九条の大罪 第105審 命の値段⑭ 感想

真鍋昌平 ビッグコミック 九条の大罪 その他

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これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬 蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)現在は流木の事務所に勤める。
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 有馬 (ありま) 弁護士
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 莉乃(りの) 九条の娘。
  • 植田 篤彦 自殺をしたおじさん 口が悪かったらしい
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 佐恵子 家守華恵の義理の妹
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ 故人
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男
  • 市田 智子 毎朝新聞社会部 烏丸の知り合い
  • 京極 清志(きょうごく きよし) 伏見組の若頭
  • 佐久間 謙一(さくま けんいち) 京極を襲撃した輩
  • 笠置 雫(かさぎ しずく) 男性を殺害した若い女性、キャラクターのタトゥー
  • 中谷 修斗(なかや しゅうと) イケメン。マッチングアプリで雫と出会う 故人
  • ムーちゃん 39歳。ぼったくりバーの客引き。
  • 外畠(とのはた)雫の母衣子の内縁の夫
  • 粟生(あお)怪しい男。修斗とつながっている。
  • 亀岡 麗子(かめおか れいこ) 人権派弁護士
  • 田城(たしろ)雫のメイク担当
  • 小山義昭(こやま よしあき)=小林(こばやし)? トゥールビヨン企画の代表取締役
  • 白石 桃花(しらいし ももか)AV出演強要を訴えるモデル
  • 寿樹弥(じゅきや) No1ホスト
  • 笠置衣子(かさぎ きぬこ)雫の母親
  • 深見 警察官、組織対策課3年目
  • 又林 深見の先輩らしき警察官
  • 嵐山信子=愛美? 嵐山刑事の娘 故人
  • 犬飼勇人 嵐山信子殺害の為、少年刑務所に服役中、壬生の地元の後輩
  • 衣笠美穂 嵐山愛美の元飲み友達。
  • 炭山部長 嵐山の上司
  • 金ヶ原 ヤクザが原因で銀行口座を作れない女
  • 紗理奈 小山の娘
  • 門脇数馬(俳優志望➡サパークラブ勤務)
  • 音羽千歌(歌手志望➡ギャラ飲み女子)
  • 数絵 門脇数馬の妹。生まれつき体調がすぐれない
  • ももよ 数馬の俳優時代からのファンで風俗で働く
  • 山梨新一 整形外科医 エッチそう
  • 伏見組長 伏見組の組長。現在服役中。
  • 川原社長 数馬を大人の運動会に紹介したらしい
  • 小松 坊主頭の男。
  • 東村ゆうひ 烏丸の元居た法律事務所の人と思われる
  • 知恵光院翔 ライップスコーポレーションの男。門脇数馬に投資詐欺を行う。
  • 片桐士郎 私立探偵。壬生の依頼で数馬を助けようとする
  • 宇治信直(うじのぶなお) 検事部長。
  • 京極猛(きょうごく たけし)京極清志の息子。
  • 烏丸克伸 烏丸の父で東大法学部➡商社勤務。「東海道新幹線連続殺人」による無差別殺人にて亡くなる。
  • 雁金正美 (かりがね まさみ) 伏見組若頭補佐
  • 鍛冶屋小鉄(かじやこてつ)伏見組構成員
  • 艮克成(うしとら かつしげ)破門絶縁元ヤクザ
  • 出雲 死刑判決が出た男。詳細不明。
  • 船井 電車で暴行を行うオタのオッサン
  • 中林敏子 (なかばやしとしこ)烏丸克信を殺害した連続殺人犯に殺害された被害者
  • 鞍馬 行定(くらま ゆきさだ)九条の実父、検事
  • 佐山 弁護士。
  • 宇治 金、頭脳、暴力の三拍子が揃っていると雁金に評される伏見組のヤクザ。壬生の知り合い。
  • 白い男 明治以前の教えを伝える塾にいた変な奴、と壬生に言われている。白のハット、スーツ。
  • 白栖 雅之 白栖総合病院医院長
  • 白栖 正孝 白栖医院長の息子
  • 相楽 弘毅(そうらく こうき)東村ゆうひ弁護士事務所所属の弁護士
  • 平川 幸孝(ひらかわ ゆきたか)白栖医院長の次男で正孝の弟
  • 白栖 早苗(しらす さなえ)白栖正孝の妻
  • 平川 恵理子(ひらかわ えりこ)平川幸孝の妻
  • 山根 白栖正孝の学生時代の友人で現在は勤務医→製薬会社の査定の医者に転職
  • 朝倉優子 東村ゆうひ弁護士事務所所属の弁護士
  • 射場雅弘 白栖総合病院事務局長 
  • 有馬剛 事件屋 
  • 池尾 白栖総合病院の秘書 素行が悪く借金があるらしい

