「北野誠のトコトン投資やりまっせ。」2月24日 – YouTubeでの広瀬隆雄さん登場シーンの備忘メモです。ざっくりとしたメモになっています。詳しくは番組をご確認ください。
本記事は情報の整理を目的としております。
じっちゃまメモ2022年2月24日
ーロシア・ウクライナについてマーケットは織り込んだ?
今回起こったことはいろんなシナリオの中で一番限定的だった。現状が維持できるなら株式市場的にこの材料はおしまいと言えると思う。
ウクライナの一番東側、ドンバス地方という地域がある。ここにはドネツク、ルハンスクとか軍事産業を含む工業都市がある。
2014年にウクライナ危機があって、その時にこの地域は親ロシア勢力が支配下に置いている。でもその停戦協定としてミンスク協定が結ばれたが、その時にこの地域の国際法上の立場はわざと宙ぶらりんのままだった。でも実質的に国民の50%以上がロシア語を話す、親ロ的な地域と言える。
今回ロシアがロシア国境からドンバス地域に入ったこと自体はほぼ無抵抗。
-むしろ歓迎の旗が振られていた?
そうですね、市民の半分くらいは歓迎している。
その意味で今回起こったのは軍事衝突ではなく、実質的にロシアの領土であるという既成事実を国際社会に認めさせようというロシア側のアピール。
-我々は歓迎されている、という演出をしていると。でも長引くとロシアの方が有利ではと思うが?
その通りです。
ドンバス地域のすぐ後ろ、ロシア側は英語で「ロストフオンドン」ロシア語ではロストフドヌーという大きな都市があり、そこは大阪みたいな大都市。補給線や食料の確保は問題ない。ロシアは長期にわたり居座ることができるということ。
-マーケット的には静観すべき?
マーケットが一番恐れていたことは本格的な経済制裁、具体的にはスウィフトの停止、つまり国際間の銀行決済ネットワークからロシアをはじき出す、それは発表されていません。もう一つはロシアの石油、天然ガスの不買を懸念されていたがそれも起こらなかった。
今発表された一連の経済制裁はごく小さな制裁。例えばロシア国債の取引の停止とか。ほとんど国際投資家は持っていないので関係なく、インパクトは小さい。
-一方気になるのは利上げ?
ウクライナ問題がベストケースのシナリオになったのでそろそろ市場参加者の関心はFRBに戻ってくると予想するのが順当と思う。
こちらは見通しが暗い、足元のインフレ率が7.5%、政策金利は0~0.25%。全然お話にならない設定。それをどういう風に克服していくのかが、大きな課題。
-一部にはいきなり+0.5%の利上げという説もあるが。
いわゆるshock and awe 戦略と呼ばれる奴、つまり思いっきり激しいことをのっけからやって市場を従わせよう、というものがあるが、仮にshock and aweで50BP利上げしても、まだインフレ率にあわせるなら700BPあると思うが、一発で問題解決はしないと思う。そんな突飛なことをやっても市場を混乱に陥れるだけで、効果はないと思う。
-それなら粛々と0.25%を何回かやったほうがいい?
はい。もう一つ突飛なことができない理由は長短金利差。今ドンドン縮まっていて、金利差ゼロならリセッション、景気後退の前兆、と言われる。
あまり慌てて利上げをしたら刑期を殺すんじゃないかという懸念もある。
-3月10日に新しいCPIが発表されるが、またインフレが伸びていたら、高くなっていたらどうするんですか?
その場合FRBが何もせず手をこまねいている間に景気自体が死ぬ可能性がある。どうしてかというと、いま全米平均レギュラーガソリン価格は1ガロン当たり3ドル53セントくらいだが、この水準はアメリカの消費者が「ガソリン高いじゃん、こんなんだったら消費を控えよう」という買い控えが出やすい水準。
伸るか反るかのところまで来ている。
もし消費がこれから暗転するならそれが引き金になってリセッションというシナリオが一つ考えられる。
もう一つの懸念点は今賃金が凄く上がっている。アメリカの会社の人事部が1年に1回の給与の見直しじゃだめだ、もっと頻繁に給料をアップしないと人材が集まらないということが今話題になっている。
それは、ある時点で経営者が「今採算に合っていないから、お給料だけ上げ続けるわけにはいかない、雇用を見直すべきでは」ということによりリセッションが来るリスクも我々の眼前にある。
FEDが何をやろうと、景気は勝手に死ぬリスクが我々の眼前に広がっている、ということ。
-どこで景気後退、リセッションになった、というタイミングになる?
普通株式市場には先見性があって、未来を予言する、と言っている。S&P500、アメリカを代表する株価指数が年初来-10%、調整局面入りをした。
過去に1月、2月の株式市場が合算して-8%になったときは必ずアメリカはリセッションになっている。だから株式市場はリセッションリスクある、と絶叫している。
株式投資で一番やられる局面は、長ーい景気拡大局面の一番最後で利上げ、利上げ、利上げを繰り返して、最後に経済の力が尽きてドボン、とリセッションに入る、その時に高値から-20%とか大きなベアマーケットが来る。
今回の場合まだ利上げすらしていない。だからそのシナリオはまずないだろうというのが市場のコンセンサスになっている。
しかし、株式市場はもう1-2月で-10%。株自体はリセッションをシグナルし始めている。
ひょっとしたら今回は全然利上げもしていないのに経済が頓死するパターンかよ、と凄く異例なことが起こっている。
-NASDAQは下がっているが、ダウはまだまし?
はい。でもNASDAQとダウの大きな違いは銘柄構成と思う。石油株とかがこのところずっと良かったので、それが指数のパフォーマンスを下支えしていたと思う。
今回もしウクライナ問題が下火になるなら、石油株は目いっぱいクライシスを織り込んでいるので、結構下がるかもしれない。
逆にこれまでの相場をけん引してきたバリュー株が崩れて、マーケットが崩れるリスクもあるんじゃないかと思っている。
-だからといってグロースが盛り返しているわけでもない?
グロース株は買いづらい。まだ1回目の利上げもされていない。早ければ3月15日のFOMCで利上げが発表されるので、それをまたいでグロース株を買いたくないと思う。
94%なんです。私のキャッシュ比率。何にも持っていないんですよ。
-あれほど株が大好きなのに?
3度の飯より株が好きなじっちゃまが、全然株をやっていない、毎日鬱々とした日々を過ごしています笑
-自分的にもこういう相場はやってはいけない、といこと?
そういうこと。手が出ない。
-ウクライナ有事がもう大丈夫だろう、織り込まれただろう、と少し上がっていく局面があるとまた買いだという声が出てくると思うが?
その場合はFRBが利上げしやすくなるだけでしょ?
-原油価格が下がってきた場合はFRBは利上げしやすいですよね。
もしウクライナで大戦争になったらFRBが動かないのが正しい処方なので動かないことが正当化できる。でも今は動かざるを得ない状況。動いてもダメ、動かないでもダメ、という状況。
-今の相場には皆様も気を付けて、ということですね。
-とりあえずいったんは3月10日からの週が要注意ということですね
はい、今の局面全然無理をする必要がない。
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