2021年7月19日のじっちゃまライブです。
本記事は情報の整理を目的としており、特定の銘柄や取引を推奨する目的はございません。投資にはリスクを伴いますので、自己責任でお願いします。
かなり言葉を省略しています。細かいニュアンスは動画を確認ください。
大手ネット証券会社は郵送不要で自宅からでも口座開設が可能です。
- じっちゃま(広瀬隆雄さん)パート
- 暗黒の金曜日が起きた原因、ニューヨーク連銀総裁、ベンジャミンストロングの緩和政策。
- 中央銀行の設立と、自動消滅。第一次合衆国銀行、第二次合衆国銀行~第三次合衆国銀行、FRBの成立までの歴史。
- 中央銀行が無い状態の通貨。1,395の銀行が8,000種類のドル紙幣を発券
- FRBが成立してから。第1次世界大戦後イギリスが金本位制度に。
- ニューヨーク連銀総裁ベンジャミン・ストロングとイギリスの良好な関係。
- ニューヨーク連銀総裁 ベンジャミン・ストロングの采配。金利は実体経済より低めの設定。株式ブームののち、利上げによる長短金利差の逆転。
- アグレッシブな利上げの後の大暴落。暗黒の木曜日とは。
- 暗黒の木曜日に何を学ぶか。今日もメリハリのついた金利政策が求められる局面。
- Q&A
- 自動運転にライダーセンサー必要?
- グラススティーガル法が廃止された時は大騒ぎ?
- ラッセル2000下げている
- JPM JPモルガンチェースなど銀行の決算から読み取れることは
- いまVTIに多額のキャッシュを入れるのは良くない?
- 決算見て売り買いしている。決算主義においてモメンタム・金利はあまり関係ない?
- ZM ズームビデオ、FIVN ファイブ9を買収
- BIIB バイオジェン
- 米、住宅価格の高騰のため、FRBによるMBSのテーパリング議論されているよう。MBS買取縮小がアナウンスされた場合はどのような影響?
- U ユニティ、PINS ピンタレスト
- ZM ズームビデオ、AFRM アファーム、U ユニティ決算良い限りホールドでいい?
- ZM ズームビデオ、FIVN ファイブ9持っていて、ZM ズームビデオの方が多めに持っている。ファイブ9は売ったほうが良い?
- PG プロクター・アンド・ギャンブル
- 74歳母の金融資産1億、7割株式、3割社債。
- ジュニアNISA2023年まで買い増し可能。その後数年買い増せず放置。現在VT、QQQを少し買った。
- サテライトのポジションを整理しリスクを落とし、2021年後半は様子を見ることにした。一部はPFFにする予定。
- ZM ズームビデオ 公募増資のタイミングについて
- ハイグロースに妙味あり、アークにも妙味ある?
- ZM ズームビデオ、AI シースリーエーアイ、CCL カーニバル、BIIB バイオジェン、AMZN アマゾン、GOOG アルファベット、RPRX ロイヤリティファーマ 整理するならどの銘柄
- 年末の主要株価の指数は現在よりも低いと思う理由を開設してほしい。
- T AT&T 配当利回り良いのでバイ&ホールドしようとしている
- 夏、目先の相場は良い、ということに変化はない?
- AAPL アップル
- AMZN アマゾン
- アットザマーケとオファリングで良い例はある?
- インドのETFは? EPI WisdomTree India Earnings ETF
- アフリカでおススメのETFは。
- 先週からリスクオフな売りが発生。VTI、QQQはホールドで良い?
- 最近の中国株についての意見
- MRNA モデルナ売却はいつ?
- 8月にテーパリングの話が無ければポジティブサプライズとして上げるというのはある?
- 良い決算を出している銘柄をホールドしている。前年損が出ていて、損益通算の為、いったん利確して買い戻してよい?
- OPEC+で減産縮小の影響で原油先物急落。エネルギーセクターの影響、ドル円・為替の影響
- PFF・BND・VTI・VT以外で待機資金の一部を置いておくのに向いたETFは
- IPOして1回目の決算までの相場の上げ下げはどんな理由?
- 8月テーパーが無いとしてもジャクソンホール前テーパー警戒で売られることは?
- RF リージョンズファイナンシャル
- アメリカでオリンピックの話題は?
