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九条の大罪 第94審 あらすじ ネタバレ注意
病院に来た初老の女性に入院する必要があるという医師。白栖医院長の次男、平川幸孝だ。
兄の正孝と話すが、幸孝は炎上してる親父を恥ずかしいという一方で、病院経営に対する考え方は正孝と同じで、病床を満床に埋める必要があると考えているようだ。
日本が高騰した医療費の抑制のために診察報酬を下げるため、病院経営は苦しく、病人を作って、薄利多売をする必要があると説く。
患者側にも問題があり、高額の医療を受けている自覚がなく、ちょっとでも具合が悪いと病院に入り浸り、その原資となるのはサラリーマンの税金であるという。
医療費40兆円を湯水のように使う恩恵に預かるのが地球より重たい命を預かるお医者様だという平川幸孝。
床を見つめる正孝は幸孝の病院で足を切断した子供のことを後悔しているという。病床が埋まっているという理由で救急搬送後病院をたらいまわしにされ、足を失ったが、自身が手術をすれば切断しないで済んだかもしれない、という。
正孝は裁判に傍聴に行ったので覚えているという。同時に九条と言う弁護士も忘れられないという。
正孝の妻、白栖早苗が電話で「院長になってください」と大声で正孝に言う。平川恵理子にマウントを取られているのが嫌らしい。
平川恵理子は白栖早苗が自分に対抗心むき出しで、恵理子がミス柏に選ばれたら早苗がミス我孫子になったり、自身のタワマンの1階下にわざわざ引っ越してきたり、挙句の果てには恵理子の主人の兄と結婚したことなどを馬鹿にしている。
取材の対応を終えた白栖雅之が東村ゆうひ事務所からの10億円の請求に何かの間違いだろ、と声を荒げるが、相楽は相応の相場ですと言い切る。
九条の大罪 第94審 感想
ここにきて、森田がひき逃げをした男の子が再登場した。
すでに1審時点で不憫&胸糞悪いと感じた読者は多いと思うが、白栖正孝、平川幸孝がなんとこの件に関わっていた。
幸孝の考えは父雅之とほぼ同じであり、医院の経営ファーストである。一方正孝は患者ファーストであり、両者の考えは昔から相いれないようである。
森田にひき逃げされた子の足が切断された原因は他の病院が受け入れなかったためで、直接的に幸孝が何か悪さをしたわけではない。
だから幸孝は裁判の傍聴にも行っていないし、特に自責の念に駆られている様子もない。
いっぽうで正孝はこの状況を心から不憫に思っているようで九条についても良くない印象を持っている。
おそらく正孝に感情移入をする人は多いと思うし、私も再び足を切断された子供と、無知ゆえに少額の慰謝料しかもらえなかった母親への同情がよみがえってきたが、それはそれとして幸孝のような医者のほうが医者としては普通なのだろう。
子供が重傷を負っていても複数件の病院が受け入れなかったことや、そもそも病床が埋まっている理由も幸孝や雅之が言うように病床を「症状が大して重くなくても埋めてしまう」ことで売上を上げる、と言う方法がほかの病院経営者にとっても一般的である、と言うことに思える。
その意味で正孝は経営者としてぬるいと言えるが、良識のある人間と感じる。
正孝の妻、早苗と平川恵理子は幼馴染なのだろうか。少なくとも結婚前、タワマン住まい前、ミス獲得前などからの知り合いであるようだ。
柏市は人口43万人で、我孫子市は13万人らしいので、基本的に同じミスでも恵理子の頭の中では自分のミスのほうが格上で、マンションにしても旦那の稼ぎにしても恐らく恵理子のほうが高いのではないだろうか。
早苗についてはシンプルにこれらのステータスや大小を結構気にする人間のようで、電話の興奮ぶりからそれが伝わってくる。正孝はステータスや稼ぎに無頓着に見え、性格の面ではなぜ早苗と結婚したのか謎である。
九条の大罪 第95審以降の展開は?
相楽があっさりと10億円をゲットしそうである。その裏には壬生の暗躍があるが、壬生と九条はもともと関係性が強い。
相楽がしゃぶりつくすであろう、白栖雅之院長は今は気づいていないが、相楽とゆくゆくは対立構造になるのかもしれない。
敵の敵は味方、理論だとすると正孝は白栖雅之と対立しており、その雅之の決して仲間ではない壬生や九条が正孝サイドに立ってなんらかの手助けを行う日が来るのだろうか。
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