九条の大罪 第105審 あらすじ ネタバレ注意

白いスーツを着たハットの男についていく形で壬生と宇治が寺に来ている。90審に登場した、明治以前の教えを説く塾にいた変な奴、と壬生が言っていた男だ。今後顔が出ないまま登場することもあるのかもしれず、白い男、としておく。

白い男の背丈は壬生や宇治の肩くらいまでで、壬生や宇治は壬生や宇治はデカいため比較すると小さく見えるのかもしれないが、白い男は小柄というか標準体型というか、とにかく身長は大きくなく、肉体も普通な感じである。

寺で鹿をいじめる学生を窘めた壬生であるが、その後、宇治とともに鹿のフンを踏んでしまい、二人ともうおっ、という。その様子を見て笑う白いスーツの男。

唐突に道徳心理学について話し始める。第一段階は「罰」を避けるために道徳的にふるまい、第二段階は法律やルールに従う、という。これだけでは不十分とする白い男は内的な良心に基づいて自分で判断し道徳的に判断をすることが人の目指すべき第三段階であると結論付ける。

これに対し人々は声の大きい、権力のあるものやルールを作ったものに流され、自分で考えることをやめてしまいルールや法律を守るだけで生きているという趣旨のことを言う。

世の中が厳しくなったら心の自由は誰にも奪われないことを思い出せ、そして自分で判断できないと一廉(ひとかど)の人間にはなれない、という。

白い男は九条に興味があるので会わせてくれ、と壬生に言う。

九条の事務所。20日でパイになった射場が困っている。有馬からの嫌がらせ写真と呼び出しを食らって憂鬱であると。

考えを巡らせる九条。

相楽は再び池尾と接見している。池尾は弁護士は九条に頼んでいるというが、相楽は九条は反社に飼われている悪徳弁護士であるという。

しかし、池尾は九条は相楽より信頼できる、という。

相楽はひるまず、信頼とは何ですか、と聞き返したうえで、1億円を出すという。

16分40秒のタイマーをスマートフォンで示し、1秒おきに10万円が減っていくと言いタイマーをスタートさせる。

30秒で300万がなくなったと言い、池尾に決断を迫る相楽。

九条の大罪 第105審 感想

カラー絵なので白い男が、白っぽい薄いブルーとかの服ではなく真っ白の服を着ているということが良くわかった。

今回は白い男の価値観というか考え方が少し示された。前回は日本が衰えた理由は信念がなくなった、と言っていたが今回もそれに近い話をしている。

道徳、というものは決められたものを守るだけではなく、そこが間違い/錯覚の始まりであり、あくまでも価値観・自由・正義はそれぞれの心の中にある、とする道徳心理学に基づき、白い男の価値観は形成されている。

そして九条に興味を持っているという白い男であるが、この考え方は九条とは真反対である。

九条本人に道徳や善悪の判断をする気持ちがゼロなのかというと分からないが、少なくとも弁護士をしている九条は顧客の要望に応えることと、ルール(法律)を守ることの中で仕事を遂行することが継続されている。

この点において既に白い男と九条がかみ合わないように感じる。

いっぽう壬生はこの二人をよく知り、かみ合わない考えを理解したうえで九条を白い男に紹介しているわけだから、何らか意味合いや解決があるのかもしれない。

道徳心理学と聞いて眠たくなりそうだという壬生には少し若さも感じるのと、そもそも反社に狙われている状況下、宇治がついているものの、果たして呑気に寺などをうろつけるのかと考えると、これは時系列的には結構前、少なくとも京極猛を犬飼が拉致してしまい、揉める出来事があった前の様子なのかもしれない。

あと、宇治が異常にごつい。ここまでの登場キャラでは最強レベルのバルクを誇っており、尻、腿、カーフあたりもパンパンに張っているのがジャージの上からもわかる。

ここまでの登場キャラでバルクを感じるのは壬生・京極などであったが、ちょっとレベルの違うバルクである。

九条の大罪 第106審以降の展開は?

相楽が力強い。九条への信頼と減る1億円を天秤にかけて池尾を揺さぶっている。

池尾に1億円など冷静になれば払われるはずもないように感じるし、反社の飼犬呼ばわりした九条と、今の相楽でどちらが悪徳なことをやっているのか、これも冷静になれば明らかに様子がおかしいことは分かりそうだが、目の前で減っていく1億円の圧力に池尾は苦しんでいるようである。

九条が依頼人をカンモクさせるように、先回りしてこの魔力にやられないような策を池尾に授けている可能性もありそうだが、池尾は屈してしまうのだろうか。

その他
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