じっちゃま(広瀬隆雄さん)パート
今日は1929年のニューヨーク市場の大暴落、いわゆる暗黒の木曜日についてしゃべってみたい。
暗黒の金曜日が起きた原因、ニューヨーク連銀総裁、ベンジャミンストロングの緩和政策。
暗黒の木曜日が起きた直接の原因はその前3年間にわたる緩和的な金融政策が遠因じゃないかと考える。
その前に第1次世界大戦が1914年に始まって、イギリスはいったん金本位制度から離脱している。
1925年にイギリスが金本位制度に戻っていったときにアメリカがイギリスを助けた。その時のニューヨーク連銀総裁はベンジャミン・ストロング。そのベンジャミン・ストロングがイギリスの中央銀行、イングランド銀行の総裁、ノーマン・モンタギューと非常に仲が良く、彼らのフレンドシップが当時のアメリカの金利政策に大きく影響を及ぼした。
結果として後から振り返るとそれがあまり良くなかった。緩和的過ぎる金利政策だったということと思う。
中央銀行の設立と、自動消滅。第一次合衆国銀行、第二次合衆国銀行~第三次合衆国銀行、FRBの成立までの歴史。
その話に入る前にアメリカの金融システムについて軽くおさらいしたい。
今ご覧になっていただいているのがアレキサンダー・ハミルトンの絵。
アメリカがイギリスから独立宣言をしたのは1776年ですけれども、その時にジョージ・ワシントンなどが中心になってアメリカ独立しよう、と独立運動を始めたが、その時のメンバーの一人がアレキサンダー・ハミルトン。いわゆるファウンディング・ファーザースと呼ばれる人たち。
アレキサンダー・ハミルトンはジョージ・ワシントン初代大統領、そして独立戦争を戦ったときの大将の右腕として活躍した人。当時アメリカには13州の州があったが、それが一致団結し、イギリスとの独立戦争を戦う。その過程で各州がたくさん借金をし、財政的に破綻状態になっていた。その破綻した州財政を立て直すことに尽力したのが、アレキサンダー・ハミルトン。
その時に彼が提案したのはみんなが個別に借金しているから返済に苦労する、だから、みんなの借金を一本化して、大きな借金を作れば、借り手が大きくてつぶせないというか、一本化すると信用力が上がるのでそういう風にしたほうが良いということを提案したのがアレキサンダー・ハミルトン。これは今日でも非常に優れた洞察と評価されている。
借金を一本化するということは、財政を一本化するということを意味して、それは申請アメリカが州国全体としてお金を借りることの始まりであり、それは突き詰めていくと合衆国銀行、アメリカ全体の中央銀行を作るほうが良いという形で、彼は合衆国銀行の提唱者でもあった。
そのハミルトンの主導で持って1791年-1811年の間、アメリカには合衆国銀行があった。これは日本銀行なんかと一緒。中央銀行。
そして合衆国銀行が通貨を発行していた、ということ。
しかし、銀行の定款は20年間有効で、その20年の期間が終わったとき、ジェームス・マディソンという大統領の時代だと思うが、マディソンが合衆国銀行の定款の更新をやらなかった。それで第1次合衆国銀行は時間切れ、自動消滅した。
そのあとで、もう一回やっぱり中央銀行あったほうがいいよね、という形で1816年に第二次合衆国銀行がスタートした。今回も定款は時限法案で20年間。1816年-1836年の20年間合衆国銀行が存在した。
しかし、その後で出てきた大統領、アンドリュー・ジャクソン。この人はポピュリズム、つまりドナルド・トランプみたいなかんじで、大衆迎合型の大統領だった。
彼が大きな銀行は農家にとって良くない、というポピュリズム的な見地から、第二次合衆国銀行の定款をやっぱりリニューアルせずに失効させてしまったということ。
次に3回目の正直でアメリカで結成された中央銀行がFRB(連邦準備制度理事会)ですけれども、1913年に成立。
つまり何が言いたいかというと独立宣言をしてからFRBが出来るまでの約120年間のうち、第1回目の合衆国銀行、第2回目の合衆国銀行、その二つの中央銀行が存在していた期間は40年(20年+20年)しかない。あとの60年はアメリカは中央銀行が無い状態で国が運営されていたということ。非常に異例だと思う。
中央銀行が無い状態の通貨。1,395の銀行が8,000種類のドル紙幣を発券
じゃあその頃は誰がいったい通貨を出していたのか、ということですけれども、アメリカには南北戦争のころ(1860年頃)の統計では1,395行の銀行があった。その1,395行の銀行が全部で8,000種類のドル紙幣を出していた。そのサンプルが、これ。
今皆さまにご覧に入れているのはアレギニー・カウンティ―・バンクと呼ばれる銀行の5ドル札。こんな感じで何百種類、何千種類もドル札があった。
ということはもっと言えばアメリカ全体として通貨の供給はどのくらいにするかという一貫した金利政策は無かった、ということ。
