「金持ち父さん貧乏父さん」という本をご存じでしょうか。有名な本なのでご存じな方も多いと思います。この本の概要と、サラリーマン目線での感じることを書きます。
基本有益なので一度読むべきですが、どんなことについて書かれた本なのかをザクっとわかっていただいた方が良いと思いまとめました。
以下のような人は私の記事を読まずに直ちに書店で「金持ち父さん」買ったほうが良いと思います
- ふるさと納税に興味あるけれどもやっていない
- iDecoやっていない
- マイナポイントの手続きが面倒
- 株式はギャンブルである
- 銀行預金は儲からないが、安全・安心という意味では一つの手段である
金融リテラシーに自信がない方は繰り返し読んで頭に叩き込むと良いと思います。
冒頭サラリーマンのマネーリテラシーはザコ?というタイトルですが、
すみません。結論、私は違いました。
悲しいかな私はこの本を読み、マネーリテラシーが「ザコ中のザコ」のまま大人なったと確信しましたが、知ることで前向きに取り組めそうです。
金持ち父さん貧乏父さんって?どんな本 あらすじは?
まず、金持ち父さん貧乏父さんって誰?というところですが、
お金に関して全く違う価値観と捉え方の二人。
それを買うためのお金はない
金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲 ロバート・キヨサキ著 白根美保子訳 筑摩書房 より引用
というのが口癖のという「貧乏父さん」に対し
どうやったらそれを買うためのお金を作り出せるのだろうか
金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲 ロバート・キヨサキ著 白根美保子訳 筑摩書房 より引用
が口癖のもうひとりの父「金持ち父さん」
この二人を通じて主人公である少年ロバートがお金について学んでいくストーリーです。
ポイントについては後程述べます。
「金持ち父さん」「貧乏父さん」って?誰?
このショッキングなタイトルについて気になるのですが、さっきの二人は誰なの?っていうところが特に気になりますよね。
金持ち父さん=ロバートの友人の親
貧乏父さん=ロバートの実の親です。
これがフィクションなのか実話なのかは本を読んでいてもわかりませんが、少なくとも本の中ではそういう設定です。
実の親が「貧乏父さん」だったのか・・・となるのですが、このお父さんはいわゆる一般的な考え方では貧乏ではありません。官僚のお父さんが貧乏父さんなのです。
官僚って給料も高そうですし、世間的にも雲の上の人感が満載なのですが、この話の最大のポイントはここかなと思っていて、
あなたは親や学校、場合によっては会社で、お金について何か習いましたか?
というところが普通のサラリーマン家庭に育った人にとってはグサッとぶっ刺さる内容です。
金持ち父さん貧乏父さんって?どんな本 金持ち父さんの六つの教え
「金持ち父さん」である友人の父は一見すると派手な暮らしはしていないですが、お金持ちになるための知識、心構えをもっています。
それを六つの教えとしてロバートに教えていきます。特に前半の二つの教えが大事だと感じたのでボリュームを増やして記事にしました。
金持ち父さん 第一の教え 金持ちはお金のために働かない
いや、お金ないと金持ちじゃないでしょ・・・
と言いたくなるところですが、この第一の教えは特に深いです。
金持ち父さんは「時給10セント」ロバートに仕事をあたえます。
仕事は単純で給料は安い。ロバートはある日不満をぶちまけるが、これは正しい事であると。
金持ち父さんはお金のために働くということではなにも変わらないと説きます。
多くの人がお金を稼がなければならないから働くという※ラットレースに縛られていることを告げる金持ち父さん。
まず大事なのは恐怖と欲望に打ち勝つこと。恐怖と欲望とはお金に縛られるということです。いくらお金をもらっても「稼がなければならない」という恐怖と欲望のサイクルが続けばそれは豊かになったとは言えない
という教えです。
ではお金はなくてもいいのでしょうか。稼がなくてもいいのでしょうか。あるいは稼がないといけない恐怖はなぜやってくるのか。
続く第二の教えが大事です。この第二の教えまでがこの本の最大のポイントです。
※ラットレース・・・回し車の中で回り続けるネズミのごとく、働いても資産が増えていかない様子。資本主義の仕組みを理解できない労働者を回し車の仕組みを理解できないネズミに例えています。
金持ち父さん 第二の教え お金の流れの読み方を学ぶ 資産と負債
金持ちは資産を手に入れ、中流以下の人間は負債を手に入れる
金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲 ロバート・キヨサキ著 白根美保子訳 筑摩書房 より引用
もうここまで読んでいただいたらこの本を95%くらい読了した価値があると思います。
世の中には資産と負債があります。貸借対照表で・・・という言い方ではロバートは少年なので、わかるわけがないです。大人でも知らない人にとってはわかりづらいです。
そこで、金持ち父さんは「資産=お金を生むもの、負債=お金を減らすもの」と、分かりやすく説明します。
例えば私たちの生活でいうと、以下は資産でしょうか、負債でしょうか
- 家
- 自動車
- 借金
家と自動車は売れそうなので「資産」っぽいです。
借金は「負債」です。
この理解は、「金持ち父さん」的に「間違い」です
家
「家」には例えば「住宅ローン」「固定資産税」「メンテナンス費用」などがかかります。
「自動車」も「ガソリン代」だけでなく「自動車税」や「駐車場代」「保険」など必須でかかってくるコストがあります。
こういったものは金持ち父さん的には「負債」です。
一般の家庭では(家、車、電化製品など)が負債になりやすく、最近ではサブスクリプション型の課金なんかも負債です。
ほかにも「喫煙習慣」とかも負債と捉えることが出来るかもしれません。
この章ではシンプルにいえば「生活のコストをあげすぎない」そのためには上記の「負債」を持つなという教えがあると捉えています。
特に一軒家に住んで子供をもって、休日は好きな車に乗って・・・という昔ながらの理想の家庭には高い生活コストが発生する場合があるということを注意しなければなりません。
金持ち父さん 第二の教え その負債は誰のもうけ?
