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九条の大罪 壬生の愛犬おもちについて
壬生のようなコワモテがおもちを心から愛しているということについて、興味深い人は多いかと思い情報を整理していこうと思っている。
おもちは壬生の愛犬。犬種はパグ
おもちの初登場シーンは 第8審の背中のタトゥー ということになる。
この段階では全身に施されたタトゥーの中で、特に気になる部分として腹に書かれた「Everlasting love rice cake(永遠におもちラブ)」という文字、背中に「rice cake(おもち)」という文字、そして正面を向いた犬が彫られている、ということでしかなかった。
明らかに意味深というか意味不明な内容だった。
そのため、これをおもちと認識した人は相当勘が鋭い人だと思われるが、一応こういった形でおもちが登場しているのである。
第2回目の登場シーンは第9審になる。
金本の飼い犬だったブラックサンダーを九条が預かる際のセリフで「おもち」とは犬であり、既に死んでいることが分かる。同時に、壬生の背中の犬の名前なんだろうということが大体の人にとって明らかになる。
「おもち」の第3回登場シーンは今度はスマホの中である。
壬生は仲間5人のライングループを作っており、そのグループ名が「おもち」であった。
そして、回想シーンであるが、ついにおもちが登場したのが第27審である。
白い体に黒っぽい鼻なのかと思い、調べると「パグ」のようだ。
陽気で遊び好き、愛情深くて飼い主を喜ばせることが得意です。気が優しいので、子どもの良き遊び相手にもなります。 常に人といることを好みますので長時間の留守番には不向きです。知らない人に対する警戒心が低く、吠え声も通らないので、番犬としての期待は持たない方が良いでしょう。
パグの特徴・種類・歴史・性格・しつけについて | アイリスプラザ_メディア (irisplaza.co.jp)より
そして、ここでおもちの死についてが明らかになる、辛いシーンがある。
その後、第36審において、壬生は「おもち」との思い出を語っている。
これは個人的には壬生ファン、おもちファン共に必見である。というか僕は特に好きな部分だった。是非単行本などで味わって読むべきである。
細かい描写を除くと、おもちは老犬であったようだ。
おもちと壬生。丑嶋とウサギに重なる深い愛情。
第8審で伏見組の幹部が逮捕される原因となった金本を水死に見せかけて殺害する、第25審では何らかの理由で弱っているおじさんである植田から家を召し上げて自殺させた(と思われる。)
など、どう見ても善人には見えない壬生であるが、愛犬に「おもち」というかわいい名前を付けている、非常にかわいがって支えあってきたという点が程よいミスマッチとなり、壬生及びおもちには結構ファン層がいるのではないかと思っている。
壬生にとっての「おもち」は、真鍋昌平さんの代表作、ウシジマくんの主人公「丑嶋」にとってのウサギや「うーたん」などと重なる。
ウシジマの悪さ、怖さは知りつつもどこか憎めないというか人間らしさを感じる人にとっては同様に壬生ーおもちラインもまた愛すべきキャラのように思えるのではないだろうか。
ウシジマは江崎が舌を激しく負傷し、無事帰還した後に牛タンを食べようと誘っていた。壬生も同様にスパイとして菅原部下として振る舞っていた部下の久我が人間ボウリングで負傷し、戻ってきた際に再度「人間ボウリングやるか」といった、ダークな茶目っ気もそっくりである。
九条の大罪の主人公は九条に違いないのだろうが、もし壬生がウシジマのように重要なキャラクターなのであれば、既に多い壬生の登場機会は減ることはなく物語の重要な部分を占めると想像する。
おもちをめぐる因縁 伏見組の京極と壬生
そんなおもちであるが現在は死んでしまった。
経緯的には京極の賭場を荒らしたため、黒幕の壬生が捉えられ、人質としてさらに捉えられた「おもち」を金属バットで撲殺することを条件に解放された。
そして壬生は目に涙を浮かべ、愛するおもちを撲殺し、京極の下につくわけである。
当然壬生は京極を快く思っておらず、おもちをめぐる復讐劇というのが先ほど述べた物語の重要な部分となり、ここに嵐山刑事やら九条も登場してくるのではないかと思う。
京極もこういった反乱分子と知っておきながら壬生を身近においている。だから壬生にとってもそんなに簡単な話ではなく、ある程度ストーリーが進展したところで何らかの準備・仕込みを持って壬生の復習が果たされるのか、はたまた返り討ちに合うのか、というのがおもちをめぐる因縁の方向性と捉えている。
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