米国株投資「セクター」とは?2021年版セクター別代表銘柄一覧

米国株 セクター インダストリー sector industry industries 資産形成

「セクター」という言葉は投資で良く聞きますがどういう分類なのかについて一度整理しておくことで、各企業/銘柄の性格の類似性などを見出す一助になります。

本記事は情報の整理を目的としており、投資・その他の行動を勧誘する目的で作成したものではございません。投資の判断はご自身の意思と決定でお願いします。

S&P500採用銘柄 セクター別代表銘柄一覧 2021年3月28日更新

セクターとは何かという説明とセクター毎の概要、代表銘柄を紹介します。

セクターとは

各企業=銘柄の事業内容から11個の分類をしたものが一般に表示されています。

https://www.msci.com/gics をもとに自作

詳しくはMSCIのホームページに記載されています。

1999年、MSCIとS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、産業部門の幅、深さ、進化を捉えるための効率的な投資ツールを提供することを目指して、グローバル産業分類標準(GICS)を開発しました。

https://www.msci.com/gics より翻訳

ちょっとした豆知識として

 Global Industry Classification Standard=GICSの分類では

セクター(2ケタ)+産業グループ(2ケタ)+産業(2ケタ)+サブ産業(2ケタ)の合計8ケタのナンバリングで管理されています。

たとえばエネルギーセクターのOil&Gas Drilling(石油・ガス掘削)は10101010

インフォメーションテクノロジーセクターのインターネットソフトウェア&サービスは4501010

という風にそれぞれ大分類・中分類・小分類・詳細分類ごとに番号が振られています。

11個のセクターについて

  • Information Technology…IT・情報技術
  • Health Care…ヘルスケア
  • Consumer Discretionary…一般消費財・サービス
  • Financials…金融
  • Communication Services…通信サービス
  • Industrials…資本財
  • Consumer Staples…生活必需品
  • Energy…エネルギー
  • Materials…素材
  • Utilities…公共
  • Real Estate…不動産

です。

セクター毎の構成比を確認したいとき

こちらのページで確認できます。

一番大きいのがインフォメーションテクノロジーで27.4%、次いでヘルスケア13.1%となっています。

https://www.spglobal.com/spdji/en/indices/equity/sp-500/#data より。2021年2月26日時点

Finviz.comのセクター分け Consumer Cyclical→消費循環(景気に影響) Consumer Defensive→生活必需品 

https://finviz.com/map.ashx より
https://finviz.com/map.ashx より

Finviz.comのS&P500のヒートマップではConsumerセクターの2つで少しここまでの表現と異なるセクターがありますが、概ね言っていることは一緒です。

Consumer Cyclical 消費循環 景気に影響する商品の販売を行う企業

消費者循環は、景気循環と経済状況に大きく依存するカテゴリーです。消費者の循環には、自動車、住宅、エンターテインメント、小売などがあります。

Consumer Defensive 生活必需品 景気に影響しない商品の販売を行う企業 

経済状況に関係なく、人々が必然的に購入する傾向のある商品の販売は一般的に防御的=Defensiveであると考えられています。食品、飲料、衛生製品、タバコ、および特定の家庭用品などが含まれます。

個人的にはDefensive=Consumer Staplesの理解で良いと思っています。

さらに、一般消費の部分から、Consumer Defensive 生活必需品を除いたものが、消費循環商品と捉えるとわかりやすいかもしれません。

消費循環商品 ※増減は特に気にしないで大丈夫です

https://finviz.com/map.ashx より

生活必需品

https://finviz.com/map.ashx より

ポイント・注意点

  • 呼び方は異なりますが、類似したものをグループ化するという意味で使われています
  • 一応の分類をしているが時代の経過や事業の変更に伴ってセクター分類も変更する

一言でいえばあくまで「目安」ということだと思います。

たとえば、金融カテゴリーに属するペイパル PYPLは「フィンテック企業」として有名です。

フィンテックとはFinance+Technologyの造語です。

つまり情報技術セクターに入っていてもおかしくなく、実際にペイパルは過去に情報技術→通信サービス→金融と動いています。

このようにどこに分類していいか悩ましい会社が存在したり、サブの事業が拡大してメインになることもあり、「複数のセクターどっちともとれる現象」は頻発しています。

ほかにも2018年の大きな改訂として、以下のようなものもあります。

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、世界産業分類基準(GICS)の再編を21日の引け後に実施する予定だ。

つまりフェイスブック FB、アマゾン・ドット・コム AMZN、ネットフリックス NFLX、アルファベット GOOGL傘下のグーグルを総称したいわゆる「FANG」は、従来の「情報技術」には残らない。

フェイスブックとアルファベットは、ツイッターTWTRとともに「電気通信サービス」を衣替えした「通信サービス」に組み込まれ、既存メンバーのAT&T T、ベライゾン・コミュニケーションズ VZ、センチュリーリンク CTLと合体する。

