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九条の大罪 第57審 あらすじ ネタバレ注意
坊主の男、小松経由で菅原に仕事を頼まれる犬飼。金髪が伸びている。
車の運転をするだけで3万円稼げるようだ。
ロシア製のコードグラバーという機器を使って車のスマートキーのデータをコピーし、盗んだ車を栃木まで運転する。
車屋に引き渡し後は歩いて39分かけて新幹線で帰る。
リスクが高いのに3万円の報酬と釣り合わないと感じる犬飼は菅原に対し不満だ。
バレなきゃいい、と車屋の強盗を小松に打診する。
仮面をし、スタンガンでの凶行に成功したらしく、600万円くらいの束を手にしている。
もう一人の太めの坊主も加わり縮小ムードの犬飼は隣町のゴミとして道具を捨てるよう指示し、ゲームをすることを打診する。
信頼ゲームといい、開いた指の間にナイフを刺す、それを相手に対して行う、というのだ。
物騒な提案を断る小松だったが手を刺され、指2本を切り落とされる。
信頼ゲームはここからで、小松のチンコロ(密告)が原因で犬飼が捕まったようだ。
病院でなんて言うのか、問いかける犬飼。小松は自分で指詰めごっこをした、と言う。と答える。それを聞き「いいね」と許す犬飼。
人のいないクラブのホールで菅原が車屋がタタキにあったことを犬飼らに尋ねている。2人とも全く知らないと答える。
なら、飲みに連れていく、女を集めるという菅原。
金持ちになったっぽい感じの数馬が大きなサイズのベッドで千歌とくつろいでいる。
レジデンスへの引っ越しを打診する数馬に、最高、という千歌。数馬の鮨への誘いに喜ぶが、今度は千歌に菅原から女を集めろ、千歌も来いとLINEが来て、鮨を諦める。
場面変わって壬生のガレージ。
久しぶりです。壬生くん。と言う犬飼。
彼の手の中には殺傷能力の高そうなタクティカルペンが握られている。
九条の大罪 第57審 感想
九条の大罪読者の多くはウシジマくんを読んでいると思うが、当然のごとく「タタキ」や「タクティカルペン」が登場している。
「タクティカルペン」は護身用のペンのようだが、少なくともそういうものを持つ友人を私は知らないし使っているのも見たことはない。今回犬飼は護身用のペンで攻撃する気満々のように見える。
「タタキ」は確かウシジマくんでは飯匙倩の部下、井守・家守を中心にナイトクラブの店長だかオーナーだかに行われた際に初めて出てきた言葉だったと思う。
「タタキ」と言う言葉自体、一般の人は知らないし知る必要もない言葉だと思うが、それだけに
「なんか、知ってるとテンションが上がる」
ワードである。
少なくとも個人的にはテンションが上がる。
ウシジマくんであればお金、九条であれば法律という身の回りに有るが多くの人には当たり前すぎて語り掛けて来ない分野を味付けるのに、こういったワードや濃いキャラたちがいい働きをしている。
お金はともかく法律なんかは皆が意識しているものの、普段は料理におけるお皿のようなもので、好きな人でなければきちんと語ることが出来ないものだ。
(こういうとお皿に失礼かもしれないが、食事をする上でのお皿と料理の関係が法律と生き方の関係に近いのかな、と思っている。)
だからといって人々は道が通りづらいときに人を押し退けたり、手の届くところに欲しいものがあっても無言でそれを取っていったりはしない。
法律は、細々とわかる人は少ない無味無臭感の強いものだが、料理におけるお皿のように大事なもので、無いことはもはや日本はじめ多くの国では考えられないものだ。
だけれども法律だけがあってもそれはぜんぜん面白くもないわけで、その皿の上で表現する料理が人であり、その人なりの考え方になる。
で、印象に残る料理は、と言ったときに個人的には主役は味だったり見た目だったりするわけで、更に細分化すると濃厚な味付けにちょっとスパイスの効いたアクセントが…とかになる。そのスパイス的なものが「タタキ」という言葉だったりするわけで、僕たちがちょっと本格的なチーズをかじりながらイタリアを思ったり、痺れる辛さからアジアを想像したりするように、「タタキ」とかそう言うのは情緒すら感じる不良・反社ワードである。
前置きが長くなったが犬飼は恐ろしい不良キャラだ。力と恐怖で小松を従えた。
