マシーンでシールを作ったできるクリカットについてIPO目論見書を中心にまとめます。
マシーンを使った動画もリンクしてるのでクリカットマシーンの使い方もおおむね理解できると思います。最終ターゲットが一般消費者のため、比較的理解しやすい銘柄だと思いました。売上、ユーザー数も伸張しているようです。
本記事は情報の整理を目的としており、投資・その他の行動を勧誘する目的で作成したものではございません。投資の判断はご自身の意思と決定でお願いします。本記事の内容は主にIPO目論見書S-1をもとに作成していますが、翻訳における誤りや、具体的解釈の内容についての保証は致しかねます。
クリカット CRCT IPO目論見書 S-1簡易まとめ
手芸的なニュアンスでシールを作れたりするカッティングマシーン(裁断マシーン)や関連材料を売るメーカーです。
クリカットマシーンとは
クリカットマシンはこんなマシーンになります。
日本語での解説動画があったのでシェアします。
ほかの動画でもわかりやすくマシーンを使った色んな制作をされているのでご覧いただくと良いと思いました。
クリカットのビジネスモデル
マシーンやアプリを使って、誕生日カード、マグカップ、Tシャツから大規模なインテリアなどまですべてを作成できるようです。
また、マシーンについてはクラウドベースのソフトウェアによるアップデート可能なものです。
まずはこのマシーンを購入→購入した後も、サブスクリプションやアクセサリー、教材の購入を行うというのがビジネスモデルです。
プリンターとインクのような関係という捉えでいいと思います。
クリカットのユーザー数と市場機会。430万のユーザー
ユーザー数は430万人です。
TAM(Total Adressable Market)SAM(Service Adressable Mareket)からみると
まずTAM(トータルの市場機会)は全世界4億2000万人、うち北米(アメリカ・カナダ)2億4,800万人と推定しています。
そのなかでSAM(サービス提供可能な市場)は全世界1億2,900万人以上、うち北米(アメリカ・カナダ)8,500万人以上としています。
SAMの設定方法は「1年間でクリカットの提供する範囲での創作を行った人」です。
2020年12月31日現在、ユーザーの65%が過去90日以内に、84%が過去365日以内にコネクテッド・マシンで創作活動を行っています。
ユーザー数は増加していて、2018年12月31日から2019年12月31日まで50%、2019年12月31日から2020年12月31日まで71%増加しました。
売上・利益・顧客数・サブスクリプション収益など
売り上げは特に2020年に伸張が大きいです。また、IPO段階で利益の出ている企業です。
売上の中身はコネクテッドマシーン(=クリカットマシーン)とアクセサリーと素材によるものが多く、アクセサリーと素材>マシーン>>>サブスクリプションという構成比です。
マシーンの伸長に伴ってアクセサリーやサブスクの売り上げも伸びています。
ARPU=契約あたり売上について
サブスクリプションは右肩上がり伸張、アクセサリー及びマテリアルは横ばい~微増です。
ユーザー数は右肩上がりの増加。
ユーザーの96%は女性とのことです。
幹事企業 ゴールドマンサックスなど
ゴールドマンサックス、モルガンスタンレー、シティグルーブなどです。
日本での取り扱い証券会社は?SBI証券・楽天証券・マネックス証券
SBI証券(取り扱いあり)
楽天証券(取り扱いあり)マネックス証券(取り扱いあり)
DMM 株 (DMMドットコム証券)(不明)
リンクから口座開設できます。
必ずしもすべての証券会社が気になる銘柄を取り扱うわけでは無いです。複数の口座を持っておくことで、心配は減ります。
上場予定日はいつ?株価 クリカットのIPO公募価格(20-22ドル)、上場初値は?(確認中) 上場市場:NASDAQ 上場日:2021年3月25日
確認次第記載します。3月20日時点上記情報です。
リスク要因 RISK FACTOR
IPO目論見書には投資の上でのリスクが開示されています。
個人的に気になった部分を記載します。リスクだけでなくどんなことをしているかもこの項目から推し測れるので目を通しておくべきと捉えています。
アクセサリーの競合リスク。
競合他社によって生産された多くのアクセサリーや材料は、クリカットのコネクテッドマシンと互換性があります。
それらの商品は、クリカットのアクセサリーを購入可能なの小売パートナーを通じて購入することができます。
競合他社は、異なる機能を低価格で、競合するアクセサリーや素材を提供することがあります。さらに、新規および既存の競合他社が当社の製品ラインと競合する可能性のある新製品や強化製品を導入するにつれて、アクセサリーや素材DIY市場での競争が今後激化すると予想しています。付属品や素材の売上から収益のかなりの部分を得るため、このような売上の著しい減少は、将来の収益と業績に顕著な影響を与えると予測されます。
手動マシン/コネクテッドマシンの競合・デザインコンテンツとの競合リスク。
ブラザー、グラフテック、シルエットアメリカはカッティングマシンが競合です。
多くの企業がヒートプレス機を販売しています。
デザインを作るためのフォントや画像をユーザーに提供するサブスクリプションのビジネスは、インターネット上で利用可能な無料コンテンツと競合しています。
模倣品のリスク
模倣企業や製品は、コネクテッドマシーンやアクセサリーや材料、クリカットのブランドまたはクリカットの製品の機能を模倣しようとする可能性があります。
特に米国外での管理や防止策が難しく、売り上げ減、ブランド毀損リスクがあります。
競争による価格下落リスク
競争圧力があろうと、製品やサブスクリプションの価格レベルを維持できない場合、粗利は大幅に減少する可能性があります。
コネクテッドマシンのポートフォリオは$179.99から$399.99 (希望小売)の範囲で、サブスクリプションサービスは月額$ 9.99からCricut Accessの年間$ 95.88またはCricut Accessプレミアムの年間$ 119.88の範囲です。
アクセサリーと素材の中で、1品当たりの価格は$0.99から$239.99までです。
製造原価の上昇や競合参入などにより価格変更をせざるを得ない場合粗利の減少リスクがあります。
売上の59%が上位7企業に集中するリスク
売上の59%が上位7企業(ブリック&モルタル=実店舗、オンラインあわせて7企業)に集中するため、取引条件(価格や包装に関わるきめごと)に関する変更リスクが存在します。
COVID-19関連リスク
COVID-19パンデミックの間、製品やサブスクリプションに対する需要が増加しました。
2018年から2019年にかけて、コネクテッド・マシンからの収益は35%増、サブスクリプションからの収益は72%増、アクセサリーや素材からの収益は45%増でした。
これに対し、2019年から2020年にかけて、コネクテッド・マシンからの収益は110%、サブスクリプションからの収益は107%、アクセサリーや材料からの収益は84%となりました。
2020年の収益成長の一部はCOVID-19のパンデミックの結果であると考えていますが、成長に寄与した割合を定量化することはできません。
主に単一の契約メーカーに依存しているリスク
製品を生産するために第三者契約メーカーに依存しており、主に1つの契約メーカー、厦門Intretech Inc.とその関連会社、またはIntretechに頼ってコネクテッドマシンを構築しています。
Intretechは主に中華人民共和国または中国にある1つの施設でコネクテッドマシンを製造しています。
他の契約メーカーも中国とマレーシアに位置しています。
※製造に関しては中国、マレーシアに集中していると考えてよいと思います。
国際ターゲット市場への拡大を進めるリスク
主要な国際ターゲット市場には、オーストラリア、フランス、ドイツ、ニュージーランド、英国が含まれており、米国で既に直面しているものに加えて、多大な資源と管理上の注意を必要とし、規制、経済、政治的リスクを負う事業をさらに拡大する予定です。
コメント