アイアンウッドファーマシューティカルズ社 2021 年次報告書 10-K (sec.report)を一部まとめています。
アナリスト予想についてはYahoofinance より2022年5月22日時点の数字を引用しています。
商品 過敏性腸症候群(IBS-C)または慢性特発性便秘症(CIC)向けのLINZESS®(リンゼス)が主力
LINZESS®(リナクロチド)は、グアニル酸シクラーゼC型アゴニスト(GC-Cアゴニスト)と呼ばれる消化器官用医薬品の中で、米国食品医薬品局(FDA)に初めて承認された製品です。
便秘を伴う過敏性腸症候群(IBS-C)または慢性特発性便秘症(CIC)に苦しむ成人向けの製品。
日本では一般的な市販の便秘薬の例として武田漢方便秘薬をみてみましたが5/22時点のamazonの参考価格では180錠で3,600円、1錠あたり20円なのに対し、リンゼスは50錠で10,930円、1錠あたり218.6円でした。
販売エリア 米国を中心に世界各国
米国・メキシコ・日本・中国のIBS-C患者、米国・日本のCIC患者向けに販売。
CONSTELLA®という商標でカナダ・欧州の一部でも販売されている
アッヴィ(日本以外の世界各国)、アストラゼネカ、アステラス製薬と戦略的パートナーシップを組んでいる。
GI患者のマーケット規模 米国ではIBS-C患者が1,150万人、CIC患者2,850万人
2010年に実施されたリーバーマンGI患者景観調査によると、米国では1,150万人もの成人がIBS-Cに罹患し、2,850万人もの成人がCICに罹患しています。
IBS-Cの症状には、腹痛、不快感、腹部膨満感、便秘などがあります。 膨満感、便秘症状(例:不完全な排便、排便回数が少ない、便が硬い/塊状)などがありますが、CICは主に便秘症状が特徴です。
Lieberman Surveyによると、IBS-C患者の65%以上が少なくとも週に1回は部膨満感や不快感に悩まされています。
DPS/EPS/CFPS/SPS 2021年は特殊要因でEPS高いがCFPSが特に右肩上がりで成長
※2021年第2四半期の繰延税金資産の大部分に対する評価引当金の公表に関連する3億3,800万ドルの非経常的利益が含まれています。これを除外すると1株あたり利益は1.22ドルになります。
売上高 2021年度 4億1,375万ドル、前年+6.2%
2021年売上高413,753千ドル(前年389,523千ドル、前年+6.2%)
うちLINZESS®403,085千ドル(前年370,902千ドル、前年+8.6%)
2021年の売上高の内、LINZESS®が占める割合は97.8%・
2021年の売上地域の97.8%が米国です。
2019年~2023年予想 EPS/PER
EPS:2019年0.14ドル、2020年0.66ドル、2021年3.21ドル※、2022年予想(5/22時点)1.20ドル、2023年予想(5/22時点)1.38ドル
※2021年第2四半期の繰延税金資産の大部分に対する評価引当金の公表に関連する3億3,800万ドルの非経常的利益が含まれています。これを除外すると1株あたり利益は1.22ドルになります。
現在のForwardPE(2022年)は9.49倍、(2023年)は8.25倍です。
営業キャッシュフロー:26億189万ドル
2019年12月期 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | |
売上高 | 428,413 | 389,523 | 413,753 |
営業CF | 10,725 | 168,836 | 261,895 |
営業CFマージン | 2.5% | 43.3% | 63.3% |
※おそらくAbbVieなどに販売を委託しているため、普通に薬を作って自社で売る企業より売上が小さくなる代わりにキャッシュフロー比率が高めに出る、という認識です。
備考
2029年にTEVA テバ・ファーマシューティカルがLINZESS®のジェネリックの販売ライセンスを付与される予定。
コメント