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九条の大罪 第44審 あらすじ ネタバレ注意
嵐山は娘の愛美のパスワードを10万通りからついに当てた。今日は娘の命日のようだ。
いつの間にか娘の名前が愛美(まなみ)に変わっている。確か信子だったかと思っているが、警察の知る名前が信子で、親が愛美と言っている、というのはなんだか不思議なので単純に愛美の方がいいと思って名前を変えたのだろうか。
確か京極清志も読みがせいし➡きよしと変わっており、トゥールビヨンの小山も小林になっていた。
京極に関しては読みが変わっただけだが、例えば愛美が本名で、信子が通り名だとするならば、本人を特定しているであろう警察が信子と認識しているならば、それは本名なのではないかと思っているが、特に何もないのかもしれない。
深見と又林は豚の脳みその鉄板屋で話している。
今刑務所にいる犬飼は嵐山の娘と接点がなく、嵐山は、事件は誰かの指示だったのでは、と疑っているようだ。そしてそれは壬生、あるいは京極ではないかと。
嵐山は警察一家だが、出世が遅れ挫折感から娘の捜査に執着しているのでは、と又林が推察している。
一方嵐山は割れたスマホで愛美の知り合いに電話をかけている。
つながったのはシングルマザーの衣笠美穂だ。
昔は羽振りの良いIT社長や詐欺師みたいな人と飲んでタクシー代で3万円をもらったりしていた。その仲間に愛美もいたようだ。
いわゆるギャラのみの走りのようなものをしていた、と言う。
社長連中や詐欺師の連絡先を聞く嵐山だが、入れ替わりが激しいようで、もう連絡先はわからないそうだ。
シングルアラサー、という表現をしていたが、衣笠美穂が仮に30歳だとして、10年前は20歳になる。
嵐山愛美も亡くなったときはそのくらいの年齢だったのだろうか。特に具体的な愛美のエピソードなどは語られぬままだが、Twitterの裏アカウントを衣笠美穂は嵐山に教える。
むりむりむり猫という名前でやっているようで、アイコンは笠置雫やムーちゃんのタトゥーと同じ、かわいい、というか不気味なゆるキャラがなぜかカッターを持っているアイコンである。
カッターも含めてこのキャラのように見える。
別れ際嵐山に3万円を求める衣笠美穂だが、嵐山は善意の協力ではなく見返りが欲しいのか、と簡単な方法でお金稼ぎをしてきた弊害だ、と切り捨てる。
嵐山らしいというか何とも横柄な対応に、衣笠美穂は荒っぽい口調でそういう傲慢な態度が娘に嫌われた理由だという。
自宅に帰る途中だろうか。一人掛けの屋外のベンチに座り、娘の裏アカウントを見る嵐山。
どうも投稿からわかることは、娘がメンヘラっぽくなっている点や、こやシャンという人と不倫していたということ。そして、こやシャンはキレイな奥さんと生まれたばかりの子供がいて、不倫には気づいていなかったようだ。
さらに、こやシャンと嵐山真奈美の間には子供が出来ていたようだ。
その一連の投稿で「私は子供を殺した」とツイートしている。
愛美は警察官であるパパにこの関係をすべてばらしてこやシャンも地獄に道連れとTweetした。そしてその後嵐山に電話をしたが、どうも嵐山は電話に出なかったようだ。
嵐山はその着信を「あっ」と思い出している。
仕事が忙しくて無視したようだ。
娘のアカウントをたどった結果、こやシャンと一緒に映る女性の写真を発見する嵐山。二人とも幸せそうだが、女性は嵐山愛美か、こやシャンの妻だろうか。
こやシャンは浅黒い金髪の輩っぽい感じの男である。
場面変わってトゥールビヨンの小山。
愛人用の部屋だったという空き部屋を九条に使ってくれ、と言っている。京極の厚意だそうだ。
つづく。
九条の大罪 第44審 感想
なんと、トゥールビヨンの小山が今回の話のキーマンであるという衝撃である。
一応毎回次回予想を書いているが、これは私だけではなく誰しもが「えええええ!!」となったのではないか。
トゥールビヨンの小山(小林)と嵐山愛美について
小山は完全なちょい役かと思っていたが、少なくともこの話にとっては無くてはならない人物のようだ。
嵐山愛美のTweetをすべて正しいとするならば、
1,嵐山愛美は小山が既婚者と知らず交際していて子供が出来た
2,のちに小山に家庭があることを知る
3,本人の意思とは別に子供を堕ろした、もしくは生まれた後に殺した
4,悩む愛美は父である嵐山に電話したが、電話に出なかった
5,その1週間後に愛美は犬飼に殺された
という流れのようである。
3と4の間に時間が空いているかもしれないが、だいたいこんな感じであると想像できる。
嵐山刑事は「5」の部分しか知らなかったが、改めてこうやって書きだすとあまりに愛美の死は唐突感があるように思える。
