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九条の大罪 第30審 あらすじ ネタバレ注意
雨の路上で独り言を言う雫。
雨は嫌いだが家には帰りたくないようだ。
ユニットバスで下着になる雫。タトゥーを入れた男が股間を掻いて下着の雫の様子を見ている。
散らかった家には雫の母と「とのくん」と呼ばれるタトゥーを入れ、口ひげを生やした男がいる。
母はスナックで働いているようで、飲まされたので水を買ってきてくれと雫に頼むが、バイトを言い訳に水を買わずに出ていく雫。
代わりに水を買いに行くという「とのくん」だが、母がスナックの仕入れに用意した数万円をポケットに突っ込んで出ていく。
とのくんの向かった先はパチンコである。
雫はスーパーマーケットの裏手のようなところでエプロンを着けてバイトをしている。
修斗からのデートの誘いがLINEで届き、嬉しそうにする雫。
昨日のBARで、と誘っていることから、前回から1日しか経っていないようだ。
修斗はそのBAR、ボーイズバーでバーテンをしているようだ。
ゲームをしながらお酒を勧める修斗。
修斗はホストかと思ったという雫に対し、俳優をやっているという修斗。
ただ、何に出ているの?と聞く雫には「言ってもわかんないかなあ」とはぐらかす。
全く疑っていない雫は修斗はすごい俳優になるよ、というが、逆に夢を修斗に聞き返され、
「生きてるだけで精一杯、家を出たい」と告げる。
バイトで引っ越し代を貯めているようだ。
引っ越したい理由は「とのくん」こと外畠(とのはた)にあるようで、ママが泥酔している際に布団に入ってきてゴニョゴニョするらしい。そして逆らうと殴るらしい。
会計は2万5千円で、引っ越しは遠のいたがイケメン修斗と甘いひと時を過ごし幸せな雫。
修斗は雫を返した後「粟生」という半袖半ズボンの眼鏡で短髪の男と電話している。
こないだ電話した逸材の地雷女子は来月にパンク、紹介することで永遠に自分に1割バックでいい商売です、とアコギなことを言っている。
粟生は修斗にいい子を紹介して稼ぎまくって、と言っているがいまは女優が強制的にAVに出させられたと訴えられて、会社が弁護士ともめている時期で、すこし紹介は待ってほしいようだ。
場面変わって
女性差別は許さん 性産業は性暴力
と書かれたプラカードを前に腰に手を当ててメガホンを構える女。
人権派弁護士、亀岡麗子、というそうだ。
つづく
九条の大罪 第30審 感想
早くも不穏な雰囲気であり、イケメン修斗はやはり悪人の香りがプンプンする。
新キャラ各種登場 とのくん、粟生、亀岡麗子
30話にしてある程度個体として名前が認識できるキャラは冒頭でリスト化しているが、少なくとも29キャラくらいは、いるようだ。
これにおもち、ブラックサンダーを入れれば31キャラであり、基本的に1話につき1キャラ程度は名前が分かる新キャラが出ているようだ。
まず「とのくん」であるが、「ヒモ」であり「ヤンキー」であり「痴漢」といえる。
いくら雫が変わっていると言っても、さすがにいただけないキャラと言える。
また、このやり取りを通じて雫らしいな、と思うのは「とのくん」が暴力的で抗いづらいものだったとしても、要因を作っているのは母親に違いないのに、あくまで直接の被害を受けている「とのくん」が大嫌い、という説明になっているところである。
普通であれば「あんな男を連れ込んだ親を恨む」とか、そういう発想になりそうなものだが、今のところ「親というか外畠が大嫌い」と言っているということは、母親については特に何も思っていないかに思える。
「粟生」は京都府長岡市にある
粟生も京都府長岡市にあるようだ。長岡市は京都の南西にあり、長岡天満宮とかも近くにある。
今のところ壬生や京極のような京都の中でも有名な名前ではないものの、一応今後も注意したほうがいいキャラなのかもしれない。
今のところ
