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九条の大罪 第47審 あらすじ ネタバレ注意
面会室の様な小部屋で嵐山と向き合う小山。
机にかぶり付く小山とのけ反って座る小山が対照的だ。
嵐山は詐欺で小山を連行したんだか、呼び寄せたんだかしたようだ。
「伏見組の京極がホテルに泊まれるよう名前を貸した」ということを詐欺だと言っている。防犯カメラにも京極に挨拶をする小山の映像が映っているようだ。
沈黙する小山に、九条の入れ知恵であろうと語る嵐山。
さらに外畠の制裁に関しても、デリヘルの女の子に手を出したことが原因でなく、AV女優雫花ぴえんをつぶされた恨みに、京極経由で小山が暴行を依頼したと思っている、という嵐山。
小山は沈黙を続けている。
さらに嵐山が「小川愛美」を覚えているか、という。10年前に未成年に殺害された被害者、というとこれまで反応をしなかった小山がピクッと反応する。
未成年を含む少女を金持ちにあてがって売春をさせていたんだろ、と言う嵐山。そして事情を知る愛美に暴露されそうになり、口封じとして京極に殺させたんじゃないか、と言う。
小山は一笑に付し、もう終わった事件であるという。
終わってねーよ、という嵐山の様子をみて、小山は嵐山は愛美の父であると理解する。
今度は小山が嵐山を責める。嵐山を生理的に嫌いという愛美だが、そういった父と娘の関係の原因には、父が娘の話を聞かないことが原因だ、という。
小山にも娘がいるので、嵐山は女を食い物にするような商売をする小山も娘に嫌われるだろう、と言うが小山はむしろ自分の業界では女性の苦しみに耳を傾ける仕事だ、と言い娘や嫁とは良好な関係だという。
さらに嵐山にあなたの娘も刑事が逮捕している女と大差ない、娘は売春婦です、と告げる。
場面変わって今度は九条と話す小山。面会室の様なガラス越しのところだ。
嵐山の執着の謎が解けたと言い、さらに妊娠後、堕胎させた後に愛美がメンヘラ化したことをうっとうしいと語る。
「その言い方は気に食わない、だが仕事はキッチリします」という九条。珍しく感情を口にしている。
事務所で机を叩く嵐山。
そして小山と別れた車中ではハンドルを叩く九条。
つづく。
九条の大罪 第47審 感想
ついに嵐山が小山を捉えたが、今のところ小山は余裕たっぷりである。そして、不服そうではあるが弁護士九条もサポートしている。
果たして嵐山は事件の真相にたどり着けるのだろうか。
嵐山の心の内を抉る小山
まじめ人間の嵐山と違い、女性慣れしているせいか小山の方が表面的には女性の気持ちを理解している。
だからこそ嵐山の痛いところを残酷に突いてくる。
嵐山からすれば最も不快な男に、最も痛いところ、自分の至らないところを突かれており、取り返しようのない後悔、自分への怒りと小山への苛立ちが最後の机たたきに繋がっていると思う。
嵐山自身もこの日に備え、小山の周辺の事をくまなく調べ回ったようで、ホテルの監視カメラやら、一見ただの変態の外畠がデリヘルオーナーに制裁を喰らっている場面などの裏側についても良く分析している。
そしてそれらは決定的な証拠こそないものの事実にたどり着いている。多分外畠の件は嵐山の予想通りのことが起こっている。
ここまで、現在の小山周辺に関する嵐山の情報収集は徹底しており、洞察は鋭い。
一方、その後の小山への詰めについてはどこか甘さを感じる部分があった。
久我をもイラつかせる嵐山はこういった嫌がらせや心理戦が得意なはずなのにだ。
それは小山をつつくことで見たくもない、聞きたくもない娘の過去を知ってしまうことへの躊躇や、何より至らぬ自分自身を再びかたどる行為になってしまうからだと思う。
嵐山は娘からの電話に出ていればこの悲劇は起こらなかった、と自認している。
確かにそうなのであるが、そもそも嵐山は娘と疎遠であった。というか嫌われていた。原因は自分自身にあり、小山をつつくことで、そういった振り返ればああできたかもしれない、こうできたかもしれないという思いが過去に執着する嵐山だからこそ、記憶からよみがえり、それは目の前の小山を追い詰める上で邪魔でしかない。
理詰めで追いこんでいったり、心理的に追い込むぞ、と意気込んだはずの嵐山であるが、たぶんそんな状況がどうしても主観的になり、「至らぬ親だ」と小山にいわれることが我慢できず子供の様な言い返しをしてしまうようだ。
さて、珍しく九条がいら立っている。
九条にも莉乃という5歳の娘がいるが、当分会えていないようだ。
莉乃が九条の事を好きかどうかはよくわからない。まだ5歳なんだからきっと嫌いではないはずだ。
九条は嫁に全財産を払い養育費も払っているというが、この様子からすると娘に対しては会いたい気持ちや元気に育ってほしい気持ち、親としての温かさを持っていそうである。
それゆえ人の娘をぞんざいに扱う小山への苛立ちを感じる。
九条はどんな経緯で離婚したのかも、そういえば謎のままだ。
第48審以降の展開は?
感想の最初にも書いたが小山にはまだ余裕がある。
しかし、今回カンモクを指示されたにしてはいささか余裕でしゃべりすぎたような節も見て取れる。
なにより、全く嵐山が事件の真相に確信がないまま終わってしまうとは思えないが、何か決定的な証拠や追加情報でも掴まない限り、嵐山側としては打つ手が無さそうな展開である。
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