コミックス好評発売中です。
- 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
- 鞍馬蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
- 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)
- 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
- 有馬 (ありま) 弁護士
- 嵐山 (あらしやま) 刑事
- 植田 篤彦 自殺をしたおじさん 口が悪かったらしい
- 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
- 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
- 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
- 久我(こが) 菅原の部下
- 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
- 佐恵子 家守華恵の義理の妹
- 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ 故人
- ミヨコ 金本の同居人
- 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
- 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
- 宇田川 良子
- 森田 ひき逃げ犯
- 郷田 ヤクザ風の男
- 市田 智子 毎朝新聞社会部 烏丸の知り合い
- 京極 清志(せいし) 伏見組の若頭
- 佐久間 謙一(さくま けんいち) 京極を襲撃した輩
- 笠置 雫(かさぎ しずく) 男性を殺害した若い女性、キャラクターのタトゥー
- 中谷 修斗(なかや しゅうと) イケメン。マッチングアプリで雫と出会う 故人
- ムーちゃん 39歳。ぼったくりバーの客引き。
- 外畠(とのはた)雫の母衣子の内縁の夫
- 粟生(あお)怪しい男。修斗とつながっている。
- 亀岡 麗子(かめおか れいこ) 人権派弁護士
- 田城(たしろ)雫のメイク担当
- 小山義昭(こやまよしあき)=小林(こばやし)? トゥールビヨン企画の代表取締役
- 白石 桃花(しらいし ももか)AV出演強要を訴えるモデル
- 寿樹弥(じゅきや) No1ホスト
- 笠置衣子(かさぎ きぬこ)雫の母親
- 深見 警察官、組織対策課3年目
- 又林 深見の先輩らしき警察官
- 嵐山信子=愛美? 嵐山刑事の娘 故人
- 犬飼勇人 嵐山信子殺害の為、少年刑務所に服役中、壬生の地元の後輩
- 衣笠美穂 嵐山愛美の元飲み友達。
- 炭山部長 嵐山の上司
- 金ヶ原 ヤクザが原因で銀行口座を作れない女
- 紗理奈 小山の娘
九条の大罪 第49審 あらすじ ネタバレ注意
外畠が嵐山に電話している。
拉致られた時の音を思い出し、廃棄音などから暴行は自動車整備工場で行われたのだろう、という。
いつになく外畠が鋭い考察だ。
衣笠美穂が警察署に来る。
嵐山と会って感謝している、と弁当かなにかを持ってきている。子育て支援の充実した町に引っ越すようだ。
嵐山のデスクには婚活アプリ詐欺事件の捜査資料とかいた封筒が置いてある。
「ABAZURE」と書いてあるパジャマを着た衣笠美穂が台所で歯磨きをしている。
家のなかはゴミだらけだ
そこに部下※と現れる嵐山問答無用で衣笠美穂を逮捕する。
結婚詐欺のようだ。
鬼だ、と同行している深見が言う。
言い聞かせるように犯罪者は絶対に捕まえる、という嵐山。
壬生の工場に九条が来ている。小山がまた逮捕されたようだ。しつこい嵐山の仕業であると認識している壬生だが、どうせ20日でパイになるとも言っている。
そこに、嵐山が部下の深見と現れる。意外にも深見の方が壬生の周りに物騒な出来事が繰り返されていることを指摘する。
悪の片棒を担ぐ九条にも指摘をするが、九条は悪人を守っているのではなく、手続きを守っている、と返す。
九条は黙秘権は憲法と刑事訴訟法が保障している権利で、感情道徳論と司法を分けて考えなさいよ。と嵐山に諭す。
嵐山は「自分の娘が強姦殺人されても同じように弁護できるか?」と九条に問いかけるが、
弁護士の使命は社会正義の実現と人権擁護で、感情的で冷静に判断できないのはプロでないという。
警察と弁護士は役割は違うが、目指すのは平和な社会だ。と。
