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九条の大罪 第23審 あらすじ ネタバレ注意
キッチンの窓が割れている。
散らかった部屋。
頭頂部が薄くなった中年男がため息をついている。
未開封の封筒、車いすが部屋にはある。
七五三のような写真を手に、もう一度深いため息をつく。
首にベルトとロープを結合させたようなものを装着し、部屋に直立する。
民家の前に烏丸と壬生。
壬生は「家の中に彼女にもらった指輪をなくした」といっている。
烏丸は同行しているようだ。
話が出来ないポン中と心霊が苦手という壬生は烏丸を連れて中に入りたいようだ。
あとで5,000円の最強のパフェをごちそうするという壬生の提案に少し目を輝かせる烏丸。
九条がカギをもってやってくる。
この家では先日、元住人の植田篤彦が首つり自殺をしたようだ。
自宅に抵当権を付け金融屋に金を借り、首がまわらなくなったところを壬生が助け舟として物件を買い取り、抵当権を外して賃貸にしたのだが、植田が家賃滞納をしたので九条に立ち退かせたようだ。
その後建物明渡請求訴訟をおこしたが、植田の欠席で勝訴。その後も植田が音信不通のため、強制執行をした。その際鍵屋を呼んで鍵の交換をしているという状況を説明する九条。
車いすは植田の妻のもので、妻がなくなって生活が荒れたのかと想像する。
ほかに残された遺品というか部屋のものを見ながら自殺の理由を考える烏丸。無宗教の国は自殺率が高いという。
九条はわざわざ窓を破って不法侵入して、意趣返しで首つりをしたとも考えられるという。
事故物件になってしまい更地にして売ろうと思うが利益が少ないと壬生は残念そうだ。
指輪を発見した壬生は死人に口なし、生きてなんぼという。
つづく
九条の大罪 第23審 感想
ほぼ毎シリーズ死人が出ている「九条」であるが、今回もシリーズ1話目にしてすでに数コマで植田が死んでしまっている。
植田篤彦の過去。妻と娘、息子との4人暮らしをしていた?
途中でうっすらと映っている写真は七五三のようだった。座っているのが恐らくは植田の妻であるとおもうが、椅子を見る限り普通の椅子で、これは単純に座っているだけのように思える。写真が鮮明に映っていないが、両親+娘と、母の膝の上に座る小さな男の子、この写真の父が植田篤彦ならば、4人家族だったようだ。
放置された車いすと、仏壇を見る限り、足そのものを傷めたりしたのかはわからないが、何らかの理由で妻が車いすで生活をすることになり、その後亡くなり、植田篤彦の生活は荒れ、お金は無くなり、最終的には自殺した、ということが考えられる。
また、時系列的には家の立ち退きを命じられ、音信不通のままだった植田がわざわざ家に来て自殺をする、というちょっとわかるようなわからないような内容である。
既に植田篤彦が死んでしまっている以上、その結論は変わらないが、過去についてこれからより明らかになってくる話になっていくのかなと思う。
九条の大罪 第24審以降の展開は
今回のやり取りで明らかに壬生が家をサラッと手にしていることに違和感を覚える。彼は妻を失い借金をし、途方に暮れる植田篤彦を哀れに思い、助け舟を出すような人間なんだろうか。
間違いなくこの話に関しても壬生が絵を描いているような感じがする。
たとえば、金融屋というのも植田篤彦が困って駆け込んだ金融屋ではなく、壬生の息がかかった、ちょっと普通ではない金融屋であり、抵当権をつけた家を壬生が安値で買い取り、売って儲けようとした、という風な話なのではないだろうか。
それ以前の段階で壬生が植田篤彦の家を奪うべくかなり細かい段取りをしていたなどの可能性もありそうだ。前回菅原が経営する「介護施設輝幸」に壬生は腹心である久我を忍び込ませていた。久我の潜伏期間は不明だが、1日や2日ではなく、しっかり長期間働かせていたと考えるのが自然で、菅原は久我を評価していた。
菅原は知性的だったか、といわれると、壬生ほどではないのかもしれないが、モラルは別として介護施設で荒稼ぎをする仕組みを考えるくらいなのだから、完全な「脳筋カテゴリー」ではないと思っている。
そんな菅原に取り入るのにいくら久我が優秀だったとしてもそれなりの時間を要するのではないか、と考えると、壬生は物事を慎重に段取りするタイプの人間で、直接的に手を下さず、物事を自分に有利に進めるような手段を取り、危険を排除しているように思える。
今回新たにロイヤルストロベリーパフェという新たな萌えポイントを発揮してきた壬生であるが、どう考えて程遠い彼の内面についても自殺の心境シリーズでは見え隠れするのではないかと思っている。
ちなみにロイヤルストロベリーパフェ@資生堂パーラーが5,000円のようだ。
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