九条の大罪 第69審 至高の検事⑤ 感想

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これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬 蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)現在は流木の事務所に勤める。
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 有馬 (ありま) 弁護士
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 植田 篤彦 自殺をしたおじさん 口が悪かったらしい
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 佐恵子 家守華恵の義理の妹
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ 故人
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男
  • 市田 智子 毎朝新聞社会部 烏丸の知り合い
  • 京極 清志(せいし) 伏見組の若頭
  • 佐久間 謙一(さくま けんいち) 京極を襲撃した輩
  • 笠置 雫(かさぎ しずく) 男性を殺害した若い女性、キャラクターのタトゥー
  • 中谷 修斗(なかや しゅうと) イケメン。マッチングアプリで雫と出会う 故人
  • ムーちゃん 39歳。ぼったくりバーの客引き。
  • 外畠(とのはた)雫の母衣子の内縁の夫
  • 粟生(あお)怪しい男。修斗とつながっている。
  • 亀岡 麗子(かめおか れいこ) 人権派弁護士
  • 田城(たしろ)雫のメイク担当
  • 小山義昭(こやまよしあき)=小林(こばやし)? トゥールビヨン企画の代表取締役
  • 白石 桃花(しらいし ももか)AV出演強要を訴えるモデル
  • 寿樹弥(じゅきや) No1ホスト
  • 笠置衣子(かさぎ きぬこ)雫の母親
  • 深見 警察官、組織対策課3年目
  • 又林 深見の先輩らしき警察官
  • 嵐山信子=愛美? 嵐山刑事の娘 故人
  • 犬飼勇人 嵐山信子殺害の為、少年刑務所に服役中、壬生の地元の後輩
  • 衣笠美穂 嵐山愛美の元飲み友達。
  • 炭山部長 嵐山の上司
  • 金ヶ原 ヤクザが原因で銀行口座を作れない女
  • 紗理奈 小山の娘
  • 門脇数馬(俳優志望➡サパークラブ勤務)
  • 音羽千歌(歌手志望➡ギャラ飲み女子)
  • 数絵 門脇数馬の妹。生まれつき体調がすぐれない
  • ももよ 数馬の俳優時代からのファンで風俗で働く
  • 山梨新一 整形外科医 エッチそう
  • 伏見組長 伏見組の組長。現在服役中。
  • 川原社長 数馬を大人の運動会に紹介したらしい
  • 小松 坊主頭の男。
  • 東村ゆうひ 烏丸の元居た法律事務所の人と思われる
  • 知恵光院翔 ライップスコーポレーションの男。門脇数馬に投資詐欺を行う。
  • 片桐士郎 私立探偵。壬生の依頼で数馬を助けようとする
  • 宇治信直(うじのぶなお) 検事部長。
  • 京極竜也(きょうごくたつや)京極清志の息子。

九条の大罪 第69審 あらすじ ネタバレ注意

烏丸は流木のところでイソ弁をしているようだ。

コーヒーを勧める九条だが、烏丸は断る。だが公園のベンチで二人の会話は始まる。

接見に来たのかと聞く九条だが、そうではないようだ。

逆に九条に聞きたいことがあるのでは、と尋ねる烏丸だが、ちょっと間をおいて「大丈夫です」と九条は答える。

烏丸は京極からの依頼が原因で嵐山が執拗に追い回してくることや、なぜ壬生のような人間の依頼を受けるのか、と九条に問いかける。

九条は弁護士としての職責だから、という。

弁護人の任務は被疑者、被告人の権利や利益を擁護すること。その任務を果たすために弁護人が負う義務は、誠実義務と呼ばれるでしょうか?

