそうである。
ヤクザに暴行を依頼することや、そもそも関わりを持つことがゆくゆくは悪い方向に人生を持っていきそうなものだが、その辺に対する危機感が全くない感じだ。
普通は京極が「調子こいている社長」の会社を乗っ取ろうとしているのを聞いて、「ゾゾゾっ」と背筋が寒くなる思いをして、明日は我が身だ、と暗くなりそうなシーンであるが、今のところそういう緊張感は感じられない。
別件逮捕される久我。デリヘルのオーナーを務め、外畠を拉致した?
小林が外畑を痛め付けるようヤクザである京極に依頼をした原因は、外畑と笠置衣子が弁護士の亀岡に駆け込んだことを発端に、売れっ子だった雫花ぴえんが引退となった件である。
そして依頼を受けた京極は壬生を介して外畑の股間に制裁を与えた。
一般の依頼者から一般人同士のイザコザに関する黒い依頼を受けたヤクザが、自分にとって都合の良い人間や本職ではない半グレのような人間を使って解決をした。ということになる。
先に述べたように京極の暴力が直接的に振るわれないものならば、別に今回が初めてではなく、良くあることなのだろうと想像される。
京極の代わりに暴力をふるうよう依頼されるのは壬生であり、その壬生に代わるのが今回でいえばさらに下の久我だ。
逮捕された理由は暴力ではないが、別件逮捕ということで、本来の狙いである暴力行為による逮捕の証拠がないにもかかわらず、別の理由でとりあえず逮捕し、身柄を拘束する、ということのようだ。
久我が逮捕されるこの構図は、犬飼逮捕の時と同じなのではないかと思われる。
犬飼逮捕というのは前回考察したが、壬生にとって重要な人間だからこそ、壬生が大事な仕事や重い案件を捌く場面では口を割らない前提で逮捕されるのでは、ということである。
果たして犬飼が重要人物かはまだ定かではないが、少なくとも久我に関して言えば、身を挺した菅原の介護施設「輝幸儀」への潜入に加え、今回も壬生の代わりにまた矢面に立って逮捕、となると少なくともLINEグループ「おもち」メンバーは壬生を売らない、鉄の結束で結ばれているのでは、と考えている。
当初誰なのか明らかではなかったが「デリヘルのオーナー」というと、壬生からはもう少し離れた人間かと思っていた。ただ、店長ならまだしもオーナーともなると壬生の直下の人間である久我クラスであっても不思議ではない。
外畑はオーナーが久我であることを知っていて、駐車場などについても知っていたのかと思われる。
オーナーに呼ばれて袋を被せられ、股間を焼き切られたわけだから、オーナーが犯人と考えるのは自然かもしれないが、今のところ拉致のシーンにも久我の姿はなく、股間に電撃を加えているのも久我ではなく壬生である。
これらを見返すと、久我は何もやっていないのに別件逮捕されている可能性があり、それは壬生の狙い通りなのではないか、ということが想像される。
つまり、登場した九条のサポートもあると思うが、何もしていない久我にはアリバイのようなものがきちんと存在するのではないか、と思っている。
外畑は仲間内で誘われてデリヘルの運転手を始めていた。
あの仲間というか手下のような男も、元々壬生や久我の知り合いだったのか、それともギクシャクした外畑回りの人間関係を見て、逆に壬生サイドが久我を通じて外畑をデリヘルの仕事に誘い込んだのか、定かではない。
だがどちらにしても、このエリアにおける壬生の影響範囲や情報収集力は極めて高いのだろうと思われる。
第43審以降の展開は?
とりあえず久我には九条先生がついている、そして、少なくとも金本がカンモクをしたのだからさらにメンタルの強そうな久我は何事もなく釈放されたり軽い刑で済むのだろう、と考えている。
何なら壬生の身代わりになる代わりに、壬生も絶対に無実を証明できるアリバイを用意しているのかもしれない。
ただ、壬生に対する嵐山の執着心の源が娘を失った悲しみや、本当の娘を知ってしまったやるせなさであるなら、嵐山は嵐山で充分な準備をもって久我を逮捕しているに違いない。
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