九条の大罪 第116審 最悪の駆け引き③ 感想

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九条の大罪　第116審　あらすじ　ネタバレ注意

出雲が宇治にカニやら肉やらを奢っている。タグの付いたカニやらが高そうである。

タバコを吸いに外に出る出雲に宇治も付き合うが、出雲が加えた煙草にすぐさま火をつける宇治。

出雲は、獄中の京極が本が好きだったことを語り、差し入れに贈りたいが本を読めないので何がいいのかわからないという。

司馬遼太郎、菊池寛、ハンターハンター（の続きを楽しみにしている）など、宇治は京極の好みを良く把握している

出雲が京極は部屋で横にならず正面を見て座っていることを語る。弁護士の山城から様子を聞いているようだ。

山城は京極は毎日自分を律していると言い、そんな人間はなかなかいないという。

そしてそんな京極が怖くなることがあるという山城。人を殺めた人間の目と似た、ビー玉のような透き通った目をしているという。

壬生はどこだ、と聞く出雲。

宇治は知りませんという。同郷だったはずだと再び宇治を詰める出雲だが、宇治は出雲に向き合わずに「いえ」と短く否定する

嘘はすぐめくれる、京極をはめた奴にカエシをしないとな、と言い、二カッと笑い宇治の車をもらうという出雲

百井が砕いた氷砂糖をさび止めスプレーか何かで苦くしてガキに売ると言っている。

薬物のように見え、年少者が騙されて買うらしい。曽我部はそれを手伝っている。

ブラックサンダーと烏丸と散歩する九条。

その先に待っていたのは宇治の愛車を泊め、現れた出雲である。

出雲はどうも、九条先生。という。九条のことを知っているようだ。

九条の大罪　第116審　感想

出雲は宇治がを稼いでいることを115審から引き続き伝えつつ、一瞬カニとかを奢る漢気を見せたかと思いきや（カニや肉の分はお金を払ったのだろうが）しっかり車をもらってしまった。

反社の世界ではよくあることなのかもしれないし、宇治はもっとお金を持っているので問題はないのだろうが、一般的にはたまったものではないし、個人的にもカニとかを奢るムーブを見せられつつその数百倍前後では値が張るであろう高級車を奪うということで、出雲は特に労せずして得をしている。

こんな半日でせいぜい数十万の食事で数千万の高級外車を失ってしまっていては上下関係よりも人間関係が成り立たず、長くはこんな人間とは付き合えないと普通なら考えてしまうところだが、宇治の持っている金は大きく、嫌がらせにも表情を変えず耐えるメンタルは強い。

ただ単に金や車を奪うのでなく、このカニを挟むことによってかなり不平等な交換が成り立ってしまっておりここにものすごい理不尽さ・嫌らしさを感じる。

ちょっとうまい表現が難しいが、例えば100万円持っていたとして、何らか事故やトラブル、強盗などでもいいがなくなってしまった状態は100万円―100万円＝0円　とか、仮に100万円全額ではなく、一部を取られたとしても100万円―80万円＝20万円　というような数式が成り立つ。

一方出雲がやっていることは　2人合わせて10万円の食事＝3,000万円の外車　というようなことであり明らかに等式が成り立っていない。この成り立たなさが反社の世界であり、出雲と宇治の関係であるということを示すマウンティングであり実にめんどくさい。宇治が拒否したらどうなるのだろう。

もっとも、良い車であることに因縁をつけたのが出雲で、宇治は差し上げます、とあっさり言っているので上記のような出雲が強引に成り立たない等式を押し付けた、というのは少し違って、先に宇治が高級車をくれたから、将来は行ってくるであろう一部のお金を出雲に戻した、という順序や因果関係での違いはあるのかもしれないが、おおむね出雲は改めて宇治に力関係・上下関係を示したということと、反社の世界では座布団が上のものが絶対というのがルールであるということを再確認したシーンである

九条の大罪　第117審以降の展開は？

京極が刑務所に入っているので九条は京極の仕事はなくなったが伏見組とは切れていないようだ。

京極逮捕後、時間を空けて戻ってきた出雲が恐らく伏見組経由で九条の連絡先を聞き協力を仰いでいるのだろうか。