コミックス好評発売中です。
九条の大罪 第45審 あらすじ ネタバレ注意
京極が電話で九条に小山社長の空き部屋を使ってください、と丁寧に伝える。
表向きは屋上暮らしを心配しているようだ。
小山に断りを入れたうえで京極にも断る九条。
京極はトゥールビヨンの顧問にならないか、と九条に勧めるが、これもまた断られる。
電話を切った京極は、今決めなくてもいいさ、と余裕があるが、飴が気に入らないなら鞭で叩くまでだ。と怖いことを言っている。
部長の炭山に呼ばれ、報告書の誤字を指摘される嵐山だが、心中は穏やかではない。
現場をおろそかにして昇進試験の勉強をしているであろう部長、と心の中で考えているようで、気に食わないようだ。
嵐山に笠原美穂が面会に来る。
金は払えないという嵐山だが、笠原は話を始める。
よく考えれば嵐山愛美だけが悩みを聞いてくれた、と。今振り返れば、当時の人間関係の中で愛美であればいま友達でいられたのかもしれない、と告白する。
こやシャンについて思い出したという笠原は、こやシャンが女衒(ぜげん =女を遊女屋に売る職業)のようなことをしていて、売れないグラビア場や地下アイドルを金持ちに斡旋して紹介料を稼いでいた、という。
そして愛美と付き合っていた。と。
こやシャンは現在「こやしゃん」というアカウントでInstagramをやっているようで、トゥールビヨンの小山義昭である、ということを嵐山に伝える。
笠原が帰った後、先ほどの部長、炭山に10年前の事件をまだ追っていることを指摘される嵐山。
何も解決していない、自分のやっていることを間違いと疑われたら体は張れない、俺たちは正義に命をかけている、という嵐山。
いっぽうただのオッサン風の炭山部長は嵐山の抵抗にひるまず正義とは組織が決めるもので文句があるなら星の数を増やせ(偉くなれ)、警察は上に逆らうという考えはない、表では本音を押し殺せと言い返す。
壬生の車屋では、無事久我がパイ(釈放)になっている。嵐山のしつこさに耐えながらもカンモクをしたようだ。
犬飼がそろそろ出所ですかね、という久我。
今度は刑務所で流木が犬飼と面談している。
バカなことをして時間を無駄にした、という犬飼だが反省は被害者に対する反省ではなく、至らなかった自分に対して出、300万円でいいように使われたこと、そして3億円を用意できなければ壬生を殺すと言っている。
つづく。
九条の大罪 第45審 感想
血なまぐさいシーンこそないものの、かなり話が動いた。
犬飼は壬生の忠実な部下なのかと思っていたが、そうではなく壬生に強い殺意を抱いているようだ。
小山にたどり着く嵐山。
今の太った小山がこやシャンであると気づくのには時間がかかりそうであるが、あっさりと笠原がこやシャン=トゥールビヨンの小山である点を伝えた。
嵐山の目線からすると、今のところ小山と嵐山愛美が付き合っていたことと、小山が女衒のような仕事をしていた、ということが明らかになっており、併せて小山と愛美の間に子供ができたであろうことなども目途が立っている所と思う。
現時点で嵐山愛美は犬飼に殺されたことになっており、それはそうなのかもしれないが、どう見ても犬飼本人の意思というより周りの意思により犬飼がいろんな不都合をかぶったように見える。
そのあたりは嵐山は十分に察しているようだが、善悪を二分で考える嵐山の脳内には小山や京極、壬生ら悪い人サイドのひとたちによる娘の殺害というのがある程度ストーリー立てられていて、それを前提に今後も調べが進んでいくと思われる。
個人的には嵐山は仕事が出来そうな人間なのかと思ったが、少なくとも前回や今回を見る限り、愛美の事件を追いかけることに心を奪われ、仕事が手についていない様子である。
恐らく、仕事中もiPhoneのロック解除を試みたり、睡眠時間を削って娘の事件を個別に調べたりしているはずなので、ミスも多くなるだろうとは思うが、プロ意識がないというか自分の仕事の範囲ですらミスをして、かつそれに反省もあまりない様子というのは私個人としては少々意外であった。
当初強キャラと想定していた嵐山であるが、普通のおっさんっぽい炭山部長に完全に論破されている所を見ると、娘に関する執念が突出して優れているものの、それ以外においてはスーパーマンな感じはせず、むしろ心の動きと言い人間らしいというか普通の人という印象を受ける。
炭山の言っていることは極めて全うである。見た目以上に気合の入ったおっさんなのかもしれない。
ただ、どちらかというと炭山のまともさというよりもちろん炭山の言うように心情的には理解すべきで共感すべきかもしれないが、嵐山の事件に対する異常なまでの執着・こだわりが一層クローズアップように感じる。
犬飼は壬生に殺意を持つ。事件の真相とは。
事件の真相が近づいてきているように思える。
犬飼は300万円かを肩代わりしたのか、ということと思うが、当初犬飼が思っていたよりその300万円というのは凄く少ない金額だったようだ。
これは、10年の刑期というものを想像していなかったのか、300万円というものの価値が若さゆえ分かっていなかったということなのか、いずれにせよ、3億円という金で解決し得る殺意、ということを考えると、お金に対して見返りや犠牲が合わない、ということと考えられる。
個人的には犬飼は「300万円にふさわしい程度のリスクしか背負っていないと思い犯罪を肩代わりしたが、実際は想像を上回る懲役10年となり、かつその原因は壬生である」と考えているように思える。
この段階では犬飼の口から「小山」や「京極」と言った名前は出ておらず、犬飼は事件の全貌は分からないまでも自分は何か大きなことに巻き込まれた、ということを裁判で知ったのか、あるいはその後の流木とのコミュニケーションで知ったのか。
流木は山城と対立していて、金銭より情や道理というものを重んじるタイプの弁護士に見える。
だから流木が犬飼を弁護したのか、あるいは今こうやって面会をしているのは犬飼に何らか気の毒な事情があったのではないかと想像している。
第46審以降の展開は?
とりあえずもうすぐ犬飼が出所する。そして、壬生や久我はそれについて把握しており、ある程度警戒をしているようだ。
犬飼はおもちメンバーで壬生の重要な仲間で、刑務所で10年間耐えていたのかと思っていたが、どうもそうじゃない可能性の方が高そうに思える。
反論すら許されないような状況を作られ、刑務所にぶち込まれた犬飼を想像するが、どういった形で壬生が犬飼をハメた、あるいはハメられたと犬飼が感じているのかが気になる。
コメント