所有している銘柄の株価が10倍に上がる「テンバガー」の達成は投資をしている人なら誰しも一度は経験したいものです。過去のテンバガー銘柄の売上と株価の変化を調べることで、テンバガーになるために必要な条件を研究してみます。
過去のパフォーマンスは未来を予想するものではございません。本記事は情報の共有を目的としており、具体的な商品の推奨や投資そのものへの勧誘を行うものではございません。投資にはリスクを伴いますので自己判断・自己責任で実施をお願いいたします。
- 【米国株】過去のテンバガー銘柄 達成時を数字(売上高)で振り返る テンバガーの条件とは 研究
- テンバガー(ten-bagger)とは 野球の10塁打 米国株用語解説
- テンバガー発掘の3つの鉄則とは 広瀬隆雄さん記事紹介
- 検証方法(どんな銘柄が過去に10バガーになったのか) 上場時と売上規模を比較
- OKTA オクタ 2017年上場、2020年テンバガー達成
- TWLO トゥイリオ 2016年上場、2020年テンバガー達成
- TSLA テスラ 2010年上場、2014年テンバガー達成
- AMZN アマゾン 1997年上場、1998年 テンバガー達成
- AAPL アップル 1980年上場、2000年 テンバガー達成
- FB フェイスブック 2012年上場、2020年 テンバガー達成
- UPST アップスタート 2020年上場、2021年テンバガー達成
- 個別株でテンバガーはムリだという場合考えたい複利の力
- IPO銘柄からテンバガーを探したい
【米国株】過去のテンバガー銘柄 達成時を数字(売上高)で振り返る テンバガーの条件とは 研究
企業が順調に実績を上げ、成長に対する期待が高まり、株価が上昇し、テンバガーになっていくとすると、だいたいどのくらいの成長や日にちをもってテンバガー達成となるのか・・・
というギモンがあったので調べてみました。
テンバガー(ten-bagger)とは 野球の10塁打 米国株用語解説
野球の「塁打」ということで1試合に10塁打をするような大活躍のイメージです。
だいたい4打席/1試合と想定しても、平均して2塁打以上を打つわけですから、野球でいえば大活躍ですし、株式市場の中で見ても非常に稀にみる銘柄と言えます。
英語表記「ten-bagger」の日本語読みで、株価が10倍になるほど急上昇した銘柄のこと。大化け株。「bagger」は野球の二塁打、三塁打の「塁打」の意味です。1試合で合計「十塁打」を放つような大活躍した選手のイメージを株価に重ね、米国のウォール街で使われ始めました。
わかりやすい用語集 解説:テンバガー(てんばがー) | 三井住友DSアセットマネジメント (smd-am.co.jp)
株価が10倍になった銘柄、なりそうな銘柄のこと。野球用語でバガーは塁打を意味し、一試合で10塁打(テンバガー)を記録するくらいの勢いで株価が急騰し、10倍まで跳ね上がる銘柄をテンバガーと呼ぶ。
テンバガー|証券用語解説集|野村證券 (nomura.co.jp)
テンバガー発掘の3つの鉄則とは 広瀬隆雄さん記事紹介
こちらの記事に詳しくテンバガー候補の絞り方が書いてあります。
テンバガー発掘3つの鉄則:2021年10倍高期待米国株15選 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア (rakuten-sec.net)
1.IPO目論見書を精読
2.IPOして間もない企業の方が10バガーになりやすい
3.大事なのは決算
4.良い決算を出した銘柄を保有し、悪い決算の銘柄を切る
ということを勧められています。
検証方法(どんな銘柄が過去に10バガーになったのか) 上場時と売上規模を比較
以下の定義づけで今回は10バガー銘柄を選定し調べてみます。
✔ 上場初日の始値から、株価が10倍達成時となった銘柄を調査
✔その後下落してテンバガー未満になったとしても一時的にテンバガーを達成した段階の調査
✔過去の株価について、株式分割等を考慮し変更する(例:1:4の分割をし、上場時の株価が40ドルだったが、現在の分割後は10ドルに相当する場合、上場後の始値はそもそも10ドルだったと表現)
✔上場初日、および10倍達成時に、すでに発表済みの決算資料において、売上推移がどのくらい変化したものかを知る。
他の指標も考えられるのですが、赤字のままテンバガーとなる企業も多いため、シンプルに売上高を比べてみました。
上場後即時買ったら10バガーになった、
※ほかにも関係ありそうな要素があれば追加するかもです。
OKTA オクタ 2017年上場、2020年テンバガー達成
アイデンティティクラウドを提供するオクタの数字は以下です。
四半期売上で5.3倍、年度売上で7.7倍に成長しています。
参考資料
TWLO トゥイリオ 2016年上場、2020年テンバガー達成
プログラマブル・コミュニケーション・クラウドを提供するトゥイリオの数字は以下です。
四半期売上で5.3倍、年度売上で7.7倍に成長しています。
参考資料
Twilio – Twilio Announces Fourth Quarter and Full Year 2019 Results
TSLA テスラ 2010年上場、2014年テンバガー達成
Tesla Roadsterの販売、車両オプションやアクセサリーの販売、車両サービス、ゼロエミッション車(ZEV)クレジットの販売から自動車販売収益を計上しています。
私の確認不足かもしれませんが、S-1では直近9か月(2009年1-9月)の売上について記載はあるものの直近3か月(7-9月)の売上の記載がなく、上場時は継続・安定的な売上がほとんど無かったのかと思っております。
