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九条の大罪 第96審 あらすじ ネタバレ注意
宇治が壬生にドバイかフィリピンにでもガラ(身柄)をかわせよ、という。
このホテルは国内のようである。
久我は隙間時間に介護施設や飲食店の経営・指示を壬生に代わって行っているらしく、一方伏見組は本気で壬生を捜しまわっており、もし壬生が捕まってしまったら宇治にもどうしようもないというが、壬生はまだやることがあると言う。
ゴルフ場でおじさんたちがゴルフしている。
一人いる若い男が相楽で、他に一人のおじさんは相楽の義父、またその知り合いの何らか金持ちっぽい男、女がいる。
相楽の義父はもともと相楽を検事長になると思い婿養子にとったのに、ヤメ検の弁護士になっていることに不服なようである。
検事長であれば天下りで年5億は稼げたようだ。
出世コースの同期へのひがみから今の時間給の金の亡者になり下がったという。電話のため離れた場所にいる相楽はこの会話を聞いて震えながら下唇を噛みしめる。
スーツの時の相楽よりやや小物感が出ている表情や印象である。
病院から電話を受けた平川幸孝は妻とのプライベートを過ごしているという。
利き腕が右腕で左腕を負傷したらしい急患がいるが、左腕を切断するように会話している。
電話元の病院の人間は、親御さんが切ってほしくないと言っていること、そしておそらく切断するほどの症状ではないことに困惑しているが、平川幸孝は手術失敗や後遺症で騒がれるのが嫌らしく、再び切断するように指示をする。
自分の人生を犠牲にしたくない、命と向き合ったらこっちが死んじゃう、という幸孝だが、妻の恵理子の胸をくすぐっており、特に罪悪感は感じていないようである。
いっぽう予約1年待ちのフレンチらしき店でインスタにアップするための写真を撮りながら食事をするのは恵理子をライバル視する早苗とその夫、白栖正孝だ。
正孝は食事には興味が無さそうで手術前の患者の臓器をスマートフォンで眺めている。
早苗は今日は誕生日で、だからフレンチに来ているようだが、そっちのけである。患者そっちのけの平川幸孝と実に対照的である。
酒は飲まず、緊急オペの連絡が入ると、自身が運転をして事故があったら患者に迷惑なので運転を早苗に依頼するが、さすがに早苗も沈黙している。
おそらく、早苗の運転で、だろうか。病院についた正孝は「いつものを頼む」と若い看護師に言う。
いつもの、とは病床でのセックスを言うようで、なんとセックスをしてリラックスをすることで緊急オペの緊張を解いているようである。
周りの病院関係者もいつものことながらやや驚きや呆れを感じている様子である。
裁判所の地下駐車場のようなところで烏丸と相楽が出会う。お互いスーツ姿である。
九条の事務所を間借りしているという烏丸に対し、相楽自身は九条を知らないという。
しかし、相楽の付き人のような立ち位置の黒スーツの男は九条を断片的に知っていて、ヤクザの依頼を受けてバッジが飛んだという噂、という。
それを受け相楽は九条のことをヤクザ弁護士と言い、つるむ烏丸にまで情けないという。
法曹界の恥さらし、という相楽の言葉を受け、ベンツからマクドナルドのドリンクとハンバーガーを片手に盛った九条が、「どうも。法曹界の恥さらし九条です。」と登場する。
九条の大罪 第96審 感想
壬生がリスクを冒してしたいことは何なのかまるでよくわからないのでいったん壬生周辺はスルーする。
対照的な白栖正孝、平川幸孝兄弟が描かれた。
私自身「医者は変な人が多い」みたいな話を割と人生で聞いてきた気がするが、二人とも両極端に振れている印象である。
九条や法律的には変だとか変でないとか、善悪と言うのはまた別の判断があるのかと思うが、少なくとも私が見ると変な人である。
特に真面目キャラと思われた正孝だがいささか真面目も行き過ぎ、常軌を逸した仕事人間であるようなオーラ、振る舞いが出て来ている。
早苗は確かにわがままそうであるし、欲深く嫉妬深い感じはある。前回なんでそういう早苗と患者や医者の本業を大事にする正孝が結婚したのか、よくわからないと思っていたが、そもそも正孝は全然早苗と向き合っていない。
どこからが早苗、公私の「私」の部分と「公」である病院や患者の部分のバランスを取るのか、というのは非常に難しく、そもそも正解はないと思われる。
しかし正孝は全くバランスを取らず常に患者ファースト、治療ファーストなわけである。
だから早苗の誕生日でフレンチに来ても手術が気になり、緊急手術のために酒も一滴も飲まず、しまいには運転も早苗に任せる。
いつ手術があってもおかしくないし、実際手術はあったわけなので酒を飲まない判断は正しかったのかもしれないが、とにかく早苗ファーストという概念は早苗の誕生日であっても存在しないのである。
看護師とのセックスも「医者の立場を利用してエッチなことをしよう」ということではなく至って真面目にリラックスのために協力を得ているようである。
ルックスも良い正孝であり、権力者である院長の息子の依頼でもあることは看護師にとっても強い嫌悪感は無かったりあるいはメリットのほうが大きいと判断しているのかもしれないが、これも実は正孝にとっては相手は誰でもいいのかもしれない。
人それぞれの常識は異なって当たり前だが正孝と幸孝はこんな感じで真逆なのであった。
また、胸をいじられてうれしそうな幸孝の嫁、恵理子と、不満で沈黙している早苗もまた対照的である。
実は人でなし感のある幸孝夫婦は少なくとも恵理子目線では幸せに過ごしているのである。
相楽はこれまで仕事できる人オーラが出ていたし、仕事はできるのだと思うが今回は意外にも婿養子として義父に不満を抱かれていること、というよりそもそも自分が落ちこぼれてしまっていると認定されていることにイラついている・悔しい・悲しいなどの感情を押し殺している姿があった。
義父も医者なのか相当な金持ちなのかと思うが、飄々と仕事をこなすイメージだった相楽自身も中に闇や悲しみを抱えているようだ。
九条の大罪 第97審以降の展開は?
九条と相楽の会話がありそうだ。
相楽はなぜヤメ検の弁護士なのか。相楽は九条を知らないが、九条は相楽を金稼ぎの才能がある、ということで知っていた。
どこで知ったのだろうか。
壬生と相楽がつながっていて、壬生から聞いたという可能性がまず一つ有力である。壬生は白栖院長の隠し撮りをしており、これも当然日本国内で単体で行っている行動なので伏見組に捕まるリスクを冒しながらそんなことをしているわけで壬生にはそのリスクに見合うだけのメリットがあるだろう。そうなると例えば大金を稼ぐとかはメリットでありやはり相楽と直接間接的につながりがある可能性が高い。
もう一つは検事をやめた理由がひょっとしたら鞍馬蔵人などに蹴落とされた、先を行かれたという理由なのかもしれない。
もちろん鞍馬蔵人が弟の間人(九条)に仲良く「あいつ生意気だから陥れてやったんだよ」みたいな会話をするとは思えない。もし相楽が鞍馬蔵人に出世競争で敗れたためにヤメ検になっていたという場合はさらに間接的に相楽のことを知っていたり、相楽弁護士について九条が調べたら元検事でなんと兄の同期だった、というようなことは十分にあり得そうである。
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