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九条の大罪 第36審 あらすじ ネタバレ注意
キングサイズのベッドを取り囲む男たち。
中国人のようだ。床にはバイブが転がっている。
中国人は複数でやるのが好きな文化なんだって、という修斗は男たちの去ったその部屋で雫と話す。
稼ぎも凄いようでざっと見ても10万円以上は確実、30万円以上だろうか。
半分を紹介手数料としてもらっていく修斗。
気分を上げたいという雫に、「ヤーバーとスノウ」を持ってきたという。粉や錠剤で薬物のようだ。
事後と思われる二人。キメセク最高でしょ。という修斗。
幸せを感じる雫だが、次の客が1時間後来るまで一緒に待っているということらしい。
恐らくは客と修斗がいなくなった部屋で、一人、夜景綺麗だね。と言う雫。
場面変わって繁華街。雑居ビルの前だか間だかに座る雫に修斗からの電話だ。
富裕層の客はすぐに雫に飽きたらしく、単価の低い客を数こなせばいいという修斗。
すでに雫は明らかにおかしなファッションで両腕両足にはタトゥーが入り、リストカットの後も見える。
メイクもおかしく、目や口の周りをホラー映画のキャラクターのように塗っている。
中だしありという過酷な条件で客を充てられ、これからは客は適当に自分で探してね。と言われている。客あたり1万円と単価も低い。
立ち上がり修斗君の為なら何でもする。という雫だが、よだれを垂らしながら目の焦点は定まっていない。
場面変わって壬生が九条を呼び出している。ドーベルマンのブラックサンダーを連れている九条。
菅原が介護施設に改装しようとした廃墟だ。
他の場所での食事に誘う壬生だが、ここでいいという九条を受け、「ごん兵衛」に紅生姜と生卵をいれて食べる。
夕方はアスファルトの冷えてくる時間だという壬生。
夏のアスファルトは犬にとっては根性焼きだという。愛犬おもちのはなしだ。
足腰が弱くなったおもちをカートに乗せて散歩した時のことを語る壬生。
おもちは壬生の心の支えだったが、結局京極の命令で殺したこと、あの時京極を殺して自分も死ねばよかったという壬生。
だが今じゃない、やらなきゃいけないことがある。
という壬生。
つづく
九条の大罪 第36審 感想
消費の産物編ではじめて壬生が出てきた。あとは雫があっという間にぶっ壊れてしまった回でもある。
雫ぶっ壊れる。
雫がようやく現在というか、消費の産物① の姿になった。
外観的な部分ではそうなのだが、まず目つきは完全にいっちゃっている。そして内面的な部分ではいまだに修斗に依存している言動がみられる。
もちろん今回出てきた「ヤーバーとスノウ」によりぶっ壊れているという部分はあるだろう。調べたらヤーバーは錠剤の覚せい剤で、スノウはコカインの隠語らしい。
そんなものを雫に使うことは当然倫理的にも良くないと思うが修斗は倫理観よりお金が大事なのか、全然雫を大事に扱っていない感じである。
多分雫は大事に扱われないこと自体に寂しさを感じているものの、ここまでの見方だと自己肯定感が満たされていることの方が大事であり、お金を通じて修斗とつながっているうちは何らかの肯定、要は誰かの、修斗の役に立っているということを感じられているのではないか。
だから頑張る、と言っている。
一方、修斗からすると別にこういった流れは当たり前のことなのだろうか、それとも彼の言うように富裕層が飽きやすい事が関係しているのか、雫をお金として見たとしてもあまりに雑な対応に見える。
遅かれ早かれ女性側の精神の限界が来たり、他の理由でも一人の女性をずっと頼っていくのが余り得策でないのかもしれないし、当然雫以外にも似たような女の子を抱えていてもおかしくないように思える。
ともかく、雫の価値は1時間1万円まで下がってしまい、修斗の取り分は半分とすると、もう自分が積極的に客を探して仲介料をもらうということも割に合わないと感じたのだろうか、ついに客を勝手に撮ってきてと言ってしまっている。
こうなると、修斗にとっての雫の価値もなくなり、様子のおかしな見た目からはおおよそ客から見た雫の価値もない、ということが分かってしまいそうな段階である。
壬生とおもち、京極への復讐は。
壬生のおもちに関する思い出はとても良い。
あらすじのところでは細かい描写を書いていないが、本当におもちに対する愛や感謝、支えあって生きてきたんだなあ、というところが伝わってくる。
なんでここで壬生が出てくるのかなと思ったが、この支えあいというのが、修斗と雫の関係とあまりに対照的で本当に美しいというか清々しく感じるのである。
いうなればメチャクチャ渋い飲み物を飲んだ後にチョコレートが甘く、おいしく感じるような現象である。
壬生はペットであるおもちをどうすることも出来たのだろうが、行動の一つ一つや表情の一つ一つを愛し、感謝していた。
修斗も雫をどうにでもできただろう。別にAVでなくても、売春でなくても少しだけタイムフレームを変えれば同じような稼ぎ方をさせることは出来たのだろうと思うが、修斗は全然雫を愛していないし感謝もしていない。
この二人についても、壬生はおもちを殺し、修斗は多分最後は雫に殺されると思うとこれももう一つ対比的だなと思う。
さて、壬生に話を戻すと京極に対して当然恨みは持っているようである。ウシジマくんではウシジマと戌亥が路上で駄菓子を食べるシーンが印象的で、微妙な立場にある二人が本音で話せる機会として描かれていたのかと思ったが、九条がゆっくり話せる場は屋上や廃墟でのキャンプ飯的なものなのかもしれない。
今回本音を吐露したのは壬生だが、しなくちゃいけないことが何なのかはよくわからない。
これについては「消費の産物」シリーズでは明らかにならないかもしれないが、気になる部分だ。
第37審以降の展開は?
もう雫については、ほとんど来るところまで来てしまったような気がする。消費の産物シリーズもあと数話で終わりかもしれないと思う。
特に解説はなく雫は全身にタトゥーをしていたが、意味深なタトゥーなのでどういう経緯なのかは個人的には大変気になっている。
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