FANGとともにハイテク株の雄とされるアップルAAPL.Oは、「情報技術」にとどまり、このセクターにおけるウエートは16%から20%に高まる。

情報BOX:米株セクター分類、大幅変更の注目ポイント | Reutersより

各セクターと代表銘柄の紹介

ここからはFinviz.comのS&P500マップを中心に説明していきます。※色・増減はある1日の変化が書いてあるだけなので、特に気にしないで大丈夫です。

情報技術セクター 74社 主な企業/銘柄

  • ソフトウェア MSFT マイクロソフト、ADBE アドビ、ORCL オラクル
  • エレクトロニクス AAPL アップル
  • 半導体 NVDA エヌビディア、INTC インテル
  • 情報技術 ACN アクセンチュア、IBM
  • ソフトウェアーアプリケーション CRM セールスフォース、NOW サービスナウ
  • 通信機器  CSCO シスコ
  • 半導体装置 AMAT アプライドマテリアルズ

通信サービスセクター 26社 主な企業/銘柄

  • インターネットコンテンツ・情報 GOOGL グーグル(アルファベット)/FB FB フェイスブック
  • エンターテイメント DIS ウォルト・ディズニー・カンパニー/NFLX ネットフリックス/CMCSA コムキャスト
  • 電話 VZ ベライゾン/T AT&T

金融セクター 65社 主な企業/銘柄

  • クレジットサービス V ビザ/MA マスター/PYPL ペイパル
  • 総合銀行 JPM JPモルガン/BAC バンクオブアメリカ
  • 総合保険 BRK.B バークシャーハサウェイ
  • 地方銀行 USB USバンコープ
  • 金融データ SPGI S&Pグローバル
  • 資産管理 BLK ブラックロック
  • 投資銀行 MS モルガン・スタンレー

ヘルスケアセクター 63社 主な企業/銘柄

  • 医療薬 JNJ ジョンソン&ジョンソン/PFE ファイザー/MRK メルク
  • ヘルスケアプラン UNH ユナイテッドヘルス/CVS CVSヘルス
  • 医療機器 ABT アボットラボラトリーズ/MDT メドトロニック
  • 診断・リサーチ  TMO サーモフィッシャーサイエンティフィック/DHR ダナハ―

一般消費財・消費循環商品 63社 主な企業/銘柄

https://finviz.com/map.ashx より
  • インターネット小売 AMZN アマゾン
  • 自動運転 TSLA テスラ
  • 住宅 HD ホームデポ
  • レストラン MCD マクドナルド/SBUX スターバックス
  • 靴 NKE ナイキ
  • 旅行サービス BKNG ブッキング
  • アパレル TJX

など

生活必需品セクター 32社 主な企業/銘柄

https://finviz.com/map.ashx より
  • ディスカウントストア WMT ウォルマート/COSTコスコ/ターゲット
  • ノンアルコール飲料 KO コカ・コーラ/PEP ペプシコ
  • 家庭&個人向け PG プロクター&ギャンブル/EL エスティローダー/CL コルゲート・パーモリーブ
  • たばこ PM フィリップモリス/MO アルトリア
  • 加工食品 KHC クラフトハインツ
  • 菓子 MDLZ モンデリーズ

資本財セクター 74社 主な企業/銘柄

  • 特殊産業 HON ハネウェル/ MMMスリーエム/GE ゼネラルエレクトリック
  • 航空、防衛 BA ボーイング/RTX レイセオン/LMT LMT ロッキードマーティンなど
  • 鉄道 UNP ユニオンパシフィック/CSX/NSC ノーフォークサザン
  • 貨物・物流 UPSユナイテッドパーセルサービス/FDX フェデックス
  • 農業、建設機械 CAT キャタピラー/DE ディア&カンパニー

など

エネルギー 23社 主な企業/銘柄

  • XOM エクソンモービル/CVXシェブロン などです

不動産セクター 29社 主な企業/銘柄

  • AMTアメリカンタワー/CCIV ルーシッド/EQIX エクイニクス

などです

公共セクター 28社 主な企業/銘柄

  • NEE ネクステラエナジー/SOサザンカンパニー/DUK デュークエナジー

などです

素材セクター 28社 主な企業/銘柄

  • 特殊化学物質 LIN リンデグループ/SHW シャーウィン・ウイリアムズ
  • 化学物質 APD エアプロダクツ&ケミカルズ/DD デュポン
  • 金 NUM ニューモント
  • 銅 FCX フリーポートマクモラン

参考:S&P500 2021年採用銘柄とセクター 2021年3月28日時点

2021年の追加銘柄は以下の4銘柄です。

ティッカー名社名GICS
セクター名
追加日
ENPHEnphase Energy情報技術2021/1/7
MPWRMonolithic Power Systems情報技術2021/2/12
NXPINXP Semiconductors情報技術2021/3/22
TRMBTrimble Inc.情報技術2021/1/21
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