だから、パニックが起きた時に、最後の貸し手、の役割を果たすような中央銀行は無かった。1907年のパニックのときはJPモルガンが最後の貸し手の役目をはたして、彼がアメリカの金融システムを救った、というような経緯があった。
FRBが成立してから。第1次世界大戦後イギリスが金本位制度に。
そんなこともあって、これじゃあいかん、ちゃんとした中央銀行を作ったほうが良い、ということを発案した人が、ポール・ウォーバーグという人。
彼はキューンローブ商会のパートナーの一人で、もともとドイツ系の移民。ウォーバーグ家は非常に由緒正しいドイツのバンキングファミリー。当時のアメリカはJPモルガンがいわゆるWASP系の投資近郊の中で頂点、最高峰で、いっぽうユダヤ系の投資銀行の最高峰はキューンローブ商会。そのキューンローブ商会のパートナーがポール・ウォーバーグ、ということ。
彼がFRBをデザインした。そして、FRBはウッドロー・ウィルソン大統領の時代、1913年に発足している。
その後で第一次世界大戦が勃発。この戦争で世界のマネーセンター、金融の中心はイギリスのロンドンだったが、英国が金本位制から離脱した。その関係で世界のマネーセンターがイギリスからアメリカに移ったということ。この戦争の後で1925年にイギリスが金本位制度に復帰した。
その時に第1次大戦で疲弊したので、本来であればボンドは弱い通貨として、ドルとの交換比率でいうともっと弱い水準に設定すべきだったと思う。しかし、第1次大戦前と同じ水準。1ポンド=4.86ドルという交換比率でイギリスは金本位制度に復活した。
これは、自国通貨が強すぎるわけで、輸出などがやりにくくなる、というわけでイギリスにとっては荷が重い交換比率だったと思う。つまり実力以上のレートで交換比率を決めてしまった。
では、なぜそういうことが可能だったか、というと、アメリカの連邦準備制度が2億ドル、そしてJPモルガンが1億ドル、合計3億ドルイギリスにお金を貸しました。デポジット、預金した。それを根拠として為替を支えたということ。
ニューヨーク連銀総裁ベンジャミン・ストロングとイギリスの良好な関係。
そういう当時のイギリスの総裁は、モンタギュー・ノーマン。
それに対し、アメリカのニューヨーク連銀総裁はベンジャミン・ストロング。この2人がそれぞれの中央銀行のトップとして仲が良かった。
とりわけベンジャミン・ストロングがイギリスにお金を貸したりして、金本位制度復活に非常に尽力した、ということ。
ベンジャミン・ストロングはJPモルガンの社員だった。JPモルガンはもともとアメリカ人なんだけれども、JPモルガンのお父さん、JSモルガンがロンドンで銀行業を始めた関係もあり、いわゆるアングロファイル、つまりイギリスファン。
そういう関係でJPモルガンもイギリスのファンだし、ベンジャミン・ストロングもイギリスのファン。
第1次大戦の前はイギリスが世界のマネーセンターだったので、イギリス中心に物事を考えることは全然不自然ではなかった。
でも第1次大戦でヨーロッパが凋落して、世界の中心がアメリカに移った、ということ。ベンジャミン・ストロングはJPモルガンの中でだんだん出世していったが、初代のニューヨーク連銀の総裁になる直前はバンカーズ・トラスト、JPモルガンの息のかかった別動隊のような銀行の副社長を務めていた。
JPモルガンのヘンリー・デーヴィソン、さっき見たキューンローブ商会のポール・ウォーバーグ、ウォール街を2分する2大勢力の両方の推薦で、ベンジャミン・ストロングが初代のニューヨーク連銀の総裁になった。
このひと、結構苦労しているというか、常に暗い影があるというか、複雑な人。
たとえば1905年に最初の奥さんが自殺している。再婚するが、1916年には2人目の奥さんが別居している。なぜ別居したかというと、奥さんはすごく裕福な家庭の出身で社会的な地位の高い人だが、ベンジャミン・ストロングが初代ニューヨーク連銀の総裁になって、それは官職で給料が安い。貧乏な暮らしは嫌だ、と別居した、複雑な家庭の事情を抱えている。
ベンジャミン・ストロング自身も健康があまり優れていない、結核患者だったと思う。ニューヨーク連銀の仕事の1/3くらいは療養先からリモートで仕事しているというような状況。
ニューヨーク連銀総裁 ベンジャミン・ストロングの采配。金利は実体経済より低めの設定。株式ブームののち、利上げによる長短金利差の逆転。
彼のニューヨーク連銀総裁としての采配は、イギリスを助けるということで金利の設定は常に実体経済の強さに比べて緩め、というか低めに設定していた。
