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九条の大罪 第61審 あらすじ ネタバレ注意
誕生日に一年待ちのスペイン料理アオを予約してと言う千歌。一年待ちの予約の店なのでムリだという数馬に今度はハリーの指輪をねだる。手を繋いで仲良さそうだ。
その様子を直接小山が見ている。部屋に男を連れ込んだのを部下を使って見張らせていたらしい。愛人契約を打ち切るという小山。
若いのに乗り換える、と言う。手切れ金も払わないと。
おれなんて金だけだろ。という小山に、千歌はそう思うのは小山自身の問題で奥さまとお子様を大事にしている事を引き合いに、自分も大切に思ってくれていると思った。と言う千歌。
少し間があり「引越し代くらいは出す」という小山に半年分の家賃300万円も要求する千歌。
数馬に引っ越して一緒に住もうと言う千歌。
レジデンスに引っ越すんでしょ、と言う。六畳一間の数馬の家に住んでいるのが知り合いにバレたら死ぬ、という。
そのためには詐欺のお金を取り戻す必要のある数馬は九条に状況確認の電話をする。
23条照会を使って見張らせていた詐欺師の携帯番号から犯人の特定を試みたが別人に当たったようだ。
諦めかける数馬に諦めるのはまだ早い、と言う九条。
私立探偵の片桐士郎を照会される。
片桐は壬生に頼まれて数馬を救おうとしている。ロン毛に髭をはやし、全身にタトゥーが入っている。
あとは片桐と2人で進めてくれ、という九条。智恵光院との出会いのきっかけとなったラウンジ嬢のSNSや似た被害に会った人の集合写真を根気よく探してくれ、と続ける。
程なくしてシャンパンをイッキ飲みする智恵光院を発見する数馬。
片桐は懸賞金をかけてSNSで晒し特定したら壬生に追い込みをかけてもらうと言う。
次のコマでは壬生が智恵光院をあっさりパンツ一丁で正座させている。
しかし、被害額の半額の4000万円を壬生に回収費として要求されていると言う。弁護士費用と借金返済をしたら残り300万だ、と数馬が相談する相手は管原だ。
トントン拍子過ぎることを怪しみ、身内を騙すのが壬生だと言いつつも菅原は犬飼と自分に追い込まれ壬生はもう終わりだと言っている。
九条の大罪 第61審 感想
「スペイン料理アオ」が気になったがたぶんここではないか。もともと烏丸御池(京都)に合ったお店が東京の三越前に移転しているようだ。
スペイン料理というとメチャクチャ高級という印象はないが、実際のお店が結構いいお値段で、数馬が詐欺に遭わなければこういった店の記念日も過ごせそうだが、今の数馬にとっては重たい値段なのではないだろうか。
千歌は予約の付かないお店を選んでほしいだけでなく、お金もかかる女であるようで、当然自分のための努力は金銭面でも惜しまないで欲しそうである。
でもひょっとして、「予約の付かない」が無償の愛であり、「スペイン料理」というところで高級な中でも少しだけ譲歩している気持ちもあるのかな、と指輪のほうを調べてみた。
恥ずかしながら私は「ハリー」と言われても「ハリーポッター」か「張本勲」しかイメージがないがgoogle先生に活躍いただいたところ余裕で100万円前後のクソ高い品のいい指輪が出てきた。
歯磨き粉も大量に使う、など無意味なところからハイコストであり、価値観は人それぞれだがなんというか私の価値観でいうと非常にめんどくさい。
菅原が陰で数馬に言っていたのを地でいくような今回の千歌を見ると、やはり一筋縄ではないと思わされる。
一方、千歌とのパパ活契約を解除した小山であるが、最後の家賃をめぐっての千歌とのやり取りでうまく手玉に取られている。ここでも小山が捨て台詞的に言った「俺なんて金だけだろ」というのは金以外の若さ・容姿などにおいて数馬に劣る、ということを含んでいる。
しかし、若さや容姿といった点には千歌は一切言及せず、「人間的に問題が多いが、それでもいい人である、と思っていた」という趣旨のコメントをして、これに小山が響いている。
小山にとって、お金を武器に千歌を得るということは実際に行っていることであり、お金が一つの決定要素だという点は小山自身もわかっている。だからお金がなければ千歌とのやり取りにおける上下関係や対等さはなくなる、ということが不安にもなっている。
その不安を見透かして、千歌は「お金だけでなく、あなたは内面的にも良い人である」と定義づけることで小山は千歌にとっても無価値な人間でなかった、と心の中でウレションをしお金を払う、という構図である。
この辺の構図はかつて若い女を弄んでいたであろう小山、という存在からすると少し意外に思えたが、もしかすると「若くモテていた時代」があるからこそ、「若さを失った自分」と過去の自分とのギャップに苦しみ、自己肯定感が下がっているのかもしれない。
半年分の家賃が払われたのかはわからないが、とにかく引っ越し代は持ってくれたっぽい。
新キャラ「片桐士郎」が登場した。「片桐町」も伏見桃山駅付近の京都の地名である。見た目は壬生に負けず劣らずのタトゥーまみれ、ロン毛に口ひげという風貌だ。
私立探偵ということだが、46審で九条の知り合いの元刑事の探偵の存在が明らかになり、かつ壬生が興味を示していた。
どうもこれが片桐なのではないかと思うが、だとすると、もともと九条の知り合いで、今は特に壬生と懇意にしているようだ。
とりあえず元刑事ということで暴力団データベースを探れたり、警察の内部的な情報にアクセスできる。SNSで個人に懸賞金をかける、という方法がそもそも違法ではないのか私にはよくわからないが、元刑事が言うのだから完全な違法ではない、もしくは合法ではないが逮捕できないようなやり方なのかもしれない。
「壬生とつながりがある説」を感じた智恵光院はあっさり確保された。肉体的にも筋骨隆々の壬生や周辺のヤンキーたちと異なり、一般人っぽい。
正直あの肉体を見ると私としては「おもちメンバー」の一員っぽさはぐっと減ってしまい、ただのモブである可能性が高まったように感じる。
あっさりとした逮捕は片桐の優秀さを示したように見えるが、片桐登場即逮捕、という唐突さはどうも壬生の仕込み感満載である。
九条の大罪 第62審以降の展開は?
菅原はモラル面はさておき、介護ビジネスを当てたりしている点においては一介の不良、と言う以上に頭が切れる。
輝幸の内部リークについても真っ先に久我を疑う彼の直感、洞察は正しかった。
ではなぜ輝幸のビジネスが頓挫したのかと言うと、部下による入居者への暴力をメディアに取り上げられたことが原因だが、それが露呈した原因として、九条と壬生に出し抜かれ、いわゆる輩的な男が弱者をいたぶっているという社会問題になったからである。
たぶん菅原の洞察は今回も正しく。壬生は何かを企んでいる。
それは菅原にとって、8,000万円を詐欺師に奪われ、そのうち4,000万円を仕組まれた出来レースで奪い取る、という行為を通じてそも「そも壬生は金目当てで数馬に稼ぐ方法を教えたが、それは最終的に壬生が奪うためであるということを告げておらず、数馬は騙されているよ」ということである。
しかし、数馬が騙されている、というのが既に菅原の思い込みであり、実は4,000万円は脅し取られようとしていない、ということも十分に考えられる。
壬生の破滅が近いと思っている菅原だが、逆に今回12話になる愚者の偶像シリーズが終わりに近く、あっけない逆転を許してしまうのではと不安になる。
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