今の段階で思うのは外畠の股間に制裁を与えたように、家庭を持つ小山がややこしくなりそうな案件を防ぐためにお金を払って愛美を始末した、ということがあり得そうだが、かなり込み入った話なのでそんなシンプルな内容ではないのかもしれない。
小山については、そもそも小林なのか小山なのかが本格的に分からなくなってきたが、仮に本名が小林で、偽名や通り名が小山、というなら一応の筋は通る気がする。
小林、という本名は京極の前でしか名乗っていない為だ。ウシジマくんでいう丑嶋が田島になるようなものかなと思っている。
とりあえず小山、と呼ぶが、小山は嵐山愛美には愛されていたようだ。そして昔からかなりバブッているお金持ちだったようである。
タクシー代と言ってポンと3万円を出せるのならば、その飲み会自体には10万円くらいかかっていても全く不思議ではないので一般的なサラリーマンの10倍くらいの収入のある人間なのだと思う。
写真で見た若い小山は当時から何らかの経営だか、あるいはそうではなく詐欺師のような儲かる仕事だかをしていたのだろう。
嵐山愛美については思ったより普通の女の子である。少なくとも僕の感覚ではそうで、九条の大罪を楽しんでいる身としては「普通ってなんでしょう」と九条先生に問いかけられそうだ、と思ってしまうが、比較的量産型のパパ活的なことをしている人間のように見える。
嵐山が知りない事実というのはこういうものを指すのかも知れないが、嵐山愛美について、僕はもっと積極的に人を騙したりしているケースもあるかと思ったので、そういう意味で今のところはお金持ちの社長たちがたくさんお金を払ってくれて楽しくてハッピー、という価値観自体はありふれたもののように感じた。
さて、小山に騙されたであろう愛美の悲しみのベクトルは小山への憎悪や、小山の妻への嫉妬だったり、あるいは自分自身への葛藤に向かうのかと思うが、愛美はそのすぐ後に他殺されてしまうということもあり、現時点では前後の愛美の細かい心情や起こったことは謎である。
嵐山刑事について
嵐山刑事は新キャラの衣笠美穂との会話で、今までちらっと見えていた人間性がかなりくっきりと見えてきた。
まさに九条が指摘するように、刑事に代表される二元論でモノを考える人間のようだ。
たとえば九条に向けて発せられた彼の二元論でいえば、親が弁護士、兄が検事ならば、それは立派な仕事で、同じような仕事した立派な人間であるべきだ、とかヤクザとつるむのはけしからん、とかそういう発想であった。
今回でいうと嵐山は衣笠美穂やその周りの人間を明らかに下に見ている。
もともと、下手に出て「話を聞かせてもらえませんか」と聞いているにもかかわらず、お金を要求されると説教をするあたりが誰が見ても幼稚というか非常に彼らしいやり取りである。
もちろん、嵐山の言い分としては若いころに楽をしてお金を稼いで金銭感覚が狂っている、とか、お金が必要なら最初に言うべきである、とかそういった自分なりの判断基準もあるのだろう。
ただ、嵐山は衣笠美穂に対しても、社長連中や詐欺師に対しても「悪銭身に付かず」とか「弊害」とか悪い・害といった直接的にダメなものであるという判断を下している。
IT社長なんかはきちんとした仕事であるように思えるが、おそらく嵐山の基準としては他の人が汗水たらして稼ぐお金を一瞬で稼ぐ輩など、ひとくくりに胡散臭い、悪である、と決めつけているような印象を受ける。
さて、そのくくりでいうと、娘の嵐山愛美は間違いなく「悪」や「害」に該当するわけで、嵐山が愛美を理解する、ということは嵐山自身の中にある偏見と向き合う行為になるのかなと思う。
第45審以降の展開は?
完走の最初でも言ったがちょい役と思われた小山がストーリーにしっかり絡んでくるキャラになった。
本線としては彼が愛美の殺害を依頼し、今もそれなりの暮らしをしている、ということでありそうだが果たして仮にそうだったとして、殺害の指示者が京極や壬生だったとしても、彼らがそんなに簡単にピンチに陥るとは思えない。
ただ、10万通りからパスワードを当てる嵐山の狂気も相当なものであるため、より一層事件の真相に近づいている嵐山が久我などを痛めつけ、京極や壬生を追い詰めることもあり得そうだ。
そして、なぜか京極が九条に部屋をあてがっているのも気になる。
京極はこれから来るピンチの場面で九条を使おうとしている。それが今回の事件の真相編であるのかは分からないが、有能で目を着けられている九条が、京極や小山を弁護したり入れ知恵するような場面は大いにありそうである。
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