どういう形で小松が裏切ったのかは分からないが、どうも嵐山の娘●●の殺害現場に居合わせ、かつそれを周りに漏らしてしまったようだ。
犬飼の酷さは別として、犬飼が小松に怒るのは理解できるが、小松に関しては指2本で済んでいる。
壬生は3億円or殺すと言っているので、単純に考えて壬生に対する怒りは小松の何倍とかそう言う話ではなさそうである。
犬飼の想像は恐らく間違えておらず、壬生が犬飼を犠牲にしたに違いないよう思えるが、果たして刑務所にいた犬飼がなぜそう思ったのかはまだ分からない。
壬生が強姦殺人をした犬飼に300万円を払ったと思われるが、果たしてそれだけで壬生だけに怨みが向かう理由にはなっていない。
そう言うこともあってか壬生の警戒を解くように「壬生くん」と親しげに犬飼は話しかけている。
壬生サイドも出所前から犬飼を警戒していた描写はあるので、このガレージでの対峙でも壬生側にも十分な準備がなされているであろう。
まだ分からないのが数馬の使いどころである。
ちょうど仮想通貨などをテーマにした投資のトラブルが先日リアルな世界の芸能界で話題になっていたが、数馬は明らかに怪しい方法でお金を手にしている。
そして、今使えるお金は実際手元に十分にあるようでレジデンスに引っ越すとか言っている。
レジデンスでググって家賃を調べてみると六本木で59万円とかだったので、おおよそ数馬くらいの年齢の人間が住む10倍くらいの値段ではないだろうか。
生涯にかけて稼ぎ続けられるか、などは別として年収は数千万とか、蓄えももしかしたら億単位になっているのかもしれない。
そうすると、当初3億と言っていた犬飼が壬生から取ろうとした金も、もし短期間で数馬が稼げるようになったとするならば手に届くお金と言えるのではないか。
この辺りを考えると、
1️⃣数馬の会社を犬飼に売る
2️⃣売った会社は実はクソである
3️⃣数馬、犬飼再び逮捕
という形が最もあり得そうな着地なのかと思う。
犬飼に金を払い、犬飼がより強力に娑婆に居続けられたら壬生も更なる脅しを受けることになる。
一方これまでに人を暴行していたっぽい描写はあるものの、壬生はトラブルを直接的に暴行で解決していない。
もしかしたらこのガレージでは肉体的、精神的にある程度追い込まれる描写は有るかもしれないが、むしろそれは誘いであり、お金や知能で物事を解決していきそうである。
もう一つ、300万、600万、3億というお金だけは今見えている。
繰り返しになるが300万は犬飼が受け取った金、600万は犬飼が1日のタタキで得た現金、3億は犬飼が壬生に要求しようとしている金額。
300万円欲しさに殺人をした犬飼は自分でも悔いるくらいバカだったが、今ではより低いリスクで2倍の600万円を手にするくらい強く(賢く)なった。
300万以下の犬飼の10年苦労は更に10倍の3億円くらいだ、というような計算なのではないか。
しかしそんな3億円すらもちょっと現れた数馬を使って有るように見せることができる壬生という人間の強さを見せつけるシリーズにもなりそうだ。
逆に、300万円が3億に変わっただけで結局お金と欲に振り回される「愚者」として犬飼が描かれ、さらにお金と欲を毛嫌いしていた数馬にも悲惨な最後が訪れそうで心配だ。
千歌も体を張ることを嫌がっているが、何故か菅原の言うことを聞いているようだ。少し仕事を選べる立場である千歌が言いなりなのは謎である。
九条の大罪 第58審以降の展開は?
狂暴すぎる犬飼が登場し、壬生が一見ピンチであるが、正直全然絶体絶命感がない。
とはいえ、今襲撃する気満々の犬飼を言葉で制止するのか、久我ら味方を通じて物理的に制するのかが見せ場である。
おもちの無念を晴らすためにも壬生もこんなところでころっとやられるわけが無さそうだ。
犬飼は壬生達のもともとの知り合いであり昨日千歌と飲んでいて、秘かに菅原とつながっている。
千歌は数馬と暮らしつつも小山とも関係を続けていると思われ、同時に菅原とも深いつながりがあるようだ。
犬飼は壬生を恨んでおり、千歌と菅原は知っているが、小山と数馬のことは知らない。
でも千歌を経由すれば小山とも数馬ともつながることができる。
こんな具合に登場人物同士が複雑に絡まってきたところであり、いよいよ大詰めも近いのではと感じる。
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