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九条の大罪 第62審 あらすじ ネタバレ注意
数馬と机を挟み向かい合う菅原は、山城弁護士にスピーカーで電話をし、4000万円の回収分請求は場合によっては恐喝になる、というアドバイスをもらっている。
ついでに九条も恐喝の共犯として逮捕されてもおかしくないと。
菅原は自分を取るか、壬生を取るか決めろという。
壬生に再びガレージで会う数馬だが、1億円を出資し、壬生と一緒に居酒屋チェーンの「豚王国」の共同経営者になれという。今は赤字経営だが黒字回復させて軌道に乗ったらバイアウトする、という計画のようだ。
1億はない、という数馬だが、壬生は、懐事情を把握していてあるよな?何か問題があるかと聞き返す。
数馬は4000万円の回収に感謝しつつも半分取られたのがキツイと、彼女の知人に紹介してもらった弁護士が壬生のやり方は恐喝と言っていたことや、裏切られた気持ちだということを告げる。
壬生は、この発言を受け、数馬が菅原に空気入れられたと分かった、という。
取り立ては普段から半額で、不服なら交渉をしろという。数馬を気に入ったのは病気の妹や他人のために考えて行動したことだという。
決定権を人にゆだねず、自分で考えて決めろ、という。
数馬は何か気づいたような表情を見せる。
そして壬生は菅原とケリをつけに行くという。
数馬は妹の数江に会いに行っている。数馬のテレビ出演でのデートロケの撮影があった江の島に行って江ノ電に乗ってしらす丼が食べたい、とベッドの上で鼻に管を通した数江はいう。
数江が寝たところで数馬の母が病室に帰ってくる。拘束型心筋症が数江の病気で、治療にはアメリカの心臓移植手術が最適のようで、2億円の費用がかかるようだ。
数馬は8000万円は貯めたというが、もう少し待ってくれたら2億円を出す。という。
帰りの電車で、受け身な一般大衆にはなりたくない、と思う数馬。毒を飲み込んでも富裕層になると決めたことを確かめるように思い出す。
菅原のクラブではビニール袋をかぶせられた久我と思しき人物が床でせき込んでいる。
15人くらいの凶器を持った大男に囲まれるように壬生が現れた。菅原はバット、犬飼はナイフを持って3億円を持ってきたか問いかける。
九条の大罪 第62審 感想
急激な展開である。
まず数馬に関しては結論的にはどうもこの「豚王国」の共同経営を受ける決心をしたのだろう。
壬生のアドバイスに従い、自分自身の心や大事なものと向き合い、それが妹の数江であり、一般大衆のような堕落をしたくない、ということであり大事なものと自分の価値観を今一度整理した形だ。
おそらく壬生が当初言っていた「犯罪歴のない人間」に任せたいこと、というのも「豚王国」の共同経営だろう。
赤字企業の黒字化というのはいかに壬生が優秀で数馬が頑張ったとしても1日や1週間では叶わないはずで、どんなに早くても半年くらいかかるのではないか。
そうなると、数江については現状から悪化を防ぎつつ、半年か1年後にアメリカで手術、そのためには会社の売却による利益が最低でも4億くらいあって、壬生と折半することで2億円を得ることができる。
つまり、2人で2億円で買った会社を6億円以上で売る、というのが壬生の見通しで、それに数馬がのっかる決心をしたようだ。
一方で数馬はつい最近お金のかかる千歌との同棲が始まったところであり、レジデンスへの引っ越しのおねだりなど、出費面の問題はまだ解決していない。
今回で直接的に描かれなかった彼の内面として改めて人生の優先順位が数江の治療にあること、その裏には千歌との愛の誓いともとれる出費や、関係性を改め、優先度を下げることがあるのかもしれないが、表面的には未解決で、あっちに行ったりこっちに行ったりと決意がフラフラと揺れ動いているようにも思える。
壬生は絶体絶命の窮地である。共同経営に1億円を出せるというのなら壬生の全財産は1億円以上と考えられるので3億円というメチャクチャなお金も払おうと思えば払えるのかもしれない。
ただ、一度払えば食い物にされるという中3億円を払うという選択肢はなく、何らかの解決の可能性をもって菅原のクラブに行っているようだが、現時点で「豚王国」のバイアウトは終わっていない。それどころか共同経営すら始まっていない。
確定した現金や預金があるわけでもなく、一見してただ手ぶらで菅原のところに登場しているように見える。
九条の大罪 第63審以降の展開は?
バットを持った男たちの前に現れた壬生であるが何らか金を払わず、かといってボコられない算段があるのだろう。
さっきの計算だと「豚王国」の共同経営権を菅原に譲渡した場合、あくまで「見込み」ではあるものの黒字化後売ることで3億円以上が手に入り、これによって勘弁してくれ、というプランがあるのではないか。というのがまず想像される。
菅原とすれば3億円が手に入るならば、悪くない提案だが問題は現金と違って会社の売却という不確実性を伴うことで、内容の精査が必要そうだ。
ただ今回菅原とも通じている数馬が売却想定額を「6億円」と見積もっているのであれば、ひょっとしたら菅原はその数字を信用するのかもしれない。さらに菅原や犬飼は「6億円で売れるならば何らかの方法であとで数馬から3億円を奪う」ことなども考えそうであり、手元の3億円以上に価値のある提案に聞こえるかもしれない。
ただ、これだけでは壬生にはただ菅原にお金を渡したのとそう変わらない金銭的な機会損失をしているので、何かもう少し会社売却関連かあるいは想像だにしない仕掛けがありそうだ。
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