嵐山たちが去ったあと、もし自分の娘が殺されたら司法に委ねたくない、と九条は呟く。
つづく。
九条の大罪 第49審 感想
小山、九条、嵐山の三者三様の娘との接し方が垣間見えた回であった。
嵐山のいい人感がやや上がる話だったと思われる。
逮捕される衣笠美穂
見落としていたのかもしれないが、現在結婚詐欺をやっている描写は特に見当たらなかったと思う。
衣笠美穂の部屋は、ゴミ袋だらけの部屋で、掃除など当分していなさそうな、ワンルームの部屋に暮らしているように見える。
シングルマザーである大変さもあるのだろうが、それにしても随分と乱れた部屋や、かつての華やかさを感じない雰囲気は、単純に現在の衣笠美穂が金銭的に恵まれていない、困窮しているということも示しているように思う。(というかよく見たら衣笠は「生活がしんどい」と自分で嵐山に漏らしていたが、本当にしんどかったようだ)
現在貧しいから部屋が荒れている、そうなると、困窮しているからアプリで結婚詐欺をしているのか、あるいはアプリで結婚詐欺をしたり、華やかな暮らしをしていたのが過去であり、現在は貧しい暮らしをしているのか、それとも結婚詐欺の片棒を担いでも大して儲かったりはしないのか。
個人的には、
1⃣愛美と仲の良かった時期=派手な時&結婚詐欺➡
2⃣愛美と別れた時期・前後で妊娠・出産➡
3⃣現在
というような時系列なのではないかと思っている。
そうなると、かつて愛美と付き合いがあり、その際に犯罪に手を染めていることを知りつつも嵐山は必要な情報を引き出し、最終的には逮捕をした。という流れが、いちばん同行していた部下の深見が「鬼だ」と言っていたこととの文脈的な整合性がつくように思える。
仮にこれまでの経緯があっているとして、恩がある無いに関わらず衣笠美穂を逮捕する姿は、プロフェッショナルっぽいようだが、実はそうではない。
つまり、本当のプロフェッショナルであれば、犯罪者であり証拠もある衣笠はさっさと逮捕してしまう、というのが筋が通っている。
しかし、嵐山の最優先順位は娘の愛美の強姦殺人の真相を追い求めることであり、他のことは優先度2番、3番と落ちていくのである。
このあたりは炭山部長とのやり取りの中でも明らかであったが、嵐山は仕事に身が入っていないのである。
このあたりは娘を思う気持ちや、遡れない過去に対する自分の公開を埋める上では、同情の余地があるようだが、とにかく嵐山は娘の事件最優先で、本業に対しては決して真面目ではないということが別の角度からうかがい知れるように思った。
一方の九条の態度は僕が理解するうえで、ものすごくプロフェッショナル、というものを貫いていると思う。
今回明らかになったのは、別に弁護士や司法の仕組みそのものに対する嫌悪感だか、不満というものは、九条もしっかり持っているようだからである。
なにも弁護士や警察に限らず、サラリーマンやアルバイトだって、会社や組織に対する文句の一つや二つくらいは誰しもがあるだろう。
そこまでは多分ほとんどの人がそういう立場なんだろうけれども、例えば不満があるから仕事をやめる、変える、ということを嵐山も九条もしていない。
嵐山の場合は刑事の立場であれば、自分の目的達成に近づくからに違いないが、九条は何故弁護士であり続けるという選択をしているのか、ということが今の段階ではわからないところであり、今後描かれていくであろう大事な部分なのかと思った。
第50審以降の展開は?
キリの良い第50審になるが、次の話ですべてが終わる感じは全然しない。
とりあえず逮捕された小山が本当に20日でパイになるのかとかそういうところが事件に対しては新店のポイントだろうか。
また、今回も嵐山は壬生が直接・間接を問わず外畠への暴行、金本の殺害など各種の悪事に手を染めていることを確信しているものの、嫌みを言って嵐山が去っていくところを見ると、やはり壬生は決定的なミスや証拠は残していないようだ。
きっと壬生も京極も少なからず愛美の殺害に関わっているに違いないと私も思うが、現段階では嵐山に追い込まれることはなさそうに思える。となると事件の真相編としても、すべては解決しないまま一区切りがつく可能性もありそうだ。
もう一つ思うこととして、たぶん嵐山は犬飼との接触をしていないのではないかと思っている。
犬飼が何かを言ったところで、犯人は犬飼ということ以上のことはない為、現状のように犬飼は刑務所に入っており、逆に壬生や京極は逮捕されていないのだろう。
しかし、より深く過去の事件を知る嵐山が犬飼と接触することで、真相に向け何か閃くことが出てくるのかもしれない。
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