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九条の大罪 第73審 あらすじ ネタバレ注意
ゼネコンの大手3社が談合で立件されているネット記事が上がっている。それを見た宇治部長はいい記事だと鞍馬蔵人を褒める。宇治の指導のおかげだという鞍馬蔵人。
小便器の前で、鞍馬しかいない。という同期の男。
イギリスの大使館勤務→長野の検事正を経て超出世コースだという。いずれ東京高検検事長になり、次長検事を経て検事総長になってもらうのが我々の願いという。
手柄を宇治に立てつつ、筋書きは鞍馬が書いているという同期。世間の関心事を操作するのもうまいと褒める。
大衆を巻き込まないと検察の正当性を保てないとしつつも、愚民に合わせていたら国が腐るという鞍馬。
検察を強くして国を正したいという。
鞍馬は本当の出世コースを法務省の本庁勤務だという。捜査も公判もやらずに法律を作る仕事をする。
烏丸と薬師前が二人、「かに極楽」で焼きガニを食べている。薬師前が市田を電話で呼ぶ。後で合流するという市田は、検事を張り込み中だ。
検察官について怖いイメージを持つという薬師前だが烏丸は嫌悪感を持つという。
烏丸は、「独任制の官庁」と呼ばれる検察官は起訴の権限を持っているという。もし不起訴なら無罪になるため、起訴をすることを決められる検察官は人の運命を決める権限があるということを説明する。
薬師前は、「捜査権がある検事は都合よく世論を誘導し、ストーリーを作れて、操作や逮捕の妥当性も誘導できる。一方マスコミは捜査機関の情報に依存し独自の取材をやめ、検察にコントロールされやすい」と認識していて、それが「怖いイメージ」になっている。
処分は上司の決済を受けるので検事の独断ではないという烏丸。
ビルの電気が消えたのを見計らい走る市田。仕事終わりの鞍馬に偶然を装って会うが、そんなことは知っていたかとばかりに缶コーヒーかエナジードリンクかを渡す鞍馬。
市田は人の感情を動かすいい記事を書くと褒める鞍馬。いいネタがあるという。
鞍馬の知り合いが九条のことを鞍馬の弁慶の泣き所という。九条は伏見組の詐欺事件を不起訴にしたようで、九条とのつながりは望まざるものであるという理解をしている。
九条の事務所に京極が部下を引き連れて現れ、九条に壬生の居場所を訪ねている。
投げられたゴルフバッグからは爪が剥がれ、指が切断された足が見えている。
壬生の手下の身体の一部のようだ。
息子が殺された。といい壬生はどこだ?と再び九条に問いかける京極。
九条の大罪 第73審 感想
検事について私は全然知らないが、ググってみると地検➡高検➡最高検or法務省という出世コースがあるようである。あと、法務省のページにもキャリアパスの一例が書かれているが、鞍馬蔵人の考える出世というのは法務庁の本庁を指すようだ。
考え方の面で九条と対立する鞍馬だが、出世観から想像すると、別に捜査などにやりがいを感じるわけではなく、「強い検察」を作り、自身は法律を作ることに興味があるようだ。
九条間人の考え方をアバウトにとらえると、善悪の判断は弁護士である自分が下すものではない、というものであり、その根底には善悪の判断をすることが難しい、できないというものあるように思える。
この点は烏丸が検事に嫌悪感を覚えている点も同じ根源で、起訴を行える検事の強い権限が善悪を判断できてしまうととらえている。
このあたりのニュアンスが微妙なのだが、二人とも法そのものは否定しておらず、法があることで弁護士の仕事はあるものの、解釈や善悪、ニュアンスという部分にはそれぞれの立場があり、ただその立場を守るという仕事を特に九条は強調している。
兄の鞍馬蔵人はおそらく自分の中に「正しさ」を強く持っており、そこに疑い、迷いもなく生きている。この点において弁護士と検事、九条間人と鞍馬蔵人は相容れない。
九条の大罪 第74審以降の展開は?
ゴルフバッグの中に詰められている人間は犬飼なのだろうか。
ただ単に息子が殺されたとか、いない、という状況を疑っているのではなく、しっかり壬生の手下にたどり着いており、おそらくその男を拷問の末すべてを白状させ殺してしまっている。
殺されたのが犬飼であってもおかしくはない。
前話の際にどこかで京極清志は息子の猛の死に気づき、壬生との関係性についても疑う段階が来る、と思ったが、「どこか」どころかたった1話で壬生は思いっきり疑われている。
壬生からすると完全にもらい事故で、別に壬生が指示したわけはないが、非常に厄介なことに京極は壬生に恨まれていることをよく知っており、壬生の部下が猛を殺し、壬生が姿を消しているという状況では壬生を許そうはずもない。
壬生はとりあえず姿をくらましてしまっているようだが、京極の怒りから逃れて生活する方法は京極が逮捕されるだけでは全然足りないように思える。
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