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と九条は重ね、一見自由に見える公園にも法や規制でがんじがらめであり、どんな人間も法の前では平等という。

その結果、九条は追い詰められているという烏丸。

依頼者と近づきすぎても彼らは自己保身で裏切るため危険だという。

クーラーボックスを前にチェーンソーの電源を入れる犬飼。

京極竜也は父が伏見組の若頭であることを伝えるが、なおさら口封じをしないと、と犬飼は言っている。

公園の烏丸と九条。

烏丸は九条の感情はどうなのか、聞いている。感情を押し殺すと生きているだけで精一杯になるという。

それに対し九条は質問で返し、東大法学部主席なのになぜ弁護士を選んだのか、と聞く。

烏丸はある事件がきっかけであるという。

死刑になりたいという理由で無差別殺人を起こした犯人の裁判の傍聴がきっかけで、その時に法律だけが機能していて明確だったことが原因という。

法律とそこに関わるものを知ることで生きる意味を探求することにした、というのが烏丸が法の道を目指すきっかけだったようだ。

九条はその裁判を自分も傍聴していた、という。

烏丸はそれを知っているという。

その事件の被害者は烏丸の父、犯人を弁護するのが流木弁護士、担当は九条の父の鞍馬弁護士だった。

九条の大罪 第69審 感想

なんと一気に烏丸が弁護士を目指すきっかけが描かれ、若い九条や中学生か小学生くらいのころ烏丸が並んで裁判を傍聴するシーンが描かれた。

烏丸は接見に来たわけではないので、前回九条から烏丸に担当?の弁護士が変わるのかと思ったがどうも違うようだ。

だとすると、森田が弁護士を変える場合、その弁護士は流木になるのだろうか。よくよく考えてみたらイソ弁という立場で接見とかできないのかもしれない。

九条が面白いから九条の事務所に来たという烏丸だが、そういえばなぜそもそも弁護士を目指すかについては触れられていなかった。

烏丸の父が殺害された事件がどう処理されたのかはわからないが、その中で、「法律とそこに関わるものを知る」ことが「生きる意味」を知ることだと考えたようだ。

裁判の内容が明らかではないものの普通同じシーンに在ったとしても容疑者が許せないとか、悲しいとか、そういう感想しか残らないのではないか。

せいぜい弁護士がどうだったとか、そういう印象が残るくらいかと思うが、少年烏丸の理解は深い。

深すぎて何がどうなったらそういう心境になるのか全く分からない。

私の浅い理解ならば殺人の加害者、被害者の気持ちや動機などについては供述などでは明らかにならず、特に被害者についてはすでに死んでしまっているので聞きたくても意見を聞くこともできない。

本来は人の意見を平等に聞いたうえで、確からしいものを見つけ、落としどころを見つけるというのが一般社会での過ごし方と思う。

法律というものはそうではなく、一方の意見がない偏った状況でも手順を追って進んでいくものである、というのが烏丸の理解だとするならば、九条が言う法律の前ではどんな人も平等ということと似たような理解に感じる。

連続殺人犯はおそらく厳しい刑を受け、烏丸は父を失ったが、慰謝料や逸失利益の賠償などを得られた、とするならば、法がテキパキと機能したため、烏丸の家族はある面守られたことになる。

烏丸は守られた立場だからその状況に感謝しているのかもしれない。つまり烏丸の根底には善悪の判断が先にある、というようなことが想像される。

だから烏丸は九条に感情の話や、京極や壬生とつるまないでほしい、という意味の話をしているのではないか。

一方九条は「思考心情がないのが弁護士だ」と第1審から語っているし、一貫している。思考心情の中に個人の善悪の判断も含まれる。

過去の裁判の段階で九条が何を考えているのかはまるで分らないが、少なくとも現在では九条と烏丸の考えは全然相いれない部分があると言わざるを得ない。

九条の大罪 第70審以降の展開は?

犬飼はチェーンソーマンと化してしまうのだろうか。

壬生が電話した久我というのが一番濃厚な線かと思うが、京極竜也の仲間とか、親の清志の周辺者とか、あるいは犬飼の周りの輩が翻意するとか、そのあたりの人が止めに入らない限り竜也は絶望的だ。

あと前回肝が据わってそう、と言ったが吹き出しの形が不安定だったりして若干怯んでいるように見える。顔は京極清志そっくりだがメンタルは別なのかもしれない。

仮に竜也が生存した場合、犬飼はとてつもなくピンチである状況は変わっていないが、果たしてどうなるか。

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