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九条の大罪 第29審 あらすじ ネタバレ注意
街をイケメンと歩く雫。
「しずくちゃん」お酒飲める?と聞かれている。
ちゅーちゅー
と答える雫。
ストローを缶にさしてちゅーちゅー飲めるという意味なのか、「スト缶をちゅーちゅー」と言っている。
おなかは空いているかと聞かれ、
大丈夫、おにぎりを食べた。
どこの?と聞かれ
遠くてもセブン、と答える。
おなかが空いていないなら、とバーに誘うイケメン。
修斗さんどうもです!と威勢のいい掛け声で迎えられる。
イケメンは修斗と呼ばれている。
それを見て修斗は人気者だと思う雫。
バーは初めてという雫は、最初に年齢を修斗に尋ねられ、20歳と答えるが、「幼く見える」と言われ、
本当は18歳
と答える。
一瞬様子をみる修斗。
酒をやめておく、とやんわり尋ねるが、ピーチウーロン(レゲエパンチ)を頼む雫。
修斗は雫が気付かぬうちにスマートにお会計を済ませている。
えええええええとびっくりする雫に、楽しかった、また飲もうと伝える。
くだらない私のくだらない話を聞いてくれた、という雫に
しずくちゃんはくだらなくないよ、と言いLINEを交換する修斗。
一人になった雫はまた地下の階段のあたりにいる。修斗にぞっこんのようだ。
地べたに座り、今度はムーちゃんを待っているようだ。
ムーちゃんは終電を逃した、と言い男を店に誘い込み、男は見事にビール2杯で40万円ぼったくられている。入れ墨をいれた店側の人間のプレッシャーを受け、お金を払わざるを得ないようだ、
10万円程度を手にしたムーちゃん。
家に泊められる雫。雫もムーちゃんの家が好きなようだ。
ムーちゃんの家には写真が飾ってある。この写真かわいい、という雫に
「一番かわいかった時の写真、遺影にする」というムーちゃん。
ムーちゃんは39歳だが、ぼったくりの客引きがまだできている。まだまだ自分は若いと思っているようだ。
雫はイケメンに会えたのか、と聞くムーちゃん。雫は嬉しそうに会えたこと、また会うことを告げる。
一方修斗は雫について、「かなりいい、いつも通り流れを作ってそっちに紹介します。」と誰かに電話している。
つづく
九条の大罪 第29審 感想
早くも不穏な雰囲気であり、イケメン修斗はやはり悪人の香りがプンプンする。
イケメンの名前は修斗。笠置雫はかなりいいらしい。
修斗は雫のことを「しずく」と呼んでいる。マッチングアプリの登録の名前だからだろうか。
同じ学校の生徒でもないのに、出会ったばかりの人間の名前を漢字まで知っていることは珍しく、ひらがなの「しずく」という呼び方は少し二人の距離感であったり、しずくの幼稚さを示しているように思える。
一方雫は「修斗」と漢字で読んでいる。
ちょっとしたことかもしれないが、修斗はおそらくマッチングアプリにも本名っぽい名前(本当に本名かもしれない)を漢字やフルネームで登録していて、いかにもちゃんとしている感じの人として雫には認識されているのだろう。
お酒飲める?に対して「ちゅーちゅー」と答える意味不明な回答に対し、ストローで飲むの、と瞬時に翻訳する修斗のイケメン度は高く、見た目だけでなく中身もちゃんとしているように見える。
しかし、修斗はとにかくこの雫を受け入れる、というか否定しない。
未成年と知っていても本人が嫌がらなければ酒を飲むことも止めないし、趣味のコンビニがセブンイレブンと言えばいいね、と同調し、飲むお酒もいいね。という。
甘い、おいしいという雫をかわいい、と褒める。
イケメンにここまで肯定されるという経験はないであろう雫、そもそもイケメンどころか雰囲気がビミョーな仲間内でも浮いてしまっているのがこれまでの雫である。
そして唯一イケメン修斗が否定したことがある。
それは雫が、自分を「くだらない」と否定した節である。
ここだけはおそらくしっかりした口調でくだらなくない、と伝えた修斗。
これで惚れるなという方が無理である。
何なら酒代も気づかれぬように払ってくれている。まさにイケメン・紳士のふるまいである。
雫とのやり取りで彼女の特徴が出ているな、と思った言葉は「どこのおにぎりか?」と聞かれ「遠くてもセブン」と答えている点だ。
ふつうこういう会話なら「セブン(イレブン)」と答えた後に、もう一往復してなぜそこにするのかの説明をしたり、まずは質問に対する答えをちゃんと言うのが一般的だと思うが、雫は一応回答をしているものの自分のこだわりを伝えている。
このあたりのコミュニケーションのもどかしさというか、飛び具合などが少しずつ仲間内で浮いてしまう要因なのではないかと考えている。
とくに修斗と雫は初対面である。気心知れた中ではないのにここまで自己開示をしてしまうところに少し雫の特徴的な部分を感じる。
これらすべてをじっくり観察した修斗は雫を「かなりいい」と評価している。割と真面目な表情というか険しい表情というか、明らかに何かを企んでいる様子だ。
これまでに延べてきたようなやり取りから雫の自己肯定感の低さや、それに伴う意思の弱さ、流されやすさ、物事を不思議に思わないような性格などをトータルとしてみて「かなりいい」と品定めしている感じである。
そして、その品定めの内容こそが前回雫が言った「商品としての価値、あるいは商品として成り立つ雫」なのではと考えている。
ムーちゃんはぼったくりバーの客引き。
前回ムーちゃんは笠置雫の未来のどこか時点に当たる存在なのかと思っていると言ったが、とりあえず年齢は39歳。単純に言えばこの回想から21年後の雫の年齢である。
家の遺影は、部屋で男性を刺殺していた雫の部屋に置いてあったものだ。
間取り的にも今回泊まっているムーちゃんの部屋で笠置雫は男性を刺したのではないかと考えている。
ムーちゃんの部屋は前回の方が壁に絵が描いてあったり荒れている感じだった。もともとは人形に遺影というやや異様な部屋だったものが、さらに異様になったと思われる。
余り常識的ではない雫がどういう経緯で人を刺したかはわからない。
雫からしてみれば他人の家が血まみれになっても問題が無かったり、それ以上に大事なことがあったのかもしれない。
が、一般常識的には、雫があの家を自由に使っているのであれば、家にはムーちゃんはもう住んでいないということであり、既にムーちゃんも亡くなっているのではないか、と感じる。
九条の大罪 第30審以降の展開は
とりあえず雫(殺人)、ムーちゃん(ぼったくり)、修斗(詐欺?)と修斗が何をやっているかはまだ明らかではないが、明らかに名前の付いた登場人物全員が犯罪を犯しているため、非常にどろどろとした話になりそうである。
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