九条の大罪 第38審 消費の産物⑪ 感想

真鍋昌平 ビッグコミック 九条の大罪 漫画

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これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 有馬 (ありま) 弁護士
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 植田 篤彦 自殺をしたおじさん 口が悪かったらしい
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 佐恵子 家守華恵の義理の妹
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男
  • 市田 智子 毎朝新聞社会部 烏丸の知り合い
  • 京極 清志(せいし) 伏見組の若頭
  • 佐久間 謙一(さくま けんいち) 京極を襲撃した輩
  • 笠置 雫(かさぎ しずく) 男性を殺害した若い女性、キャラクターのタトゥー
  • 中谷 修斗(なかや しゅうと) イケメン。マッチングアプリで雫と出会う
  • ムーちゃん 39歳。ぼったくりバーの客引き。
  • 外畠(とのはた)雫の母衣子の内縁の夫
  • 粟生(あお)怪しい男。修斗とつながっている。
  • 亀岡 麗子(かめおか れいこ) 人権派弁護士
  • 田城(たしろ)雫のメイク担当
  • 小山(こやま) トゥールビヨン企画の代表取締役
  • 白石 桃花(しらいし ももか)AV出演強要を訴えるモデル
  • 寿樹弥(じゅきや) No1ホスト
  • 笠置衣子(かさぎ きぬこ)雫の母親

九条の大罪 第38審 あらすじ ネタバレ注意

面会室で雫と向き合う九条。

雫には軽度の障害があり、中谷修斗に支配されていたゆえに心神衰弱が認められれば執行猶予付き判決もあり得ると雫に伝える。

雫は死刑でも構わない、地獄で修斗に謝りたいと告げる。

少し考えたような表情の九条は震える雫の脚をみて、その言葉が本心ではないと悟ったのか、雫に大学ノートを渡し、思い悩むことがあったら書き留めてください、明日も接見に来る、という。

場面変わって九条の事務所。ブラックサンダーと一緒の烏丸。

執行猶予になるならば、それは奇跡だという。

九条も短期の実刑が想定される事案だ、と落としどころを告げる。

なぜか事務所には薬師前も一緒だ。

雫を心配する薬師前に

人殺して大丈夫ではないのでは、魚を捌くのとはわけが違う、と言い放つ九条に聞こえるように薬師前は舌打ちをする。

ところが、雫のところに毎日顔を出して話を聞く、雫が独りで思い悩むには荷が重すぎる、という九条に驚いた表情を見せる薬師前。

デリヘルのドライバーをする外畠。神社で後輩らしい男とタバコを吸っている。雫の慰謝料を万馬券や仮想通貨、FXで溶かしたようだ。

外畠のあふれ出る性欲は満たされず、本来は高級ソープに行くはずだったが、いけなくなったようだ。

後輩が雫の殺人について心配しているが、外畠は身内に人殺しが出たら俺も犯罪者と責められることを心配しているのか、となぜかキレている。外畠は自分のことしか考えていないようだ。

後輩は雫に弁護士をつけたり大変じゃないですか、と説明を加えるが、外畠は亀岡というエロい弁護士が高額の弁護士費用を要求してくるので、殺人なんてどーにもできないだろ、と何もしなかったことを告げる。

雫が自分で弁護士を付けたことを知り、金があるなら脅し取ればよかった、AVに出てから雫とやりたかった、という外畠の発言に気持ち悪っ、とドン引きする後輩。

後輩の紹介でデリヘルの運転手をしているらしい外畠に、オーナーから連絡なかった?という後輩。

外畠は、日数増やしてくれるのかな?と楽観的に考えている。

それに対し、意味深な表情で「さぁ…」と答える後輩。

場面変わって亀岡と九条が路上で会っている。

なんで貴方なの?と聞く亀岡の文脈が全く読めない、という九条に対し、

笠置雫がなぜ私ではなく九条に依頼したのか、疑問に感じる亀岡。

つづく

九条の大罪 第38審 感想

話は長く続いているが、ここからが本番のように感じる。

雫を通じて九条を観察する亀岡と薬師前

消費の産物① でなぜ九条と雫が向き合っていたのかはよくわからなかったが、消費の産物⑩で九条と会った雫が弁護を頼んだようだ。

雫の心はよくわからないし、そもそも割とラリっている状態で逮捕されたと思っているが、それでも雫は本当に死にたいわけではないということを九条も観察して分かっている。

亀岡は自分はいいことをしているに違いないと思っており、あたまはお花畑な感じがするが、今回の話を見る限り、リアルに分かってない感じがする。

つまり、それは九条が言ったように幸せの定義は人次第であり、人が決めつけるものではない、という価値観である。鉄の女のような亀岡は口調や態度には示さないものの、思い通りでは無い違和感を感じている。

もう一人、今回九条について評価を迷った人間は薬師前である。

薬師前は登場から常に一定の嫌悪感を持って九条に接していたが、今回シンプルに意外な表情を見せている。それは九条が雫には荷が重い、という言葉を発したときであり、直前の殺人と魚を捌くことを同列に語る人間が吐く言葉とは思えなかったという意外性からの反応と思われる。

薬師前でいうと、多分自分が思っていた言葉を九条が発したから、「あれ、この人の言っていることは私と同じじゃない、なんでだろう」というような素朴な疑問、意外性から見せた表情だと思う。

亀岡も薬師前も九条に対する態度は、信用できないとか、嫌いだ、とかいけ好かない、というものであったに違いないが、薬師前が態度を変化させたようにもしかしたら亀岡も九条についての考え方を買えるのかもしれない。

だが、それはたまたま主語が変わって同じ言葉になったから、という話で二人が善悪で物事を判断していることを変えるわけではなさそうにも思える。

圧倒的なクズ、外畠

外畠はクズっぷりをさらに加速させている。

案の定、慰謝料はあぶく銭として溶かしてしまい、なおも雫に金をもらおうと思っている。

ただ今回後輩のような男は結構意味深な態度を取っている。

デリヘルのオーナー、というのがどういう人なのか分からないが、かなり気合の入った人である可能性もあると思っており、外畠は悠長に出勤を増やしてもらえるのか、などと思っているが、どうももっと悪い未来が待ちかまえていそうである。

恨みを持っている後輩がただ単に怖い人に外畠を始末させたいのかもしれない。というのも別に外畠をどうこうしてもほとんど金銭的なメリットは無さそうだからだ。

第39審以降の展開は?

あと1話で終わってもおかしくないし、もっと長い話になってもおかしくない、と思える。

善悪を勝手に判断しちゃだめだよね、という九条に反するかもしれないが、悪人には思えない雫の未来が少しでも明るいものであってほしいな、と思う次第です。

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