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九条の大罪 第37審 あらすじ ネタバレ注意
修斗宛のラインの通話キャンセルが続く。ラインはつながっていないようだが一方的に音声通話を試みた後だ。
汚い部屋には薬局から処方された錠剤が置かれている。
修斗はいつものバーでラインを見る。
雫は売掛金がが300万あるらしく、今月全額回収して円を切ることを考えている。
汚い部屋はムーちゃんの部屋だ。
電話に出ない修斗に憤怒し絶叫している。雫をぞんざいに扱うことを怒っているようである。
もういいよ、大丈夫だからとなだめる雫に、いったん怒りが収まったのか仕事に行く、と出かけるムーちゃん。
ムーちゃんがいなくなると不安になる雫はコンビニで買ったお菓子やうどんなどを食べ過ぎてしまうこと、太ったら修斗に嫌われることを不安に思い食べたものを吐き出している。
孤独を感じ、死にたくなる雫。
家に帰ってきたムーちゃんが伸ばした雫の手をつかみ、一緒に寝ようと声をかける。
外に出かける雫だが視線が気になり怖さと、自己否定が始まる。志向も支離滅裂だが修斗に会うためにお金が欲しいらしい。
粟生に業界に戻りたいとなぜか靴を脱いで路上で土下座し懇願する雫だったが、どれだけ迷惑かけたかわかる?接ぎ木鱈警察呼ぶっていっただろ、とあっさりと断られる。
粟生の去り際に話くらいいいじゃないですか、となだめ、雫の前に九条が座り何かあれば連絡してくださいと丁寧なやさしい口調で語りかける。
雫は座り込み、売春を試みるが豹変した見た目を恐れ、客がつかまらない。
視線の先には修斗と手をつなぎ歩くムーちゃん。そして場所は新宿のバッティングセンターのようだ。
売掛を用意できたのと、街で修斗が他の女とホテルに行くのを見て冷めたので金を取りに来て、というラインを受けた修斗だが、次のコマではめった刺しになっている。
「また食べ過ぎたよ修斗くん。でももう嫌われる心配ないね」と死んだ修斗に語り掛ける雫。
場面が消費の産物① の面会シーンに戻り、修斗を殺して自分も死ぬはずだったがおなかが空いて死ねなかった、と九条に告げる雫。
つづく
九条の大罪 第37審 感想
ようやく、というのかあっという間に、なのか、修斗があっけなく刺し殺された。今回は雫の周りについてのことのみが描かれた。
修斗の刺殺の動機について
消費の産物① では商品としての価値しかなかったから自分を取り戻すために殺した、と言っていたが、そこに至る決め手部分が今回だったのかなと思う。
雫の自己肯定感はAVという働き場を失うことと、伴って修斗からの声掛けの雑さなどによって急速に縮んでいくことになったように思えるが、今回でいうとムーちゃんと手をつなぐ修斗をみたショックのようにも思える。
その理由ももちろんゼロではないと思うが、どちらかというと最後の拠り所であり、おそらくはそういった理由で同じタトゥーを入れたり、一緒にリストカットをしていたであろうムーちゃんと、一緒に住んでいたその家は、雫が自分にとっての最後の居場所だと考えていたと思われる。(タトゥーについては気になっていたが、特に具体的な理由は書いていないとなると、ムーちゃんに強く
床に置いてある処方された錠剤は抗うつ剤のようだ。もしかしたらムーちゃんが病院に連れて行ったのかもしれない。
そんなムーちゃんが自分の前では修斗に怒りながらも裏では修斗と仲良くしている様子をみて、自分の居場所、落ち着ける、場所がいよいよなくなってしまった、ということが刺殺の動機・原因のように思える。
僕は最初にこの話を読みながら感じていたのは修斗が死んだ時点では既にムーちゃんは死んでいるのではないかと思っていたが、全然違うようだ。
普通に考えて自分の親友や他人の家を自分個人の問題で血まみれの殺人現場にする、というのはいろんな意味でおかしいと思う。
でもあえてそうしてしまったのは雫が精神的に不安定であったことをベースとし、その場所が親友の家=大事な場所でなくなったため、と考えるのが自然なのかなと思っており、それもムーちゃん本人への怒りや恨みではなく、自分の居場所がなくなったことによりすべてを壊したくなった、というような理由なんじゃないかと思っている。
第38審以降の展開は?
殺人は当然よくないことであるが、このような経緯になってしまった雫に対し同情の余地はある気がする。
そして今回九条の雫に対する仕事は殺人の減刑なのか、何なのかはよくわからないが、手を差し伸べた九条を雫自身が読んだことで現在、というかこの面会シーンに至っているようだ。
九条は法の場に善悪のような主観は持ち込まないとしており、今回もそうなのだろう。
先ほど同情できる、と個人的に思ったがなぜこのような不幸が雫の周りに発生したのか、原因は何なのだろうと考えると「いろいろ」である。
1、少女期のトラウマ 2、家庭環境 (笠置衣子・外畠) 3、友人関係 4、修斗 5、亀岡麗子によるメディア騒動 ・・・・
ほかにも挙げればいくらかありそうだが、要はパッと思いつく限りAVメーカーやAV産業は雫に対して特に直接的に害を与えていないように思える。
亀岡麗子の問題提起は独善的で都合のいいところのみを切り取っている。
結果、喜んでいる、お金を手にしているのは結局外畠であり、亀岡麗子である。
そして、経済的損失を被っているのはAVメーカー?トゥールビヨン関連と、雫である。
亀岡麗子は本気で九条をディスっているように見えるし、自分が正しい、善いことをしていると信じ切っているが結果から見るとやっていることはメチャクチャである。
こういった状況に何の救いもなく話が終わるとは思えず、九条がどのような立場で関わるのかが気になる。
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