それは何を意味するかというと「カネ余りの状態を放置した」という風に言えると思う。だから余ったカネが株式市場に向かって、それが1920年代後半の株式ブームをもたらした。当時の短期金利は公定歩合だが、3%前後。そして、コール市場、いわゆるブローカー、証券会社が短期の資金を引っ張ってくる市場の金利が5%くらい。そうすると金融機関は政府から3%でお金を借りて、それを証券会社に5%で貸し付けるだけでほとんど無リスクで2%の差額を手に入れることが出来た。そしてそのコール市場で証券会社が獲得した資金は信用取引、レバレッジ取引の建玉を個人投資家に立てさせる、という形で利用された。レバレッジがかかった資金がそういった形で株式市場に向かった。
そこら辺の仕組みは例えば、今日でいうと仮想通貨、ビットコインとかで日本で仮想通貨FXってありますよね。現物の仮想通貨を持つのではなく証券会社との相対取引でレバレッジをかけてトレードできる、FXみたいな取引が1929年頃にニューヨークでものすごく流行っていた取引手法と思う。
その結果株式市場が非常に活況で、みんなお金を儲けて、全然仕事をしていない連中がマーケットでプレーすればどんどん儲かる。これじゃあ一生懸命働いている農家の人とかが損だよね、という形で政治的にもっと利上げしろ、というプレッシャーをベンジャミン・ストロングは受けた。彼の健康状態はどんどん悪くなっていて、1928年、1929年あたりはそういう世論に負けて利上げを繰り返した。
それがこのチャート赤の部分、1928年、29年あたりに短期金利、3か月物Tビルがかなり急上昇していることが分かると思う。青の線は長期金利。赤の短期金利が青の長期金利より上に来ている。つまり、利回り曲線、イールドカーブでいうと、長短金利の逆転が起きている。これは不況が来る前兆と言われている。
アグレッシブな利上げの後の大暴落。暗黒の木曜日とは。
そういった形で、ちょっとぎこちないというか、アグレッシブすぎる利上げが暴落の前に起きた、ということ。そして1929年、大暴落があった年はレイバーデー、9月3日がレイバーデー明けだったと思うが、そのレイバーデー明けの最初の取引のときにダウは381.17の高値を付け、その後ギクシャクした動きになり、10月24日が暗黒の木曜日と思うが、その日に-11%、その翌月曜日にほぼ-13%、そして、火曜日にさらに-11%、という形で、ドーン、ドーン、ドーン、と3回大きく下がった。
その年の11月3日の安値が198.69、つまり9月3日の最高値381が2か月強で198まで下げていったということ。最終的にニューヨーク市場が大底をつけたのは1932年7月。その時のダウは41.22でした。1/8くらいに下がっちゃったということ。
暴落が起きる直前は、それこそ靴磨きの少年とか、メイドさんとかアメリカのあらゆる階層の市民が株式投資にうつつを抜かしました。で、株が下がってみんな困ってる、これを漫画にしたのがこの挿絵。こんなムードだった。
10月24日に株式市場が暴落し始めたら、みんな夢遊病者のようにニューヨーク証券取引所に向かってぞろぞろ歩き出した。だからその日はニューヨーク証券取引所の前はこんな感じでものすごい人だかりになった。みんな呆然と株価の暴落を見守った、ということ。
こんな感じで大暴落は起きた。
暗黒の木曜日に何を学ぶか。今日もメリハリのついた金利政策が求められる局面。
もう一度ここまでの話をまとめると、何で大暴落が起きたのか、というとFRBが出来てから1年もたたないうちに第1次世界大戦が勃発。まだ中央銀行が十分機能していなかったときにいろんな出来事が起きてしまった、ということが指摘できると思う。
当時はニューヨーク連銀と連邦準備制度理事会、いわゆるFRBが主導権争いをしていた。ニューヨーク連銀のほうが、FRBよりも発言権が強かった。つまりニューヨーク連銀の総裁はベンジャミン・ストロングだったが、ベンジャミン・ストロングの方が連邦準備制度理事会のメンバーより声が大きかったということ。
そのベンジャミン・ストロングはイギリスへの配慮で非常に「ゆるふん」な金融政策を長く続けすぎた。その結果として株式ブームが来て、格差社会が非常に進行して、その格差に対する批判に負け、ベンジャミンストロングがだんだん利上げを始めた。
行き過ぎたレバレッジ取引、今日でいうロビンフッドとか仮想通貨FXとか、今日も似たことが起きているが、それが巻き戻しされて、それで急落がきた、ということだと思う。
もっと言えば利上げのタイミングが遅すぎた、と言えると思う。今は当時ほどは手をこまねいてはいないと思うけれども、セットアップとしては結構似ている面もある。8月のジャクソンホールでパウエル議長はテーパリングを発表するか分からないけれども、そろそろ引き締めて行かないといけない時期に来ている。
9月、10月あたりどのくらいキビキビした、メリハリのついた采配が出来るか、そういった事に注目したいと思う。
Q&A
一問一答形式のQ&Aです。
自動運転にライダーセンサー必要?