第二の教えではもう一つ大事なことが書かれています。
一般的なサラリーマンの場合
収入=オーナーのために従業員が働く
支出=政府のため(税金・源泉徴収)
負債=銀行のため(ローン)
という構図があります。
給料からは税金が引かれ、それらの給料を決めるのはオーナーであり、オーナーの取り分が存在する。
「若いうちから一軒家に住むために住宅ローンを受けられるのはありがたい」と思えますが、ローンの金利は銀行の儲けになります。
このようにサラリーマンは収入を得る段階でも使う段階でもほかの人の稼ぎのためにお金をすり減らされているという見方もあります。
バックミンスター・フラーの定義する「富」≒お金持ちの定義
バックミンスター・フラー(アメリカの思想家)のユニークな富に対する考え方があります。
今日仕事をやめたとして何日生きていけるか
が富とする定義です。
ここまでを読むと、お金持ちの定義=お金を持っている人ではなさそうだと思えてくるのではないでしょうか。
フラーの定義を数式にするならば、
(貯蓄+不労所得)÷一日当たりコスト
という計算で成り立ちそうです。仮に貯蓄が大きくても、1日コストが高ければ貯蓄は早くなくなってしまいます。
第三の教え 自分のビジネスを持つ
あなたはビジネスをしていますでしょうか?
- サラリーマンなので当然しているよ!
- アルバイトだけれども商売に絡んでるよ
というのは金持ち父さん的には違います。
ビジネス=勤務先ということではなく、自らお金を得る手段があるかどうかです。
具体的には、
会社オーナー、株、債権、不動産…などの労働ではなくお金を産み出すもの
第二の教えでいうところの資産を持てと言うこと。
ここまで読んでいただいてわかったと思いますが、これらのビジネスはあなたが主体的に行うことで、搾取される側に回らないという構造を得ることが出来るから重要です。
第四の教え 会社を作って節税する
税金→政府は使いきるものとしてとらえています。
これはサラリーマンの方だとわかるかもしれませんが、「与えられた経費などは使い切るべき」という文化はオーナーでない限り存在するようです。
特に削減の方針がなければ支払うべき税金がどんどん減っていくということはないと考えられます。
2019年の消費税増税もそうですし、2021年にも年収850万円超のサラリーマンの給与所得控除が頭打ちになります。税金の負担はお金持ちだけでなく、中流以下にも拡大しています。
つまりこの本で書かれていることは今もまさに起こっていることです。
雇用者は「給料から税を引かれたうえで、お金を使う(ためる)」
のに対し、
法人は「稼ぎからお金を使い、残ったお金をベースに税金を払う」
ことが出来るので法人が有利であるという教えです。
第五の教え 金持ちはお金を作り出す
ではどのようにビジネスを作ったり、資産を形成すればいいのでしょうか。
まず手を付けやすいこととして、不動産の売買、株などがあります。
ビジネスについてはいきなり難しそう、お金が・・・という意見もあるかもしれませんが、
「人に見えない価値を見つける、繋げる」
「お金を集める」
「人を雇う」
ことで、今の自分の規模を拡大してお金を作り出すことが出来るようです。
「人を雇う」と聞くと大きなことに感じるかもしれませんが、本質的には「自分がお金のために動くのではなく、人を使う」ということになるのでココナラでカンタンな仕事をお願いしてみるとかも一歩としてはアリだと思います。
第六の教え お金のためでなく学ぶために働く
最近は本屋で魅力的な本が多いです。特に奇抜なタイトルやネーミングにはつい目が行ってしまいます。
一方名著と呼ばれるものでも本棚に地味にひっそりと置いてあれば手が伸びないどころか気づかないかもしれません。
「本が売れる」というだけでも単純に中身のあるものを書けば良いわけでは無いようです。
この章では「才能」や「能力」は掛け算が大事だと言っています。掛け算をするには広く浅く学ぶ必要があり、学ぶことは全てに優先されます。
仕事を通じて大事なことは、一時の稼ぎもそうですが、「学び」があることが前提です。
今の仕事・働きかたを通じて「学び」や「成長があるのか」ということを一番大事にしなさいというのが最後の教えです。
金持ち父さんの教えを行動に移すために 恐怖・欲望との向き合い方
この本の結びには、行動に移すためのヒントをいくつか書かれています。
その中でも最もページが割かれていたのが「恐怖」との向き合い方です。
働かなければならない恐怖については冒頭述べましたが、サラリーマンでいる人にとって「リスクを冒す恐怖」というものが特に一番の問題になるのかと思います。
乗り越え方については是非「金持ち父さん」を読んでいただきたいのですが、個人的には「やらないリスク」に対しては人はふつう鈍感で「やるリスク」に対しては臆病な習性があると思っています。
「損失回避」という行動経済学の言葉がありますが、簡単にいうと「90%の確立で助かる手術」と、「10%死ぬ手術」という言い方では前者は人を勇気づけ、後者は人を躊躇させます。
許容できるリスク範囲の中から少しずつ行動に移すべきだと思います。
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