整理については色々な本が出ており、整理術から考え方まで書店では一つのコーナーを成すほどです。
「Joy at Work」 近藤麻理恵 スコット・ソネンシェイン著 古草秀子訳 河出書房新社
今回は11章からなるこの本の内容の一部に触れつつ、ビジネスで役立つ整理の考え方を紹介します。
片付けの範囲も「仕事場」に始まり「時間」「決断」「チーム」など多岐にわたり本書では紹介されていますがこの記事ではあくまで入り口であるモノの部分だけ触れます。
著者の近藤麻理恵さんは「片付けコンサルタント」をお仕事とされているそうで、「TIME」の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたこともあるそうです。
整理整頓ができない人に 片付けの良書「Joy at Work」からやり方・コツの紹介
タイトルを見ただけではスタイリッシュな感じがするものの、一見して整理整頓の本と言い切れないような見た目です。
「片づけでときめく働き方を手に入れる」がサブタイトルで、内容は片付け=整理整頓について詳しく書かれた本なのですが、理想の、前向きになれる働き方のための手段としての「片付け」の位置づけ・考え方に始まり具体的なやり方が11章にわたり書かれています。
片付けは手段のため、本書のタイトルがJoy at Work(仕事での喜び=ときめき)ということのようです。
今回は本書で学んだことを一部紹介しつつ、実践で整理する敵の考え方をまとめてみました。
なぜ片付け・整理が大事か?「モノを探す」時間は○○時間
本書では「モノを探す」ことに対する時間の浪費について第1章で書かれています。
モノを探すことにかけている時間は、従業員一人当たりで年間約1週間。つまり、あなたが過ごす4年間のうち1か月は探し物をして終わっていることになります。
「Joy at Work」 近藤麻理恵 スコット・ソネンシェイン著 古草秀子訳 河出書房新社 P25より引用
結構かかっていますね。1日に割り返すとおおよそ30分くらいです。
探している時間は何も生産していないとも言い換えられますので短いに越したことはないですが、他にも探すということに関するネガティブ要素は満載のようです。詳しくは「Joy at Work」を読んでみてください。
インターネットやExcel・Wordの中で特定の文字を探すやり方は・・・
片付け・整理は不要?散らかっているクリエイティブという説は正しい?あなたに片付けは必要かチェックしましょう
散らかった机で働く人は居ますし、天才と呼ばれる人の中にも存在します。ですが、散らかったままが果たしてあなたにとって良いことなのでしょうか?
どうでしょう。
あなたはその机に明日座るとして「ときめき」を感じるか=ポジティブな気持ちになれるか
をチェックされると良いようです。
「ときめき」については本書で頻繁に使われる表現なので正確な把握については読んでいただくのが良いと思いますが、当ブログでは「ポジティブな気持ちになること」と意訳します。
片付いた状態を維持するためには?できない人はやり始めの「マインドセット」に課題。片付いた後の理想を描こう
片づけについても「何となく片付けなきゃ」で始めた人と「こうなりたい」という理想がある人では片付けの継続状況が違うようです。本書では片付けを継続できないことを「リバウンド」と表現していましたが、とてもユニークです。
「リバウンド」しないためのヒントとして「理想像を描いてマインドセットした人」の方が継続できる傾向にあるようです。なぜかたづけるのか、どういう働き方にときめくのか、大切にしたい価値観は何なのかを自問して、理想に近づくようにワクワクしながら始めることが大事です。
片付けの仕方(一気にやるか、ちょっとずつか)散らからないためには「一気に」をおススメ
本書では一気にやる片づけを「祭り」と表現していました。「祭りの片付け」=「一気に掃除」をすることでBefore/Afterで明確な差が出るため、その状態を維持しようというモチベーションがわきやすいようです。
日本古来の掃除スタイル「大掃除」がありますが、一度徹底的にきれいにした後の部屋がすぐに散らかるということは確かになさそうです。
コツコツ積み上げることも大きな成果につながりますが、モノによってはコツコツ形でないメリットもあるということですね。
片付けの仕方 家やビジネスシーンでの順番・やり方
衣類→本→書類→小物→思い出品が定番とのことです。
たとえばおうちを片付ける場合なら「衣類・本・書類・小物・思い出品」の順番で片付けるのが定番。残すか捨てるかの判断がしやすく、収納場所が決めやすいカテゴリーから順に片づけをした方が良いという基準で、この順番をおススメしています。
「Joy at Work」 近藤麻理恵 スコット・ソネンシェイン著 古草秀子訳 河出書房新社 P75より引用
ビジネスならば「衣類」を除いて「本」から始めるのがいいらしいです。
やり方についてはまずは要るものを一か所にまとめてから判断しましょう。そうでないとそもそも何が何個あるかがわからないからです。
書類の片付け方
- ・基本全捨て(本当に捨ててはまずいものは何か)
- ・捨てられないもの1(未処理=使用するモノは残す)
- ・捨てられないもの2 保存義務があるモノ
- ・捨てられないもの3 参考資料など (今一度捨てられるかよく考える。基本全捨て!)
本書を読んで気づきが多くありました。上記以外にも11章からなる本書はデジタルデータの扱いや人脈についてなど、最終的にはモノ以外の片付けについて考え方とセットで紹介されています。ご自宅の整理や仕事の整理にも役立ちますので苦手意識がある方や、整理を他人に指導する方には特におススメです。
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