必要と思わない。テスラもライダー諦めるみたい。
グラススティーガル法が廃止された時は大騒ぎ?
グラススティーガル廃止は1929年の大暴落に対する反省。あのときに銀行と証券をチャンポンにして運営させるのは非常にリスキーだよね、ということで銀証の分離が発表された。パニックの後でグラススティーガルが発表されたという順序。
ラッセル2000下げている
いいところに注目している。ラッセル2000=小型株。S&P500よりももっと幅広い対象を指数の構成銘柄としている。なぜならS&P500は500銘柄、ラッセル2000は2000銘柄。ラッセルがアンダーパフォームしているということは、何を意味するか。
マーケットは新高値からそれほど遠くない位置にあるけれどもこの高値更新は、少ない銘柄数、ごく一部の主導株によって達成されている新値で、幅広いマーケットのパティシぺーション、参加はない。ということ。
もっと言うとここ1週間の動きでいうとGAFAMに代表されるNASDAQの大型株だけ。アップルとか。指数はなるほどあまり下がっていない。だけれども中身を見ると中小型株はやられている銘柄もたくさんある。
そういう意味でいうと今日1929年の暗黒の木曜日の話をしたがあの当時の状況もそれに近い状況だった。ごく一部の銘柄がマーケット、指数を引っ張っていたという構図。
あんまりよくないと思う。そういう構図は。
JPM JPモルガンチェースなど銀行の決算から読み取れることは
一つ言えることは今経済再開で市民は街に出ている。消費は好調になっているが、クレカ債務(クレジットカードの残高)はあまり増えていない。借金してみんなが遊んでいるということではない。その一方で預金(デポジット)は膨れ上がっている。
そうすると銀行としては預金を取るということは貸付原資が増えるということを意味するが、貸付原資の余力、貸し付け余力はパワーアップしているけれども、実際にお金を借りたい人はあまり多くない。
貸し付けは振るわない。それは何を意味するかというと、設備稼働率という表現はあまり適切じゃないと思うが、貸し付け余力に対してどのくらい実際貸しているのか、を稼働率と形容するならば、稼働率はものすごく低い。
まだ遊んでいる資本はいっぱいある。消費者にレバレッジはかかっていない。
だから株式市場では、仮想通貨ではレバレッジ取引が横行している、だけれども実体経済ではそれほど消費者はレバレッジをかけていない。それが今回の決算発表を見ていて僕が感じたこと。
前回のリーマンショックのときと現在の違いは何かというと、リーマンショックの時は銀行はバサッとレバレッジを落としていた。つまり、銀行の側からあまり貸したくない、だから貸し渋り、クレジットクランチ、そういったかんじで「なんか知らないけど、お金借りにくいよね」そういうカネ詰まり感がリーマンショック時にはあった。
それと好対照に、いまはそもそもレバレッジ余りかかってないわけですから、そういうカネ詰まり感、クレジットクランチ感はないんですよ。それが大きな違いだと思う。
むしろ企業はドンドン株を出す。IPOとか、公募増資とか。社債もたくさん出して、資金調達もしている。去年新型コロナになったときにこれちょっとヤバいぞ、お金借りれるならどんどん借りていこう、と企業は資金計画を前倒しし、ものすごい資金調達をし、今キャッシュの上に座っている。
だから今回の状況とリーマンショックの状況はかなり違うと思う。
たとえばJPモルガンのCEOのジェイミー・ダイモンはそういう違いがあるので、今回の好景気は長続きすると考えている。
僕は必ずしもそういう風には考えないが、そういう意見もある。
いまVTIに多額のキャッシュを入れるのは良くない?