イケメン修斗がマッチングアプリで判断力の乏しい女性を確保→バーなどに頻繁に通わせ、借金漬けにする→粟生に紹介、いかがわしい仕事をさせられる→粟生は女性を随時確保できる。修斗は売上の10%が手に入る。
というあくどい、Win-Winの関係になっているようだ。
ここまではほとんど予想通りと言っていい展開かもしれない。
亀岡麗子 フェミニスト 人権派弁護士
凛とした雰囲気の恐らくは黒のスーツに身をまとった女性が亀岡麗子である。
「粟生」は長岡京市の一部だが、亀岡は「市」である。ここにきて最もスケールの大きい京都ネームのキャラが登場であり、大ゴマで描かれた亀岡は今後の活躍が期待できる新キャラと言える。
今回、ひょっとすると、と思うのが亀岡は九条と対決するのではないかということである。
そもそもどういう立場で九条が雫の話を聞いているのか、というのは定かではないが、悪人である粟生の弁護をしていく中で雫にたどり着いた、ということはあり得なくは無さそうだ。
修斗はボーイズバーの店員を務める
雫の親友のムーちゃんはぼったくりをしていたが、結局イケメン修斗もぼったくる気満々のようだ。
ぼったくりに関ては、雫もぼったくりの客引きをしているムーちゃんの家に居候になって、食べ物をおごってもらったりしていると考えると、雫に悪気はなかったとしても何となく因果な関係と感じる部分もある。
今の段階で25,000円の会計がぼったくりと言えるのかは微妙なラインだが、私の知る限りこういったボーイズバーとかサパークラブで激しく飲酒をすればそのくらいの料金となることはぼったくりでなくてもあり得る。
今の段階で25,000円というのは即時雫を破産に追い込むような金額でもないと思える。
が、修斗はおそらく自分の身の丈に合わない会計をしてしまう雫、もっというと完全に自分に惚れてしまっている雫を見て、過去の経験から破産ラインに乗った、と確信しているようである。
個人的には修斗はもう少し間接的に人を不幸にしていくキャラなのかとも思っていたが、しっかり自分でぼったくった上で、おそらくは粟生のいかがわしいAVだか何だかの仕事に斡旋し、その後10%のマージンをバックしてもらうつもりのようで、とんだ悪党である。
性産業各種の売上や利益(=コスト構造)というものはよくわからないが、最大の商品である女性が手に入るのであれば、総じて原価の低い業種なのではないか。と考えている。
一般的に紹介者がその後右から左へ10%のマージンを取るというのはもらいすぎのような気がするが、修斗のようなイケメンで、女性の人心掌握に長けた、若い男性ならではの特徴を最大限に活かし、かつ悪事に躊躇なく加担する人材は粟生にとっても貴重なのかもしれない。
何より最大のネックである商品を見つけてくるのは修斗なのだから、10%というマージンは妥当なのかもしれないとも思う。
いっぽうで、いずれかはアウトローにつながっていくこの仕事で紹介料として10%をもらい続けて修斗は生きていくつもりなんだろうか。だとしたら甘すぎるというか、もちろん修斗なくしてビジネスは成り立たないかもしれないが、グレーゾーンの話になったらアウトローが力に訴えマージンを変更してきたりすることは容易に起こりそうである。
恐らくは雫に刺殺される修斗であるが、それ以前にもいろいろと不安である。
九条の大罪 第31審以降の展開は
だいたいキャラクターは出そろったように感じる。
過去の記事でも書いたが、一般的にはハッピーエンドにはなりえない結論は見えているものの、ここ数話の雫よりも、29話の雫の方がいささか前向きというか目的意識があるように思える。
雫は苦しみながらも自分の中の抑圧された何か、生きてるだけで精一杯と語る現状と戦い、生きる意味を見つけていくようなストーリーなのかもしれない。
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