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九条の大罪 第72審 あらすじ ネタバレ注意
前回に続き九条と京極清志が会話をしている。
京極は財産を息子に渡す方法を考えてくれという。
あと1年で死ぬならば、残された時間を愛しているものにささげたいという京極清志。
愛するものとは息子の猛で、馬鹿息子でも溺愛しているという。
68審で出てきた輩のもとに犬飼が急行する。
拉致したはいいが、京極の息子とは知らなかった模様で、大変なことになった犬飼はガラをかわすのに金が要る、と輩の現金数千万円を奪い、そのまま輩を車に乗せてATMに向かう。
その様子を車中から一眼レフカメラで何者かが撮影している。
壬生は犬飼を見つけられずにいる。
車の運転席にいる久我が、犬飼とは別件で、壬生のグループ店舗で月に1億円も売り上げる店があることを気になっているという。店のクオリティや規模には見合っていない売り上げのようだ。
その店は京極のいる伏見組の資金洗浄をしている店だという壬生。摘発されても口を割らない人間が店長をしているらしい。
資金洗浄は毎年世界で2兆ドルがなされており、犯罪組織のマネーロンダリングはその1%に過ぎないという壬生。大企業や富裕層による資金洗浄が行われ、税を取り損ねた国が国民から税金をぶんどり、一般人は貧しくなるという。
青信号なのに停車する前方の車にクラクションを鳴らす久我。スパナを持った男が車から降りて威嚇してくるが、壬生を見てすみません!と去っていく。
煽り運転をやるやつは心が貧しいクソ、という壬生。
ボウリング場に到着する壬生。ビニール袋や血痕を見て、京極の息子は死んだと悟り、最悪の事態に備え行動するぞ。と久我にいう。
九条の大罪 第72審 感想
壬生としては予想できないことから面倒に巻き込まれた形である。
そして、京極の猛への溺愛具合からも、強烈な因縁が両者に生まれてしまった。
もともと京極は壬生に恨まれていることは承知しており、そういう意味では壬生が直接的に猛に何かをすることには警戒していたのかもしれない。
今回は拉致する人間が犬飼であったことと、犬飼が京極猛を知らなかったことが重なり、特に今のタイミングで京極に反旗を翻す意図はないはずであった壬生からすると予想外のことである。
ポーカーフェイスの壬生で、焦りは感じないものの、やばいな、と言っているので今までで一番の緊張感が走っていることは間違いないと思われる。
壬生の性格的には詰将棋のように、相手の動きを制限したうえで必勝の形で京極を殺したり苦しめたりするはずだったに違いない。しかし、期せずして壬生は自ら味方に引き入れた犬飼のアクションが原因で潜在的な窮地に追い込まれている。
当然予定通りのことではないが、それならば壬生はそもそも犬飼とかそういう行動の読めない男を取り込まなければ良かったはずで、個人的には想定外のことが起こることも壬生の想定には入っているのではないか、と思う。
壬生の相手は強大で、このくらいのリスクを内包しなければ並び立つことはできない、あるいは壬生自身も半グレ的立場である以上、使える武器、仲間も限られてくるということだろう。
68審に登場した輩であるが、なぜかやたら金を持っていたり、彼が拉致されたところを狙ったかのように写真だか動画だかに収めている人がいることが不思議だ。
金についてはちょうど資金洗浄の話があったが、仮に伏見組の資金洗浄を行っている店の店長が今回拉致された輩だとすると、いくらなんでも京極の息子である猛の拉致を依頼するのは無謀すぎる気がする。
そうなると、伏見組に敵対する何らかの組織の資金洗浄を行っている店の店長がこの輩の正体なのだろうか。
九条の大罪 第73審以降の展開は?
話の筋的にも、一眼レフカメラがあることからも、どこかの段階で壬生の関係者、犬飼が輩を拉致し、失踪したことは明らかになりそうだ。
輩を拉致した犬飼と京極猛の行方不明や死についての関係性が明らかになるのかはまだ分からないが、これもいずれ発覚することとなりそうである。
そうなると、ひょっとすると愛するものである「おもち」のタトゥーを入れた壬生と、「猛」のタトゥーを入れた京極が激闘を繰り広げるストーリーが第一に予想される。
一番あり得そうなのは京極が壬生に強い疑いを持ち激しい緊張関係が続く、というシナリオのように思えるが果たしてこれが数話先の話なのかもっと長い話の中で回収されるのか楽しみである。
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