九条の大罪　第41審　事件の真相①　感想

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九条の大罪　第41審　あらすじ　ネタバレ注意

河川敷に放置された死体。布がかかっている。

死んでから時間が経過しているのか、アリがたかっているようだ。

スーツの男がベッドに乗せられた遺体の手に自分の両手を重ね、嗚咽と同時に涙を流している。

食堂だかラーメン屋だかで深見と又林が話している。深見は過去嵐山に帯同していた刑事で、多分又林もあまり印象にないがそうだったと思う。

ちょうど10年か、という又林に対し、ピンと来ていない感じの深見だが、10年というのは嵐山刑事の娘がなくなってからの事のようだ。スーツの男は嵐山刑事だったとわかる。

警察官の親族が殺害された事件は知っていたが嵐山の娘とは知らなかった深見は、驚いてむせる。

嵐山は離婚していて、娘は別姓になっていたらしく、事件そのものは知っていても深見は嵐山との関連が分からなかったようだ。

杜撰な犯行の為、事件の犯人はすぐに見つかったそうだ。

地元の不良仲間と帰宅中の嵐山信子（嵐山の娘）を襲い、意識を失ったところを強姦し、意識を取り戻し声を出したので殺害した、という事件だったようだ。

実行犯の犬飼勇人は少年刑務所で懲役10年以上、15年以下の服役中、子の犬飼は壬生の地元の後輩らしい。

（たぶん深見が）壬生を嵐山が追い回す理由はここにあるかもしれないと言っている。

嵐山の恨みはそれに加え、少年法を盾にした減刑や犯罪者を減刑する弁護士、九条にも及んでいるようだ。

嵐山についてさらに又林と深見は話す。

嵐山は被害者学の観点からも考察する刑事で、被害者の性格、生活環境から犯罪にどう巻き込まれたのかを探すらしい。

嵐山が繰り返し言っていたことは「人の本性」についてで、公衆の顔や家族の顔、そして本当の顔があり、本当の顔は本人と罪を共有している人間しか知らない、と言い切っている。

嵐山は娘と疎遠になり、まじめな娘と思っていたようだが、事件を知る中で娘の本当の顔を知ることになったようだ。

壬生のガレージの前にも花束が置かれているようで、久我らしき男が「また今年も花束が置いてあった」という。

それを聞き、逆恨みだ、気にすんな、と言い放つ壬生。

つづく

九条の大罪　第41審　感想

新章突入だが、今回は少なく見積もっても嵐山、壬生、九条の過去に触れられそうなストーリーであり、非常に興味深い。とりあえずまずは新キャラ達を紹介しようと思う。

嵐山の娘、嵐山信子登場。不良の友達とは

今回で90%くらい確定しているのが、嵐山信子は結構ヤンチャというか、少なくとも嵐山の思っていたようなまじめな娘ではないということだ。

まず、不良仲間と言っている時点で不良やら半グレとかかわりがありそうだ。そして、嵐山が人の「本当の顔」について「本人と罪を共有した人しかわからない」と言っていることから、要は嵐山信子は何らか罪を犯していて、一緒にいた不良なのか誰かがその共犯なのか、罪を共有している、ということのようだ。

そもそも嵐山信子は、殺されるほどのことをしてしまっているのかも知れない。

いずれにせよ嵐山刑事は娘の死と、娘に対する理解不足や落胆など、2度の悲しみを経て今に至っていると想像される。

壬生の地元の後輩、犬飼勇人 （服役中）登場

犬飼勇人は主犯として服役している。1コマしか映っていないので壬生のたくさんの手駒の一つでしかないのかもしれないが、印象としてはウシジマくんの滑川組長のような背格好、髪型で、表情にも気合がみなぎっているように見える。

また、どうでもいいキャラなのであればそもそもフルネームでの登場をしていないのでは、と思っており、そうなると壬生の地元の後輩でありながらキーマンとなるキャラなのかもしれない。

とする、ライングループのおもちが少し気になる。現在「おもち」メンバーは壬生含め5人だから壬生、久我を除くとあと3人となる。さすがに10代から服役中の犬飼がメンバーではないかもしれないが、ちょっと気になるキャラクターではある。

普通に考えれば主犯の為、殺人やら強姦をしていたり、それらを指示している立場なのが犬飼なのだろうけれども、だとするとあまりにその後のストーリー展開に欠ける感じがする。

ただの後輩が周りを率いて犯罪をしました、というのであれば嵐山の怒り、執着が壬生に向くということもあまりにも不自然に思える。

だから、もう少し大きな、組織的な因果関係に伴う事件なのではないかと個人的には思っている。

もうひとつ、犬飼というのは京都府「亀岡市曽我部町犬飼」というところであるようだ。

つまり、亀岡、曽我部、犬飼というこれまでの登場キャラが含まれており、これを見ると曽我部より格下のように見えてしまうが、京都の地名が含まれていることで、ストーリーの中心にかかわってくるような人物なのではと想像してしまうのである。

深見、又林も京都の地名

京都府南丹市美山町深見、美山町又林、という地名がある。

同じ町から取ってくるので意識的につけた名前だと思われる。

ちなみにあまり重要そうでない彼らが京都の地名を冠していることから、実はすべてのキャラが京都の地名由来では？と調べなおしてみたところ、少なくとも「金本」という地名はなさそうだったので、すべてのキャラに平等に京都の地名が付いているわけではなさそうだ。

壬生の年齢は20代～30代前半？っぽい

まず犬飼が壬生の後輩、ということは壬生の年齢は犬飼+1以上とみていいだろう。

で、逮捕時の犬飼は18歳未満ということは、最年長でも17歳となる。

結構ハードな事件なので犬飼が仮に15~17歳、高校生くらいのときに捕まっているのではないか。

仮に犬飼が15~17歳で捕まっているとする。そうすると今は犬飼は25歳~27歳となる。

そうすると壬生の年齢は最低でも26歳、上は分からないが30歳前後が本命ということになりそうだ。

個人的には犬飼は17歳くらいで捕まって、壬生とはそこまで大きく年齢が離れていないのでは、と考えていて壬生は28歳~30歳くらいなんじゃないかと思っている。

これも犬飼の面構えが気合入っている、ということからくる推測になるが、それなりに大きな事件での逮捕である。単にトカゲの尻尾切り的に人を刑務所にあてがったわけではなく、10年、15年経っても壬生との信頼が切れないような親密度の高い仲間だったのではないか、と現時点では思っている。

そして、実際に嵐山は壬生を嫌疑の目で見ているが、今も金本を殺した壬生を逮捕できていない。

ただ衝動的に嵐山信子を殺したのではなく、犬飼の逮捕含めて計画的で周到な用意がなされており、そのあたりを含めて、嵐山は状況証拠や直感的に壬生が噛んでいる確信はあるものの、手をこまねいている、という状況なのではないだろうか。

とにかく言いたかったこととしては犬飼の面構えが気合が入っているということである。

第42審以降の展開は？

かなり自分の思っていることをベースに感想にしてしまったが、これらがいくつか、少なくとも犬飼がただの変態ではなく肝の据わった猛者である、という点が当たっているならば、壬生が腹心の犬飼を服役させてまで成し遂げたかったこと、あるいは周囲が壬生に成し遂げて欲しかったことがあると考えるのが素直に思える。

それはなにかというと、伏見組の若頭、京極への復讐であり、おもちの弔いなのではないかと思っている。

つまり、この犯罪は壬生が京極に捉えられた後の描写であり、嵐山信子殺害の因果関係をたどっていくと、そもそも京極がいなければこういった展開にはなっていなかったのではないか、と思っている。