VTIはアメリカの株式市場を全部丸ごと買うようなETF。3,000銘柄以上の投資対象にお金を振り向けるETF。そういった意味では分散が効いている。ほかのETF、個別株に比べれば比較的安全と思う。
僕は9月10月は相場が荒れるという風に考える。でもその場合でも今のシナリオでは1929年型の大暴落が来るとか、大不況が来るとか、そういう風には考えていない。
なぜかと言うと当時と違って今はまだ長短金利の逆転は起こっていない。金利は成長。企業業績は前年同期比+70%平均してメチャクチャ業績が良い状況。
もちろん新型コロナの前年のベースは低いが、企業業績が良いか悪いかと聞かれると、僕はアメリカに来て30年経つが、過去に前年比較がこんなに良かったことはない。そのくらい業績も良い。
そういった状況証拠だけを見て、そら見たことか、だから暴落が来るんだ、という風に決めつけられる要素は非常に少ない。
ある程度マーケット過熱していると感じてもまだもっと上に担がれるリスクもあるわけだから鼻をつまんでついていくしかしょうがない状況かと思う。
決算見て売り買いしている。決算主義においてモメンタム・金利はあまり関係ない?
その通りだと思う。
決算を見ながら投資できる銘柄は非常に限られている。アメリカ株多しと言えど、毎期、毎期、ぜんぜん取りこぼしなくコンスタントに良い決算出せる企業はほんの一握りの銘柄群だけのはず。
そういった銘柄はチャートに関係なく持っていてもいいと僕は思う。
だけれどもどの銘柄もこの銘柄も好決算で買えるということであれば、少し基準が甘すぎるのでは。つまり今期だけの決算が良かった、というだけでは不十分。過去3年間にわたって1回もしくじっていないとか、バーを高くすべき。
ZM ズームビデオ、FIVN ファイブ9を買収
FIVN ファイブ9という会社はコールセンターのソフトウェアを提供している企業。
ズームは最近ズームフォンというものに力を入れている。いわゆるIP電話。最近は日本でもリモートワーク、在宅勤務が行われていると思うが、会社の電話に電話がかかってきたとき、それを自由に自宅とか、ホテルとかに転送できる、そういうのがIPテレフォニー。テレプレゼンツと呼ばれるもの。
そういったものを全社的に採用することによって、社内交換機、PBXシステムを廃棄処分にしたらどうですか、ということをズームが提案している。
その先にあることとして、多くの企業は社内にコールセンターを抱えているので、そのコールセンターのニーズにもこたえられるようにするためにファイブ9を買収するということだと思う。
買収のロジックとしては非常に理にかなった買収と僕は思う。
あと、プレミアムも12%、13%そのくらいであまり高い値段を払っていない。なのでそれもリーズナブルかなと思っている。
BIIB バイオジェン
先週のニュースでいうと、クリーブランドクリニックとか、メイヨークリニックといった有名な病院がバイオジェンのアルツハイマー薬を処方しないと発表している。
クリーブランドクリニックとか、メイヨークリニックは日本で例えていうなら慈恵医大病院と書け医王病院とか、著名病院。オピニオンリーダー的な病院がアルツハイマー薬を処方しないというのであればバイオジェンの薬は売れないのでは?と早とちりしている人が非常に多いが、それは間違っている。
重要なことは患者がどう感じるか、ということ。メイヨークリニックではバイオジェンくれないの?それだったら私病院変えるわ。とどっか別の病院行けばいい。つまり、市場原理、マーケットエコノミックがアルツハイマー薬の分野にも適用されるだけ。
病院側の都合、てめえの都合というか美意識から言うと、効くかどうかわからない薬を処方するわけにはいきません、というのは病院としての矜持、見識を示すのは勝手に示せばいい。自由な社会・経済だから。でも結果として、じゃあメイヨークリニックやめた、とほかのところに流れれば、メイヨークリニックもアルツハイマー薬を扱わざるを得ないかもしれない。
先週の一部の著名病院がアルツハイマー薬に対して難色を示している、というニュースは実は何も言っていない。そういう事は過去にもいくらでも事例はある。そして、最終的には患者が、消費者が何を望んでいるかによって勝負は決まっていく。
米、住宅価格の高騰のため、FRBによるMBSのテーパリング議論されているよう。MBS買取縮小がアナウンスされた場合はどのような影響?