セダンのモデルS、クロスオーバーSUVのモデルXから、ミッドタイプセダンのモデル3、2020年発売のSUVのモデルYに生産・販売を移行しているタイミングです。
参考資料
Registration Statement on Form S-1 (sec.gov)
AMZN アマゾン 1997年上場、1998年 テンバガー達成
当時のS-1では「書籍のオンライン小売業のリーディングカンパニー」との紹介です。
四半期売上で5.5倍、年度売上で9.4倍に成長しています。
アマゾンは432日のスピード達成ですが、その後ドットコムブームが終わり、株価大幅、2002年11月に再びIPO後~10倍の水準に復帰します。
参考資料
AMAZON COM INC (Form: S-1/A, Received: 04/21/1997 00:00:00) (marketwatch.com)
AAPL アップル 1980年上場、2000年 テンバガー達成
1980年のS-1ではマイクロプロセッサベースのパーソナルコンピュータシステムの設計、開発、製造、販売、サービスを行っています。希望小売1,850ドルの「アップルⅡコンピューター」を販売している。とあります。当然iPhoneとかは作っていません。
1999年の年次報告書10-Kでは売上はほとんどが「Apple Macintosh」によるもの、と記載されていました。
アップルについては20年かけて10倍達成ですが、その後ドットコムブームが終わり、株価大幅、2005年に再びIPO後~10倍の水準に復帰します。
参考資料
SEC.gov | Apple Computer, Inc. IPO Prospectus, Form S-1
FB フェイスブック 2012年上場、2020年 テンバガー達成
8億4,500万の月間アクティブユーザー数を発表しIPOしたフェイスブックですが、2021年Q1には月間アクティブユーザー数は28億5,300人でした。
月間ユーザー数は3倍強ですが、その他SNS(instagram,の拡大ネットワーク効果もあり、売上は四半期で27.8倍に拡大しています。
地球の人口が2021年時点で78億なので約3人に1人が30日以内にフェイスブックを使っていることになります。
こちらはInstagram、WhatsAppなどを含むフェイスブックが提供するサービストータルでの月間アクティブ人口ですが、34億5,000人です。プラットフォームをまたぐアカウントの重複もあると思いますが、すごい人数です。
参考資料
Registration Statement on Form S-1 (sec.gov)
Facebook – Investor Events (fb.com)
UPST アップスタート 2020年上場、2021年テンバガー達成
AIを使った融資プラットフォームのアップスタートは上場して265日で株価が10倍になりました。
特に2022年Q2決算での売上高成長率が凄まじく、売上高成長率+1,018%という数字が印象的でした。
参考資料
Upstart Announces Second Quarter 2021 Results | Upstart Network, Inc.
Upstart Announces Fourth Quarter 2020 and Fiscal Year 2020 Results | Upstart Network, Inc.
2022年1月1日追記:UPSTは2021年後半から急落しています。
260ドル以上で取引可能だった期間は、2021年9月7日~2021年11月15日の約2か月強でした。
個別株でテンバガーはムリだという場合考えたい複利の力
テンバガーを取りたいという人は今あるお金を単純に10倍にしたい、という意味を持っていると思います。
個別株でもなんでもいいですが、単純に元金を10倍にするには、どういう成長を描けばいいのか、を下に示しています。
結論的には長ければ長いほど常識的な成長率でも10倍が達成可能です。
かかる年数 | CAGR |
1 | 900.0% |
2 | 216.2% |
3 | 115.4% |
4 | 77.8% |
5 | 58.5% |
6 | 46.8% |
7 | 38.9% |
8 | 33.4% |
9 | 29.2% |
10 | 25.9% |
11 | 23.3% |
12 | 21.2% |
13 | 19.4% |
14 | 17.9% |
15 | 16.6% |
16 | 15.5% |
17 | 14.5% |
18 | 13.6% |
19 | 12.9% |
20 | 12.2% |
21 | 11.6% |
22 | 11.0% |
23 | 10.5% |
24 | 10.1% |
25 | 9.6% |
26 | 9.3% |
27 | 8.9% |
28 | 8.6% |
29 | 8.3% |
30 | 8.0% |
見方として、1年で1,000円を10,000円にするためには、+900%の伸長をする必要があります。
5年なら年+58.5%、10年なら+25.9%、20年なら年+12.2%、30年なら+8.0%の成長を続ければ元のお金を10倍にできる、ということになります。
CAGRは年平均成長率です。参考:年平均成長率 CAGR(Compound Annual Growth Rate) の計算方法
IPO銘柄からテンバガーを探したい
最近のIPO目論見書については別記事でまとめてみています。
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