コミックス好評発売中です。
九条の大罪 第58審 あらすじ ネタバレ注意
東村ゆうひ法律事務所の烏丸真司が事務所を辞め、九条のもとにやって来る。イソベンとして働きたいようだ。
大手は雑務が多くつまらないから。と言う烏丸は、裁判所の長椅子でミネラルウォーターを差し出し、それを受け取る九条と一緒に飲む。乾杯のようだ。同じ方向を見て同じ角度でミネラルウォーターを飲む姿が2人ともかわいい。
修習生のころ九条の裁判を傍聴したが、世論は被疑者に死刑を呼ぶ判決を望む案件にもかかわらず、なぜ弁護をしたのか、問いかける。
弁護士は世間を敵に回しても、最善の弁護を尽くす義務があるから。という。
金をもうけるわけでもなく、世間から疎まれるのに?と聞く烏丸に
使命感は自分の物で外的要素とは別物。
と返す。
その答えを聞いて心からでたニッコリとした表情で九条を
面白い、いいなぁと言う烏丸。
九条はそんなやり取りを思い出してブラックサンダーと事務所にいる。
犬飼に久しぶりだなと言う壬生。
犬飼は壬生の命令で10年刑務所にいたのに、それはねーだろという。
言葉では伝えられない 、10年間だったと。
壬生は面会に何度も来なかった、と犬飼は言う。壬生は1度面会に言ったようだが犬飼が断ったようだ。だが犬飼としては壬生は誠意を見せて何度も面会を試みて欲しかったようだ。
そんなことは今となってはどうでもいい、と犬飼は3億を要求する。
嵐山愛美の殺人事件について
小山の愛人である嵐山の娘を殺す指示を京極から受けた壬生が、未成年の自分達を使ったと言う。
壬生のガレージの外には車に乗った菅原がいる。だけでなくタトゥーを入れた菅原の部下たちが包囲している。
久我は既に顔にビニールをかけられて、身柄が押さえられている。
介護施設で働かせ、内部情報をリークさせた事も、壬生の右腕であることも菅原は気づいているようだ。
改めて月末までに3億円を用意しろと壬生に訃げる犬飼。
九条の大罪 第58審 感想
予見されたことだが壬生がピンチである。
壬生サイドとしては犬飼の出所は予見されたことといっており、ガレージにも何かしら犬飼を待ち受ける準備があるかと思いきや、ほぼ壬生は何もできていない。
既に右腕である久我は、菅原サイドに拘束されており、どうなってもおかしくない状態である。
壬生がおもちメンバーである久我をあっさり見捨てることはないだろう。ついでに久我の安全が確保されていないと交換条件の3億円の支払いが成り立たなくなるわけで、そういった意味でも久我が死んでしまったりすることはないと思う。
肝の座った男であろう壬生はこのくらいの状況でで判断が鈍ったりはしないと思うが、普通の人にとってはメチャクチャ厳しい状態と言わざるを得ない。
犬飼の出所の時期は理解した上で久我を拉致されてしまうわけなので、それなりに壬生サイドにも誤算はあるようには思える。
このピンチをどのように切り抜けるのであろうか。
犬飼と菅原は壬生を追い込んで油断をしているのかわからないが、1ヶ月程度の猶予を壬生に与えている。
お金を集めるにはそのくらいの時間はかかるのかもしれないし、1ヶ月は逃げたりしないように見張りもつけるのだろうが、それにしても1ヶ月くらい壬生を自由にするというのは対応がぬるい気がする。
残された3人のおもちメンバーなのか、京極なのか、どのように解決するのかが気になる。
ウシジマくんは顎戸三兄弟にお金を一時渡したが、最終的には親友の竹本を追い込み回収したようだ。
もしかしたら一時的にお金を払ったりすることがあるのかもしれない、と言うことと同時に今いちばんお金を稼げるようになっている数馬がやっぱり危険そうだ。
犬飼は壬生に対して特別な思いがあるようだった。
10年間の獄中の大変さはもちろんだが、壬生は1度断られても自分(犬飼)を気にかけて何度でも面会に来てくれる、という期待をしていたようだった。
しかし、あっさりと来なくなる壬生に対して不安や怒りを感じる日々というのも、刑務所内の居心地の悪さ、刑期の長さに輪をかけて辛い思い出としているようで、犬飼が感情を出したシーンでもあった。
久我を右腕、と言っていることからも犯罪を犯した当時は幹部ではない壬生一味の下っ端的な立ち位置だったのかもしれない。
そしてその頃の壬生は今数馬が感じているように絶対的で眩い存在だったのだろうと想像される。
一つ、考えればわかることだったのかもしれないが、強姦殺人の指示が京極であるならば、犬飼が犯罪を犯す前に既におもちは亡くなっている。
壬生の悲しみや復讐の決意は犬飼よりずっと前から続いている。
そうなのであればこんなところでポッと繋がった菅原・犬飼コンビに壬生が不覚を取るなどということはありえそうにない。
九条と烏丸の掘り下げも少しなされた。烏丸は当初九条を面白いと言っていたが、それはもちろん路上で明太子を食べたりすることではなく、内面的なものだった。
今回の重要なセリフとして、
使命感は自分の物で外的要素とは別物です
九条の大罪
というものがある。
使命感は自分のもの、というのは割と当然と思うが、今回外的要因、としていたことはお金、あるいは周囲の評価である。
お金は人の間を流れるもので、自分を定義するものそのものではない、という意味だろうか。
もう一つ、周囲の評価、というのも自分のものではないというのだ。これは結構不思議な意見で、人間である以上、周囲の評価なくして自分は成り立たないというのが普通の考え方だと思う。周囲の評価、というのはお金より上位概念で、周囲が価値を認めるからそこにお金が発生するわけで、その周囲の評価すらどうでもいい、というのは烏丸のような人間からするとすごくびっくりする言葉だったのかもしれない。
九条の大罪 第59審以降の展開は?
タクティカルペンこそ炸裂することは無かったが壬生がどのようにピンチを乗り切るか、というところは個人的には第3のおもちメンバー登場を期待したいが、やはり温存した数馬の使いどころと言えばここしかないようにも思えるので、非常に心配である。
コメント