最初はものすごくゆっくり縮小すると思う。体感速度的には何も変わらないと考えるのが自然。つまり住宅ローン金利に対するインパクトも凄く小さい。あるいは10年債利回りとか長期金利に対するインパクトも凄く小さいと考えるのが自然。
徐々に累積的に真綿を占めるかの如く効いてくる。1年後、とか2年後とかそういうタイムフレームで考える必要がある。
U ユニティ、PINS ピンタレスト
両方とも下がっている。でも個々の銘柄でこれらに悪材料があるとは特に聞いていない。
いま中型株は軒並み下がっている。マーケット並みに下がっていると言ったほうが現実に近いんじゃないかと思う。
ZM ズームビデオ、AFRM アファーム、U ユニティ決算良い限りホールドでいい?
決算を手掛かりに投資する、という主義ならば我慢するしか他ない。
ZM ズームビデオ、FIVN ファイブ9持っていて、ZM ズームビデオの方が多めに持っている。ファイブ9は売ったほうが良い?
今日のプライスアクションとしてファイブナインは+8%くらい、ズームは-2%~-3%くらい下がると思う。株式交換による買収なので、ナチュラルにそういうプレッシャーがかかると思う。
その後にポジション落とすならファイブナインを売却するとかは良いと思う。
PG プロクター・アンド・ギャンブル
今ブレイクアウトしたばっかり。ピボット=買いシグナルが出たばかり。ちょっとこの後買い持ちのまま様子を見ては。
74歳母の金融資産1億、7割株式、3割社債。
別にそれでいいのでは。
だんだん年取ってくれば、債券を4割くらいにすることもいいと思う。
ジュニアNISA2023年まで買い増し可能。その後数年買い増せず放置。現在VT、QQQを少し買った。
それでいいのでは。
サテライトのポジションを整理しリスクを落とし、2021年後半は様子を見ることにした。一部はPFFにする予定。
それでいいのでは。
ZM ズームビデオ 公募増資のタイミングについて
僕なんかが投資銀行努めているときに発行体企業に言っていたのは、株というのは出せるときに出すもので、自分が資金が必要な時に株を出すべきではない。これが最も重要なアドバイスで、なぜかと言うと企業が株で資金調達をしなければならない、火の車というか背に腹は代えられないというか、そういう局面ではほとんどの場合株価は急落し、低迷しているから。
お金が必要な時に株を出すということでは資金調達コストがものすごく大きくなってしまう。
だから、株高で余裕があるときに、投資家のアペタイト、投資欲旺盛な時に公募するのが一番安全、安心、保守的という案内を僕はしていた。
その意味でいうと、3月にズームビデオが資金調達しているが、いい資金調達だったと思う。
今回は株式交換によるファイブ9の買収になるので、借り入れは一切ないわけで、そういった意味ではこのタイミングで公募はないと思う。
そういいながら、公募するかもわからないけれども、僕は必要ないと思う。
ハイグロースに妙味あり、アークにも妙味ある?
アークは調整した後で今三角持ち合いみたいな感じ。チャート的には特に可もなく不可もなくみたいなチャートと思う。どっちでも転がる。
この手のチャートはだんだん波動が小さくなって煮詰まったらポーンと上に抜けるか、ポーンと下に抜ける、そういうエネルギーが溜まっているチャートという風に言うことが出来る。どっちに行くかわからない。
ZM ズームビデオ、AI シースリーエーアイ、CCL カーニバル、BIIB バイオジェン、AMZN アマゾン、GOOG アルファベット、RPRX ロイヤリティファーマ 整理するならどの銘柄
AI シースリーエーアイ。単純にそれが一番株価調整しているから。
どのタイミングで購入されたかは分からないがIPOから持っていると仮定してしゃべっている。
ポートフォリオの調整として、一番やられている銘柄から切っていくのが鉄則。シースリーエーアイでないかなと推察している。
年末の主要株価の指数は現在よりも低いと思う理由を開設してほしい。
カンタンです。9月、10月は結構しんどい相場になると思う。9月、10月の2か月を通じて主要株価指数が例えばマイナス10%くらい調整することは簡単にあり得ると思う。そのあとで、戻りが弱ければ。11月頃から戻ると思うが、今の株価水準より、年末の株価水準が低くなるという可能性も十分にある。
あまり、相場はいつも高い、という風な先入観、決めてかからないほうが良いと思う。去年はすごく相場の良い年で、今年も年初来相場は良かった。つまり、バックトゥバック、2年連続でニューヨーク市場は非常に堅調だったわけだが、でもずーっとアメリカの株式市場の歴史を紐解くと、今みたいな感じで2年連続で株式市場が絶好調だったときは本当に数えるほどしかない。
今はノーマルな状態なのか、例外的なのか、というと、むしろ例外的に相場は良かった、と考えたほうが安全と思う。
T AT&T 配当利回り良いのでバイ&ホールドしようとしている
株価横ばい。現在の配当利回りは7%。
この配当は安全だと思う。これから5Gに対する先行投資がかさんでくると思うが、でも配当を維持することはそれほど難しくないと思う。だから、いいんじゃないですか。
夏、目先の相場は良い、ということに変化はない?
