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九条の大罪 第80審 あらすじ ネタバレ注意
薬物使用者、ホストの売掛金の請求に困る客(おそらく女性だが電話で対応しているので誰かはわからない)、痴漢、覚醒剤所持者。逮捕されたり裁判の被告だったりの罪を減刑するように、九条はせっせと働いているようだ。
仕事終わりに屋上のキャンプ飯風の食事でブラックサンダーに鳥のささみを振る舞う。
引っ越しを考えている九条は今より一回り大きなマンションの間取りを見ている。大型犬OKの部屋が見つかったようだ。
寒いテント、かび臭い部屋という九条の部屋が初めて写されるが、パッと見1Kで四畳半か六畳くらいの部屋を強引にDIYで二階建てに仕切り、九条は足も伸ばせずその一階にあたる床部分でブラックサンダーと眠っている。
翌朝、屋上で歯を磨く九条のもとに嵐山が現れる。
壬生が犬飼への逃亡指示をゲロったらしく、犯罪隠避の罪状で逮捕状を出している。
「ふん。上等じゃないですか。」
という九条。
九条の大罪 第80審 感想
九条の日常は一般の方からすると非日常的に感じるものだろう。
明らかな悪さをしでかした人間の自分勝手な主張に対しても粛々と、淡々と仕事をこなしていく。
ついでに家もかなり特殊である。離婚し全財産を前妻に渡した、とか弁護士としては格安で仕事を受けていることを差し引いても、もっと前から引っ越し可能な金銭的な余裕はあったのでは、と思われる。
そんな九条も自分はその住まいで不自由はないとしても、ブラックサンダーがカビ臭い部屋にいることを不憫に思ったのか、割としっかりと引っ越しの計画を立てていたように見える。
今回九条の逮捕状が出たこととブラックサンダーには関係はないように思えるが、壬生にとっておもちがいて、九条にはブラックサンダーがいる。
壬生が京極に捉えられた理由はよく分からないがおもちも捕まっていたことから、恐らくは壬生は単体で逃げることは可能だったがおもちが捕まってしまったことが原因で京極のところに出向いたのかもしれない。
今回壬生が京極に詰められていることも「犬亅がつく犬飼のミスというか不始末というかアンラッキーというか、ともかく犬飼が何もしていなかったら事はここまでのことにはなっていなかったハズである。
犬は可愛い守るべき生き物だと思う一方で、九条の世界において何らかの不穏さを表したり物語の転換、転機などに現れる存在なのかもしれない。
九条の「ほう。上等じゃないですか。」が少し引っかかる。
普通に読めばこれは壬生が、嵐山の尋問に折れて、九条とのやり取りのディテールを吐いてしまった。それに対し、九条が「私に対してそんなことをしてくるとは、上等だ。そんなことで私が逮捕されるとでも思ったのか」的なニュアンスのコメントに取れる。
しかし、壬生ほどの剛の者がそう簡単に九条の事を売るのだろうか。
嵐山がハッタリで逮捕状が出ている、と言っているのかも知れないが、嵐山の興奮ぷりを見ると、壬生がほんとうに九条のことを話したように見える。
九条の大罪 第81審以降の展開は?
ハイテンションで取り調べをする嵐山は残念ながら見られなかったが、かなり気合を入れた取り調べを行い、壬生が口を割ったとご満悦なように感じられた。
しかしそもそも壬生がただ単に辛いから、楽になりたいから、自分さえ良ければ、という理由で物事を判断しないことはさんざん描かれてきているように思える。
犬飼の死についても自分が助かりただけならもっと別の方法もあったからだ。
だから、九条の上等じゃないですか、という言葉の意味はもしかしたら上等=上出来のような意味もあるのではないか、と思っている。
それは、取調での壬生の受け答え含め九条の想定あるいは指示したもの通り滞りなく進んでいるという意味においてではないかと思っている。
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