7月は相場高いと思う。8月は転換点と思っていたが、ここのところのパウエル議長の議会証言を見ると、あまり急いでいる風には感じなかった。その意味でいうと8月に転換点はないかも、テーパーの発表は無いかもしれない。その発表が9月10月に持ち越される可能性があるかもしれない、と今は考えている。
そういう風に発表が先送りになると、実際に発表された時の相場の荒れ方はもっと激しくなるリスクもあると思う。
9月10月の相場は楽観視していない。
AAPL アップル
長期のトレンドラインは保っている。
AMZN アマゾン
ボックス圏を半年以上推移。その後でポーンとブレイクアウトし、過去の上値抵抗線まで株価が調整してきている。ここで反発してもう一段高、というのが教科書通りのテクニカルのアクション。今は想定内、予想シナリオの範囲内での動きになると思う。
アットザマーケとオファリングで良い例はある?
ありません。
インドのETFは? EPI WisdomTree India Earnings ETF
EPI WisdomTree India Earnings ETFがある。
アフリカでおススメのETFは。
いま勧められるものは無い。
先週からリスクオフな売りが発生。VTI、QQQはホールドで良い?
VTI
今のところ上昇トレンドは崩れていないと思う。移動平均線、トレンドラインを割り込んでいない。テクニカル的にはまだ売りシグナルが出たとは言えない。
QQQ
もっとチャートは良い。
まだほとんど調整とは言えないと思う。こちらもOKだと思う。
最近の中国株についての意見
あまり良くない。
中国政府がネット企業、テンセント、アリババ、DIDI 滴滴出行とか、中国の未来を担うブルーチップなテクノロジー企業に対する風当たりを非常に強くしている。これは非常に、非生産的なことと僕は思う。なんでわざわざ、成長の芽を摘むようなことするの、非常に資本主義的じゃないと思う。
それに加えて例えばアメリカにおける中国企業の上場基準厳格化の問題とかもいろいろ問題なると思う。PEマルティプルとしてはコントラクション、PERの低下は避けられないと思う。
MRNA モデルナ売却はいつ?
S&P500に採用された。足元は株価急騰しているが、好材料の出尽くしと言えば出尽くしなわけで、もう利食いしたいというなら利食いしてもいいのでは。
8月にテーパリングの話が無ければポジティブサプライズとして上げるというのはある?
あまりないと思う。そういった形で手をこまねいて、利上げしない、金融引き締めをしないということになると後で揺り返し、リアクションが余計大きくなるのではと投資家が心配し始めると思う。
今日は1929年の暗黒の木曜日のことを解説したが、あの時もまさしくそういう形で、金融引き締めが手遅れ過ぎた。
だからああいう結末になったわけで、あまり緩和的な金融スタンスを長い間放置すべきではないと僕は思う。
良い決算を出している銘柄をホールドしている。前年損が出ていて、損益通算の為、いったん利確して買い戻してよい?
1か月以上期間を置いてから買いなおしてください。1か月以内だとウォッシュセールというルールになるから。アメリカのルールで買いなおすのが早い場合、節税のための操作と認定されるリスクがあると思う。
OPEC+で減産縮小の影響で原油先物急落。エネルギーセクターの影響、ドル円・為替の影響
ドル円はあまり関係ないと思う。
エネルギー株はちょっと下がるかもしれない。
PFF・BND・VTI・VT以外で待機資金の一部を置いておくのに向いたETFは
別にその辺の銘柄を買い増せばいいんじゃないの。同じようなETFばっかり種類変えたって意味ないと思う。
IPOして1回目の決算までの相場の上げ下げはどんな理由?
需給だと思う。特に一般論化できないと思う。個々の状況によって違う。
8月テーパーが無いとしてもジャクソンホール前テーパー警戒で売られることは?
そういうシナリオもあると思う。
RF リージョンズファイナンシャル
19.9ドルが過去の安値、今の水準がレンジの下限、それより下に切るなら外すという手もある。逆にここからちょっとしたをテストした後、もう一段高する可能性もある。今の水準は非常にクリティカルな水準と思う。
アメリカでオリンピックの話題は?
一応ある、それほど盛り上がっているとは思わない。
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